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6年生「志望校判定サピックスオープン」のメリットと注意点について

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公開: 最終更新日:2023年05月09日

サピックスの6年生は4月に「第一回志望校判定サピックスオープン」があります。
(2023年は4/16に実施されました)

こちらはその名の通り、お子さんの志望校との適性を判定するための、中学受験界隈で知らない人はいないほど有名な公開模擬テスト、通称「S.O.」です。

外部生も受けられるテストですので日能研や四谷大塚、早稲アカに通塾する皆さんの中にも受験した人が多いのではないでしょうか。

志望校判定サピックスオープンの2つのメリット

S.O.は前述の通りお子さんの志望校への適性を測ることが狙いであり、志望校選びや志望校への合格可能性の現状把握、モチベーションアップに非常に有用なテストですが、他にも2つの大きなメリットがあります。

①午前午後通しての受験体験ができる
S.O.はAタイプとBタイプの2種類の問題があり、それぞれ国算理社の4科目があります。
それを1日に済ませてしまうわけですから、多くの生徒さんにとっては初めての「半日がかり&弁当持参」のテストになります。

初めてこのようなテストを受けた生徒さんは、終了後にドッと押し寄せる疲労感と体力の消耗具合に驚きます。
これが本番スケジュールの疲れです。
しかも、実際の受験期間には大概の人が複数受験をしますから、これが数日間続く上、場合によっては午前と午後に別の学校を受験しなくてはならない場面もありますね。

ですから、この疲れ方をぜひ夏休み前に体験し、体力づくりも受験の重要な要素だということを改めて知っておいてもらえたらと思います。
(4月に受験できなかった人は、ぜひ6月開催の第二回S.O.を検討してみてください)

②得意なタイプが分かる
S.O.は5年生までにサピ生の皆さんが受けてきた試験とは異なり、A・Bの2タイプに分かれています。

Aタイプ:知識の定着度と問題処理能力を測る問題
Bタイプ:思考力と記述力を測る問題
です。

これら2つのテストを受験することにより、より精度の高い形で志望校への適性や合格可能性を判定することができるのはもちろん、今現在どちらのタイプがより得意か(得点しやすいか)が判るので、夏休みの併願校検討にも大いに役立ちます。

ちなみに試験の時間割はこのようになっています。
9:00-11:45 テストB
(国算各45分、理社各30分)
12:25-14:30 テストA
(国算各35分、理社各20分)

テストBとAの合間は40分ありますが、この中には試験問題を回収したり配布したりする時間も含まれています。
実際には40分休憩、というよりは、軽い昼食を取りトイレに行って一息ついたらすぐに午後の試験再開、という感覚に近いですよ。

サピックスオープン受験上の注意点

そして、最後にS.O.の注意点を2つに絞ってお伝えしておきますね。

①AとBでは制限時間が異なる
休憩の間に必ず試験時間を確認し直し、身体の感覚を調整しておきましょう。
(午前のままの感覚で午後のA試験を受けたら時間が足りなくなって焦った!という声を毎年たくさん聞きます)

②結果はあくまでも志望校適性の目安
S.O.は志望校適性を測る精度の高いテストではありますが、この結果がそのまま実際の受験合格率と連動してはいません。

ましてや4月は第一回、まだまだ伸び代はいくらでもあります。

たとえば、
自分は麻布中学校に行きたいけれど今回のS.O.ではBタイプがボロボロだった。
思考力や記述力重視の麻布中学には適性がないということか……。
と安易に諦める必要はないということです。

たとえ今現在志望校の問題タイプに適性が無くとも対策は可能です。
テスト結果はあくまで志望校選定の目安にとどめ、振り回され過ぎないようにしましょう。

適性がいまいちでも、「どうしてもここに行きたいんだ!」と周りが驚くほどの情熱で学習に取り組み志望校合格を勝ち取った人はこれまでにたくさんいます。

また逆に、適性だけで志望校を選んだためにモチベーションが上がらず、合格レベルまで持っていくことが出来なかった失敗例もよく耳にします。

6年生の皆さんはこれから徐々に志望校を考えていく時期に入りますが、どうか皆さんの「◯◯中学校に行きたい!」という強い気持ちこそが、何物にも勝る合格への原動力だということを忘れないでください。

皆さんが全6回のS.O.を始めとする大型公開模試を上手に活用し、志望校合格へ向け邁進できるよう心から願っています。

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