中学受験情報局『かしこい塾の使い方』

日能研のかしこい使い方 攻略マニュアル

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公開: 最終更新日:2024年01月29日

こちらの記事は、日能研をお子様が使いこなすために重要なことを実績をもとに分析したものとなります。ぜひ最後までご覧ください。記事の末尾に日能研をお子様が使いこなせているかチェックするスピード診断がありますので、ぜひご利用ください。

目次

日能研とは?

日能研は、日本最大の中学受験専門塾であるということです。

ゆえに、膨大な量の受験生情報を持つことにもなり、学校資料や公開テストのたびにもらえる成績資料は豊富でR4と呼ばれる80%の合格可能性のある偏差値もかなり正確です。

また生徒数が非常に多いため、合格者数も最上位から中堅・下位に至るまで非常に多いのが特徴です。

日能研に通うお子さんが体験する3つのハードル①「カリテはいいのに公開テストになると点数が下がる」

日能研に通うお子さんの中には、
「解法の暗記だけに頼った勉強」
をしてしまうことで、公開テストの際に自滅してしまうというお子さんが意外に多いのです。

カリテの成績によって授業の席順が入れ替わるためだと思いますが、小4生でもカリテのための勉強に一所懸命に取り組む非常にまじめなお子さんが多いのも日能研の特徴です。

そして、そのカリテの問題は、本科テキストや栄冠テキストの問題とそっくりなのです。

ですからとりあえず、テキストの問題を繰り返し解いて覚えてしまえば点数はとれてしまいます。
小4・小5の学習内容が他塾に比べて易しいために、他塾より暗記だけで点数がとりやすいという面も影響しているのかもしれません。

このようなお子さんは、
「カリテは良いのに公開テストになると点数が下がる」
ことになります。
これが初期症状です。

この
「解法の暗記だけに頼った勉強」
を続けて小6を迎えると、内容が急に難しくなることもあり、
「小4(5)年の時はできたのに、今はクラスも下がって…」
「睡眠時間を削って勉強しているのに、逆に成績が下がって…」
という重症になります。

カリテは出来なかった部分の克服に役立てたいところですが、次の週の勉強に追われてしまうため、どうにも復習出来ない状況になりがちなようです。

成績上位の生徒はそれでも何とか復習していますが、ほとんどの生徒はそこまで手が回りません。
「カリテの復習をやるか、宿題をやるか」
という状態に陥ります。

しかしそれでも、他の進学塾に比べると問題の取捨選択がし易いテキストの作りになっていますから、宿題にかける時間と、カリテの正答率表を利用したやり直しを行えばかなり効率よく学習を進めることが出来るのも事実です。

これについてはお子さんのその時の学習状況にもよるので、お母さんお父さんが真剣に関わることで問題の取捨選択をするか、プロ講師の力を利用してどのように学習を進めていくかという学習計画の提示をしてもらうと良いでしょう。

対応は早ければ早いほど良いです。
出来れば今すぐ対策を講じてください。

かしこい塾の使い方にも毎年同様のご相談が寄せられますが、
「解法の暗記だけに頼った勉強」
が染みついたお子さんが、
「考える・理解する」
という学習習慣を身につけることに毎年本当に苦労しているという事実を正直に申し添えておきたいと思います。

日能研に通うお子さんが体験する3つのハードル②「単科(選択・特別)講座の選択で悩む」

選択講座の数が非常に多く、みんながやっているからやらなければならないのではという理由で、ついつい講座を取りすぎてしまうことが多いようです。

講座を取りすぎると、家での学習時間(復習をする時間)が減ってしまい、その結果としてカリテで点数が取れないなどの弊害が出ている方も多数いらっしゃいます。

弱点単元を補おうと、単科講座を選択されるのもあまりお勧めできません。
1クラスの人数が多いために、個々の弱点に対して何らかの特別な対策がなされることはほとんど期待できません。

その結果、苦手な単元をもう一度追体験することになってしまい、より苦手意識が強くなってしまうという恐れもあります。

また、夏期講習などの長期休暇期間の学習に関してですが、通称電話帳などと呼ばれている長期休暇用のテキストにもかなり数多くの「やらなくて良い問題」が含まれているようです。

何でもかんでも端から端まで全ての問題を解く必要はありません。授業で習った問題を確実に解けるようにすることに集中してください。

日能研に通うお子さんが体験する3つのハードル③「勉強に追われ苦手単元の克服ができない」

次々と新しい単元に進み、次の週の勉強に追われてしまうために、カリテの復習ができず、苦手単元の克服ができない事があります。

カリテは、正答率表を利用しての復習を行ってこそ効果のあるものです。

R4偏差値55程度の学校を第1志望とする場合は、正答率50%以上の中で間違った問題、偏差値60以上を第1志望とする場合は正答率30%以上の中で間違った問題を復習してください。

筑駒志望者以外は正答率10%以下の問題に時間を割く必要はありません。

そうは言っても、なかなか復習の時間がとれない場合は、とりあえず算数だけの復習をお勧めします。

1週間に1時間程度の時間は何とか確保できるのではないでしょうか。
また、普段の学習の効率を高めることも大切です。
本科テキストと栄冠テキストを全部解かせずに、「もう少しで解ける問題」を中心に復習するようにしてください。

計算だけを習う小4の2月から3月は出来る限りたくさんの問題を解く方がよいのですが、その時期以外は取捨選択が必要です。

その取捨選択は塾側には期待できません。
その部分は親がやるしかないということになりますが、それが難しい場合は受験に精通した第三者が必要になります。

日能研3つのハードルの解決策

日能研最大の利点は、資料やデータの豊富さと基本をしっかりとおさえられる良質のテキストにあります。

余力があれば別なのですが、単科講座は本当に必要な講座以外は取らないことです。

本科テキストは基礎力を固めるテキストとしては最高によくできた教材です。 この最高の教材を活かすためには、『授業⇒家庭での復習⇒カリテでの高得点⇒カリテの復習』というサイクルをきちんと築くことが重要です。

そして、復習の際には解き方の丸暗記にならないように注意してください。

ですから、余力があれば別なのですが、単科講座は本当に必要な講座以外は取らないことです。

また、正答率等に関しての資料も詳細なものが保護者の元に届きますから、この資料を活用しない手はありません。

地域・校舎によって、頻度に違いはあるのですが、クラス替えの機会が少ないため、できるだけ早く上位クラスへ上がることが重要になります上位クラスのお子さんの場合は、カリテの共通問題の後半から発展問題の前半までの出来に注意してください。

このあたりによく出題される、グラフや表を読み取って解く問題の出来が悪い場合は、覚える勉強だけになっている可能性があります。

また、時間内に多くを解こうとして問題文をしっかりと読まずに解いている場合もあります。

失点の原因を探ることから始めてください。
成績が上がらないので、別の問題集も解かせたいがどうかという相談をよく受けますが、それはほとんどの場合逆効果になります。

ミスが多い原因、もう少しのことを気付けない原因、思い出せない理由をきっちりと分析することが大切です。

日能研の攻略方法「1つでも上のクラスに早く上がる」

偏差値55以上の学校を目指す場合、カリテが”基本問題+共通問題”のクラスでは合格が難しくなります。

“共通問題+発展問題”のクラスにあがるためのプランニングを急ぎましょう。

具体的には、カリテが終わったら、1問でもいいから応用問題に取り組んでおくのです。応用問題の中には、入試によく出題される重要な問題が含まれています。

担当の算数の先生に「今回頑張って1問解いておくとしたら、どれがいいですか?」と質問する習慣をつけるといいですね。

偏差値55以下の学校を志望されている場合は”基本問題+共通問題”で大丈夫なのですが、クラスによって授業レベルや扱う問題に大きな差があります。

志望校に合ったクラスでない場合、必要なレベルの学習をせずに受験に突入してしまうこともあります。

お子さんの志望校と、今所属しているクラスにどのくらいギャップがあるかは、担当の先生に確認しておいたほうがよいでしょう。

日能研の攻略方法「できている問題を何度も解かない」

日能研に通われているお子さんには、
「宿題を何度も繰り返して答えを覚えてしまうくらい完璧に仕上げる」
「特に算数で、宿題をやる過程で、解き方や式を丸暗記してしまう」
「カリテのときには丸暗記している情報に当てはめて解いてしまう」
といった学習をしてしまっている方が非常に多いようです。

軽々とできている問題を、宿題だからと言って何度も解くのは意味がありません。
しかも、何度も解くことで意図せず「暗記してしまった」という学習そのものが、かなり時間をかけて行う学習でもあります。
ということは、学年が上がると時間が足りなくなって成立しなくなってしまうわけです。
こうなると、下がりはじめた成績を上向きにしていくために、一から学習サイクルを見直していく必要が有るため、お子さん自身は非常に苦労してしまうことになります。

ですから、日常的に問題の取捨選択を行い、少し難しく感じた問題ともう少しで解けるようになる問題を中心に学習することが大切です。

日常的に取り組む問題レベルに関して意識をしておくようにしましょう。

日能研の攻略方法「春休みや夏休み等の長期の講習を上手に利用して基礎固めをする」

講習会の内容は、ほとんどが復習となっています。

クラスによってテキストのレベルが異なっていますが、ほとんどのお子さんにとって基礎固めには十分な質・量と言えるものです。

授業で扱った問題とその類題の復習を毎日きっちりとご家庭でするように心がけてください。

5年生までのお子さんに関しては、講習会の日程も比較的余裕があるものになっています。
ただし6年生の夏期講習は、拘束される日数がかなり長いので、この期間は他のテキストを使った復習や弱点対策をやらずに講習の復習に集中してください。

平常(本科)授業期間中はどうしても算数の学習に追われて、他の教科にまで手が回らないお子さんが多いのですが、講習期間は他教科の復習にも時間を割くことができます。

日能研をかしこく使って合格を目指す「灘中」編

日能研 灘中「国語」対策

灘中国語を大きく特徴づけているのは、詩の問題が毎年出されることです。
根本的な対策は、解説文付きの詩集を読みこむことです。

そこまでの時間が取れない人は、記号問題やぬき出し問題などに絞って問題練習を重ねておくと良いでしょう。
日能研にあっては、灘特進に在籍していることが前提になります。

小3から灘特進Jrに参加したり、灘特進に小4から参加する分には資格条件がそれほど厳しくありません。
小4の間は成績がかんばしくなくても、コース変更を強く勧められることはありません。

しかし、小5からは年度代わり、夏休み前といった節目節目に成績下位者に対して、灘特進から外れて本科へコース変更するよう指導がなされます。

最終的に小6で灘特進の資格を維持していくには、「関西順位100位以内」が条件となっています。

灘特進は、算数についてはかなり難度の高い問題を小4の時点から取り組ませるようですが、国語については「これで灘対策になるの?」と言いたくなるぐらい、標準的なレベルの問題しか扱わないことが多いようです。

校舎によっては灘特進テキスト以外にプリントを追加することで、難度の高い文章に触れる機会を確保する場合もありますが、そうでなければ自己学習によって補う必要があります。

日能研の場合、本科教室に載せられている文章の質が高いので、まず塾教材をしっかりとこなしていくことが大切です。巻末付録の知識分野も確実に習得しましょう。

それでも語句分野は手薄になりますから、「完成語句文法」(日能研ブックス)などで演習を補っていくことをお勧めします。

小6になると、「灘中トライアル」という灘受験生向けの模試が全6回実施されます。
これと関西日能研オリジナルの「実戦模試」の成績とで、塾側は灘中合格の判定を行います。

テスト形式に戸惑わないよう、小6の初めに一度は灘中の過去問に取り組んでおくと良いでしょう。

日能研をかしこく使って合格を目指す「慶応普通部」編

日能研 慶応普通部「算数」対策

確実にできるようにしておくべき問題レベルは、日能研のテキストでいえば「本科教室」の練成問題、「強化ツール」では共通のレベルまでです。

高得点を目指す人も「応用」の前半までで十分です。
日能研でMクラスに在籍していれば、通常の授業内容をきちんと理解し、解けるようにすることで合格ラインに到達します。

Aクラスでもカリキュラムテストで「共通・応用」の問題に取り組むクラスであれば可能性はありますが、基本的な問題は早めにできるようにした上で共通問題を確実にする練習も大事です。

日能研のカリキュラムテストの共通問題は、授業を受けて間もない時期のテストなので、解き方を覚えてしまっても点数がとれます。

「覚えて解いている」というだけでは慶應普通部に求められる「確実さ」はつきません。
カリキュラムテストで点数がよくてもセンター模試で成績が悪い場合は注意が必要です。

共通レベルまでの問題を一通り解けるようになった場合、東京出版の『ステップアップ演習』で解法が確実になったかを確かめてみるとよいでしょう。

日能研 慶応普通部「国語」対策

日能研生にとって、慶應普通部の国語で必ず出題されるといってよい物語文の学習量が他塾に比較して比較的少ないのが心配です。

本科教室で出される論説文や随筆文の文章はしっかりした骨組みになっているものが多いですが、慶應普通部ではもう少し読みやすい文章が多く、文章の微妙なニュアンスや組みたて方には敏感な読み方を要求しています。

家庭学習ではこの点に気をつけ、一見読みやすそうな文章を丁寧に読むこようにしましょう。

問題演習では、書き抜き問題が効果的です。
書き抜くためには問題文をどうしても丁寧に読まなければならないからです。
それが、慶應普通部の入試傾向に沿った学習です。

日能研 慶応普通部「理科」対策

カリキュラムテストやセンター模試でミスが多いお子さんは要注意です。
問題数の割に時間が短いテストですから、過去問の演習では問題文をしっかりと読まずに、正確に判断する前に答えてしまう習慣が身につきやすいです。

ふだんのテストでは得点だけを気にするのではなく、解いた問題の中での正答率にも注意を向ける必要があります。
テストの解き直しは、正答率40%以上の問題を対象にしましょう。

日能研 慶応普通部「社会」対策

慶應普通部の問題を解いていると「正解できそうでできない」問題が少なからず出てくるのは、慶應普通部の問題が、「本科教室」の内容を超えた複合的な知識を要求しているからです。

選択肢の文が複合的な内容になっているので、記号選択問題に重点を置いて演習しなくてはいけません。

慶應普通部の時事社会問題に立ち向かうためには、2学期から時事社会問題に着手すればよいと思っていてはいけません。

日常の学習の中で時事社会的な問題意識を持つことが必要です。
早い時期から時事問題に意識的に取り組んでおきましょう。

日能研をかしこく使って合格を目指す「栄光中」編

日能研 栄光中「算数」対策

日能研の「本科テキスト」「強化ツール」および通常の授業内容は、標準的な解法を身につけることを中心としたものです。

これらの習得はどの学校を受験する上でも必要ですが、それだけでは栄光学園の対策としては不十分です。

ふだんの「考える練習」は、カリテや公開模試の最後の問題を使うのがよいでしょう。
目新しい設定の問題が多く、与えられた条件をもとにその場で考えるよい練習となります。

ただ、テストでは点を取らなければならないので、それらの問題に十分時間をかけることが難しい場合があります。

テストではまず点を取ることを優先し、家に帰ってきてから解説を見る前にじっくりと取り組んでみる、というスタンスがよいでしょう。

日能研で栄光学園向けの本格的な対策を行うのは、6年後期の日曜特訓です。
このコースでは栄光学園の過去問や似た傾向の問題を学習します。

授業の中で解法を理解するだけでなく、自分、なぜその解法に至ったのかと考えることが大切です。家での復習の前に、授業時に十分に考えて問題を解いておくことが大切です。

栄光学園合格にはかなりの実力を要しますが、問題の傾向が大きく違うため日能研のテストでの成績と必ずしも一致しません。

もちろんあまりにも偏差値がかけ離れている場合は再考も必要ですが、偏差値だけに振り回されずに過去問などで相性を考えてみることも大切です。

日能研 栄光中「国語」対策

日能研の「本科教室」は、他塾のメインテキストに比べて論理的文章をかなり多く取り上げています。この点が栄光学園対策に有利な一方、物語文の分量が少なくなっているので一長一短です。

日能研から栄光学園を目指すなら、「本科教室」の記述問題を解き、解答解説をしっかり読み込んでおくようにしましょう。

6年の1学期に1週間で50字程度の記述を5本くらい演習すると力がつきます。
ただし書きっぱなしにはせず、塾の先生などに添削をお願いしましょう。

自分の答案のどこをどのように変えれば正解となるのか、そのために問題文のどこをどのように読み取ればいいのかなどを教えてもらうとよいでしょう。

日能研は物語文の記述分量が少ないので、問題文には直接書かれていない心情を読み取って記述する訓練がおろそかになりがちです。

意識して物語文の記述を自宅学習に取り入れましょう。

日能研 栄光中「理科」対策

特に力学、電流などの物理単元では「本科教室」が易しいので補完する参考書か問題集が必要です。

また「本科教室」で学習する際、知識をただ覚えようとするのではなく、関連付けて覚えることを心がけましょう。

「なぜそうなるのか」という事を常に考えながら学習を進めることも大切です。

公開模試に出題される思考系問題を丁寧に解き直すことが、栄光の入試問題への対応力をつける1つの方法です。

また、日曜志望校別特訓の問題演習は日能研生にとって、栄光学園傾向の問題に挑戦できる唯一の機会として必須です。

日能研 栄光中「社会」対策

日能研の社会の学習は、知識を断片的に記憶していく傾向に陥りがちです。
できるだけ考えながら「本科教室」を読む訓練をしましょう。

語句をたくさん覚えることも大切ですが、それらがどのような理由で、どのようにつながっているのかを考えながら覚えることが大切です。

栄光学園型の、あるテーマの展開のかたちをとる社会の総合問題を解く訓練も必要です。

公開模試に出題される総合問題、先に上げた類題校の過去問などを使って練習しておきましょう。

日能研をかしこく使って合格を目指す「駒東」編

日能研 駒場東邦中「算数」対策

日能研では6年生前半まで「本科教室」を中心に学習を進めます。
「本科教室」は基礎重視のテキストなので、ここに出てくる問題は難なく解けるようにしておく必要があります。

日能研の「教科ツール」は問題数が多く、「応用」の中にはかなりレベルの高いものも並んでいるので、全て解こうとせず、日能研の先生に駒東レベルの問題や、出題されそうなものを選んでもらうと効率的に学習が進められます。

難関校選抜日特では駒東の過去問や、他校で出題された同傾向の問題を中心に学習が進められますので、これらを中心に日々の学習を進めていくとよいでしょう。

日能研 駒場東邦中「国語」対策

志望校別特訓の授業を大切にしましょう。
平常授業で使用する主要テキスト「本科教室」「栄冠への道」にも記述問題はありますが、文章がやや短く本格的な記述問題の演習レベルではない点が不安です。

また、日能研の国語は物語文の学習量が少ないのが特に気になります。

駒場東邦中は物語文の記述が出題されます。テキストの記述問題をできるだけ自分で演習すること、解答例を写して自分の解答とどこが違うのかを、自分なりに納得することが大切です。

日能研 駒場東邦中「理科」対策

日曜の志望校別特訓は自宅から遠くても出来るだけ参加するようにしましょう。

「本科教室」「栄冠への道」はもとよりカリキュラムテストや公開模試においても、駒東のような厳密に考えさせる問題が不足しています。
日曜日の特訓がそれを学習出来るチャンスです。

日能研の暗記教材である「メモリーチェック」は、駒場東邦受験に関しては難易度が低いので、市販の暗記教材や問題集を併用されることをお勧めします。

日能研 駒場東邦中「社会」対策

日能研のメインテキストである「本科教室」は、やや知識偏重型のテキストです。

駒場東邦中の出題傾向、つまり難度が高い記号選択問題、記述問題、国内外を問わず社会状況を主題にした問題をカバーするにはじゅうぶんではありません。

駒場東邦中に合格するには、出題傾向に対応した、一歩進んだ自宅学習を行う必要があります。

テレビ、新聞、小学生向けの雑誌などで国際社会や日本社会の様子に少しでも触れること、最新年度の入試問題集から記述問題と選択肢の文が長い記号選択問題を選んで学習することが大切です。

日能研をかしこく使って合格を目指す「女子学院中」編

日能研 女子学院中「算数」対策

日能研の「本科教室」の特徴は、基本~標準レベルの問題を中心に編集されていることです。

女子学院の入試に対応する力をつけるには、「強化ツール」を上手に使う必要があります。

「基礎」と「共通」部分の解き方をすべて習得すれば、女子学院の入試問題への対応力がつきます。

ただし、解説がやや不十分なので、分からない問題は誰かに質問するなどして理解を深める必要があります。

日能研 女子学院中「国語」対策

日能研のテキストは、随筆文の読み取り量があまり多くありません。
女子学院は、随筆文主体の問題を出す学校ですので、随筆文の読み取り不足を補う学習が必要です。

平常授業での随筆文全部はもちろんのこと、各講習会テキストでの随筆文全部の復習を少しでも行うとよいでしょう。

女子学院向けに、その文の中での語句の意味を理解すること、随筆文特有の語感に慣れること、緻密に読み取ること、問題処理をスピードアップすることの4点を意識して学習しましょう。

論理的文章については、日能研のテキストを活かせば十分女子学院に対応できます。

日能研 女子学院中「理科」対策

日能研で女子学院を目指すなら、植物や動物、そして天体を含んだ地学単元は本科テキストを超えた学習が必要になります。

応用自在などの市販テキストや四谷大塚の予習シリーズで補強するとよいでしょう。
基礎知識の暗記テキスト「メモリーチェック」は、女子学院対策としては優しすぎるので、市販の暗記問題集を併用されることをお勧めします。

カリテや公開模試の復習も、知識の漏れをなくす上で重要です。

正答率40%以上の問題で、間違ったものを復習しましょう。
正答率30%以下の問題は無理に直しをしなくても大丈夫です。

日能研 女子学院中「社会」対策

日能研で女子学院を目指す場合に注意しなければならないのは、主要テキストである「本科教室」が知識偏重型で編集されている点です。
あまりにも細かい知識まで網羅され、受験生に無用な負担を強いることがあります。

女子学院の出題は知識重視型ですが、最近の傾向は、表面的な知識で太刀打ちできるレベルのものが少なくなっています。

断片的な知識ではなく、その背景や因果関係などを理解するために、ふだんから問題意識を持っておきたいところです。

時事社会問題もよく出題されるので、テレビのニュースや新聞も見る習慣をつけておくとよいでしょう。

平常テキストである「本科教室」は、ここをカバーしていないので、日頃の授業内容が現代社会とどのように関係するかを意識しながら学習しましょう。

日能研をかしこく使って合格を目指す「桜蔭中」編

日能研 桜蔭中「算数」対策

日能研で通常の学習に使用する「本科教室」は幅広い層を対象としたもので、桜蔭中受験者にとっては内容が不足しています。

もちろん「本科教室」の内容は基本的・定型的なものが一通りそろっているので、これらを習得することは大前提ですが、桜蔭中への対策としてはさらにレベルの高い問題の演習も必要です。

桜蔭中を狙うなら、通常授業はMクラス、日曜特訓で桜蔭中のクラスに入ることが必須です。
桜蔭中に向けた難度の高い問題を演習する機会を少しでも多くとることが必要です。

注意すべきは、桜蔭中で合否を分ける問題と、日能研のテストの問題の傾向が少し違うということです。

同じように難度の高い問題でも、前者は一度は類題を経験するタイプの問題なのに対し、後者はその場で手を動かしてじっくり考えることや発見的考察を必要とすることです。

桜蔭型の難度の高い問題は『中学への算数』や『ステップアップ演習』などにまとめて載っているので参考になります。

日能研 桜蔭中「国語」対策

日能研は、主要大手4塾の中で、取り扱っている論理的文章の難度や記述量にはトップです。

日能研で桜蔭中を目指すなら、まず本科教室の記述問題でのトレーニングです。骨太なものが多いので、桜蔭向きです。
論理的文章については、テキストの要約を自分でするのがよいでしょう。

さらに、日能研テキストよりも難しい内容の文章を読み、要約と心情の読み取りに関して問題演習をして添削を受ける機会があるとなおよいでしょう。

言語知識分野は、あまり桜蔭には出題されませんが、カリキュラムテストなどの成績に悪影響を及ぼすので、学習時間に配慮しましょう。

日能研 桜蔭中「理科」対策

桜蔭は、物理・化学・生物・地学の四分野から、バランスよく出題されます。
すべての単元で一定レベル以上の問題を解き切れる状態に高めていくことが大切です。

日能研のテキストは、標準レベルに照準を合わせて作られています。
桜蔭の問題レベルとくらべるとやや優しすぎるため、カリテの直しなどでより実戦的な問題への対応力をつけておく必要があります。
表やグラフを使った問題(物理や化学単元に限らずに)を多く解いておくことが大切です。

基礎知識の最終的な暗記に使われる「メモリーチェック」は、桜蔭受験者には易しすぎるため、市販の暗記問題集を併用するのがよいでしょう。

日能研 桜蔭中「社会」対策

「本科教室」は、非常によくまとまったテキストで、桜蔭の問題にもほぼ対応していますが、桜蔭中に頻出の記述問題や、グラフなど資料を読み取る問題への対応に今ひとつ不安が残ります。

四谷大塚の「予習シリーズ」や市販の問題集を併用し、グラフや表などを扱った問題に慣れておくとよいでしょう。

日曜特訓の桜蔭コースの問題はもちろん、公開模試や入試問題集の中でも表やグラフを扱った問題を解きこんでおくと自信がつきます。

日能研をかしこく使って合格を目指す「早稲田中」編

日能研 早稲田中「算数」対策

組織力を生かした豊富なデータと教材が、日能研の強みです。
算数の授業ではカリキュラムテストと極めてよく連動し、授業をちゃんと聞いていれば解けるようになっています。

一方で解答は公式や手法の暗記にこだわりすぎる傾向があります。
算数は問題に対し、いくつの解法を知っているか、別の角度からの見方ができるかが大切です。
早稲田中の図形問題はこういった柔軟な思考力がないと解けません。
東京出版の教材などを利用し、解法を増やす努力をしておいた方がよいでしょう。

日能研 早稲田中「国語」対策

日能研の主要テキストである「本科教室」を十分に活用するのが早稲田中合格への近道です。

日能研生の早稲田中対策としては、平常授業への取り組みで読み取り精度を向上させるようにしましょう。

日能研の国語の難点は、テキストが取り上げている物語分野の文章量が少ない点です。
ステージⅣでは物語小説の割合が少なく、20回のうち5回です。

最新年度の入試問題集を購入して、10本位の物語小説に重点をおいた演習を行う必要があります。

入試問題集は、しっかり解説のついたものを選んで早稲田中の類題校入試問題を演習するようにしましょう。

日能研 早稲田中「理科」対策

日能研から早稲田中を目指すなら、「本科教室」「栄冠への道」を活用するとともに、カリキュラムテストを上手に活用しましょう。

テキストはオーソドックスな基本~標準レベルの問題が中心ですが、カリキュラムテストや公開テストには、より実戦的な問題(入試問題を題材としたもの)が多く扱われているからです。
解説を活用し、正答率30%以上の問題を中心に、丁寧に理解しながら直しをするようにしましょう。

日能研 早稲田中「社会」対策

日能研のメインテキストである「本科教室」は、知識を増やすことを中心にまとめたものです。

知識量としては十分ですが、知識を上手く活用できるよう、実戦的な問題への対応力をつけることを目指しましょう。

早稲田中の問題では、理解し暗記した知識がそのまま問われません。
日能研生はカリキュラムテストや公開模試などの直しを通じて、入試問題をベースとした問題を解く訓練をしておきましょう。

国際事情や国内事情に関する基礎知識がない場合には、早目に学習しておかないと、追い込み期に焦ることになります。

日能研生に限らず、中学受験生は考え方が偏りがちです。
早稲田中合格に狙いを定めた戦略を立ててほしいところです。

日能研をかしこく使って合格を目指す「麻布中」編

日能研 麻布中「算数」対策

センター模試の結果で見れば、最上位クラスでなくても合格者は出ています。
しかし、日能研で通常使われている本科テキストは麻布中の受験を考える上では易しく、Mクラス以外では応用問題に裂かれる時間が短くなり、麻布型の考えさせる問題への対策が手薄になってしまいます。

麻布中に向けた本格的な対策が行われる志望校別日曜特訓で、理解を深める前提として、平常授業でMクラスに在籍するだけの力をつけておくことは重要です。

日能研生が麻布中を受験する上で注意すべきことは、基本概念の理解をきちんと積み重ねておくことです。

問題の解法のみに意識を向けるのではなく、なぜそうなるのかの理解に、より重きを置くことが考えさせる問題が、中心の麻布中対策においては重要となります。

理由が十分に理解できなかった問題は、先生に質問するなどして、必ず納得するようにしていきましょう。

日能研 麻布中「国語」対策

日能研のステージⅣ(5年9月から6年7月)の約40回のうち、麻布中入試問題のメインである物語文の回数は8回です。

サピックスの同時期では、物語文の回数は約25回もあり、記述訓練のBテキストも充実していることから考えると、やはりやや少なめではあります。

麻布中の記述は、書かせる量がかなり多いので、日頃あまり記述の訓練をせずに、日曜特訓の授業でいきなり記述特訓を受けても、それほど効果はありません。

本科教室の使い方を工夫し、物語文の心情理解に関する記号選択問題を記述問題にして訓練するのです。

1問50字程度で5問、自分で記述訓練すれば、志望校別特訓のときに必ず効果が現れます。

日能研 麻布中「理科」対策

カリテには記述問題が毎回出題されます。
麻布志望の場合は、この問題では常に空欄にしないように努力しましょう。

他の選択問題などに時間を使う方がカリテの点数が上がる場合が多いのですが、記述力をあげるために場数を踏んでおくべきです。

日能研の「本科教室」も「栄冠への道」も、残念ながら麻布傾向の問題量が不足しがちです。日特の麻布コースでの対策が重要になります。

普段の学習は、上記の2冊を中心に進めることになりますが、断片的な知識の丸暗記にならないように注意しましょう。

日能研の理科のテキストは、入試に必要な一般的な知識をまとめたものですから、市販の受験参考書や問題集を併用することも効果があります。

カリテの直しを丁寧に行うのも効果的。
日能研のカリテは、テスト時間の割には問題数が多いのが特徴で、テスト内でじっくり考える時間が取れない問題もあるでしょう。
直しのときに、改めて丁寧に考えながら解くのです。

表やグラフの問題も、カリテ、公開模試の両方に豊富に出題されます。
これらの良質なテストの直しを毎回丁寧にしておくことで、ぐんと実力がつきます。

日曜特訓の麻布コースで配布される小冊子やプリントの問題は、全国の過去問から麻布傾向の問題をピックアップしたものです。

6年生の後半は、このコースの学習を中心に学習サイクルを組み立てるとよいでしょう。

日能研 麻布中「社会」対策

日能研生から麻布中を目指すなら、平常授業で知識偏重型の学習にならないよう、注意しなければなりません。

語句をたくさん暗記して記号選択問題や語句記入問題を演習するスタイルではなく、麻布の問題傾向に合わせ、因果関係や背景などを考えながら解くようにしましょう。

記号選択問題でも、正解の選択肢を自分で記述問題にすることで、麻布対策ができます。 1週間に100字程度何かを書く学習を行っておくとよいでしょう。

志望校別特訓授業に参加したときに、日頃から少しずつ記述訓練をしていると、効果が出てきます。

最新年度の中学入試問題集を購入して、問題を演習するというよりも、問題文を読んで内容をまとめる学習も、日能研生にとっては効果があります。

日能研をかしこく使って合格を目指す「開成中」編

日能研 開成中「算数」対策

多くの塾で「開成」を冠するコースが設定されており、上記の傾向を踏まえた問題を中心に演習が行われています。

このコースに入れないと合格は厳しくなるので、6年生の前半まではこのコースに入れるようにすることが最低限のラインです。

6年生になると志望校別特訓があり、この中に開成のコースがあります。
開成の過去問を中心に学習するのでこれを中心に学習すればよいですが、類似傾向にある他校の問題も演習することで考え方を定着させるようにするとよいでしょう。

『中学への算数』には学校名を問わずやや難しめの問題が入っているので、よい練習になります。

毎回の授業の内容を、解法の丸暗記ではなく1つ1つきちんと理解するという姿勢を維持しながら身につけていくことが大切です。

日能研 開成中「国語」対策

日能研のテキストには、他塾と比べて開成中対応の文章が比較的多いです。
そのため、平常授業の復習をしっかり行うのが何よりも効果的です。

日能研の本科教室の応用問題と発展問題を重点的に消化するような学習スケジュールを組むことで、開成中合格のための基礎作りができます。
しかし、問題はどのように記述すればよいのか、という点です。

開成中の記述問題は、麻布中の記述問題とは質が異なります。
だから日能研の志望校別特訓授業では、開成中に対応した記述の書き方を学習するつもりで受講しましょう。

記述は、「何を」「どのように」書くのか、という2点が大切です。

「何を」は自分で理解できるが「どのように」は自分ではなかなか理解できません。
「どのように」を重点的に学ぶことが、日能研で開成中の合格を勝ち取る鍵になります。

日能研 開成中「理科」対策

平常授業ではMクラスに在籍している必要があります。
また、志望校別日曜特訓でも開成コースの授業を受けることが大切です。

全クラス共通の「本科教室」「栄冠への道」だけでは、開成中の問題レベルを考えた場合どうしても質と量が不足しています。

Mクラス独自のプリントや開成コースのテキストを加えても、やや練習量としては少なめですから、市販教材か他校の過去問を使っての学習も必要です。

市販教材としては、「応用自在シリーズ 計算で解く問題の特訓 理科(学研)」などがお勧めです。

開成中の過去問はもちろん、手に入るだけ解いておきましょう。
基礎的な問題での失点を防ぐためには、芝中や浅野中の問題演習が効果的です。

日能研 開成中「社会」対策

日能研の主力テキストである「本科教室」は、知識に関してはかなり詳細に説明されています。知識量の点から言えば、開成中に対応した、優れたテキストなので、平常授業でしっかりテキストを読みこなして理解しながら暗記に努めてください。

ただし、開成の社会は分野をまたいだ総合問題の形をとることがあるので、通常の項目別学習だけでは不十分です。

開成中の過去問は、手に入れられるだけ手に入れ、じゅうぶん総合問題に慣れておくことが必要です。

資料の読み取りに関する問題も例年出題されますから、そのような問題を入試問題集から「つまみ食い」するのも効果的です。

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