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塾の宿題をうまくこなしていくために、家庭でできること

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公開: 最終更新日:2021年07月13日

大量の塾の宿題がこなせないことを悩んでいる親御さん、お子さんは多いようです。
あまりにも多いので終わらせることができず、どうしたらいいのかわからないという声もあります。
ここでは、塾の宿題と上手に付き合うための方法について考えてみたいと思います。

ほとんどの塾で宿題が過剰

塾の宿題についての悩みは、ほとんどの親子が持っていると言ってもいいかもしれません。
「宿題がいつも終わらない」
「宿題に追われていて、ただ仕上げることが目的になっている状態です。。。」
「子どもなりにがんばって宿題をしているのに、テストの成績が悪い」
など、宿題に関する相談の内容もさまざまです。

中学受験の進学塾のほとんどが、大量の宿題を出しています。
4年生のうちはまだ少ないのですが、5年生、6年生と学年が上がるにつれてどんどん宿題は増えていきます。
特に6年生になると志望校別特訓など日曜日のオプション授業が始まり、なかには土曜日の授業時間が長くなる塾もあるので、大量に出る宿題をこなすことができなくなる子どもがほとんどなのです。

どうやりくりしても終わらない宿題

実際に6年生になると、1週間どうやりくりしても宿題が終わらない傾向にあります。
週に5、6日塾に通うことになるので、家庭学習の時間は、朝の通学前と下校後、塾から帰宅した後の3回。
1度に1時間できたとしても合計3時間が最大限でしょう。

塾では1日に1、2教科の授業が延べ3時間程度あるので、その日のうちに家庭学習のすべての時間を使って宿題に取り組めたとしても、「書き終える」程度での宿題が終わるか終わらないかです。
どんなに厳密に、マシンのように日々をすごしても、ちゃんと考えて理解しながら宿題をこなすのは物理的に不可能なのです。

宿題に優先順位をつける

宿題を完璧にこなすのは無理という前提のもとで、宿題に優先順位をつけましょう。
一生懸命勉強に取り組んでいるのに、宿題のせいで成績が上がらないのは子どもがかわいそうだからです。

まずどの宿題からとりかかるか、ご家庭で考えてみましょう。
塾で相談しても「全部が大切です」と念を押されてしまうことがあるのです。第三者である専門家に相談するか、親御さんが勇気を持って決断するしかありません。

そのときに必要なのは「何ができるようになりたいのか」を考えることです。そのうえで、優先すべき宿題を見極めるようにしましょう。
宿題の目的をはっきりさせることで、自然に優先順位が見えてきます。考えることが優先なのか、覚えることが優先なのか、思い出すことが優先なのか、宿題メニューごとに目的を明確にしましょう。

家庭で宿題を管理するうえでの注意点

宿題をさせるときには、必ずルールを決めましょう。
親と子どもだけのルールだとないがしろになってしまうこともあるので、どなたかもうひとり加えて3人でルールを共有してもいいかもしれませんね。
たとえば、子どもがいちばん好きな先生を選んでお願いしてみてはどうでしょうか。

「1時間やろう」と時間で区切るのではなく「●時までに、●●を完成させよう」と内容で区切るようにしましょう。
もし予定より早く終えることができたら、追加で学習メニューを与えるのではなく、自由にすごさせてかまわないと思います。
そうすることで、子どもが自分で時間をコントロールすることを覚えていきます。

宿題への、親の上手な関わり方は?

たとえば算数では、答えを書いただけでは「できた」ことになりません。
「こうすれば解ける」と解き方を説明できるようになってはじめて、「できた」と言えるのです。

だから親御さんは時々「どうしてそうなるの?」「お母さんにも解き方を教えて」などと聞いてあげてみてください。
すべての問題でこれをやってしまうといくら時間があっても足りないので、いくつかの問題に絞り込みましょう。
できるだけ子どもの理解があやふやな問題を選んであげると、説明しているあいだに「なるほど!」と子ども自身が腑に落ちることがあります。

授業で一方的に説明を聞いただけだと忘れがちですが、自分で「あ、そうなんだ!」と気づいたことはなかなか忘れません。
宿題に取り組む中で、子どもが「腑に落ちる」瞬間を引き出してあげましょう。

宿題の本来の目的を常に意識する

宿題は「こなすこと」が目的ではなく、「宿題をすることによって理解を深め、学力、そして成績を上げていくこと」が本来の目的です。
宿題の量の多さに圧倒されて本来の目的を忘れてしまわないようにしましょう。

うまく優先順位をつけ、問題の重要度に応じて強弱をつけることによって、宿題は最大限に活用することができます。
なにより、子どもが宿題をやりながら自分なりの理解ができるようになることが大切です。大人はその気持ちの余裕をつくってあげられるようにサポートできるといいですね。

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