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個別と家庭教Wスクールの選び方

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更新: 2017年05月10日 公開:

塾の学習スタイルがお子さんにフィットしなかったり、がんばっているのにどうしても学習サイクルがうまく作り上げられなかったりすると、塾以外の助けが必要かもしれません。
ここでは、大手進学塾に通いながら、家庭教師や個別指導教室を併用する方法、いわゆるWスクールを考える場合のポイントについてお話したいと思います。

「うちの娘はおとなしいから、先生と1対1というのは緊張するのではないか」
「うまくいかないからといってすぐに人の手に頼っていては、子供の成長に良くないんじゃないか。
男の子なんだから、少々つらくても頑張らせないとだめだろう」
「塾に加えてさらに費用をかけるというのは・・・」
「塾だけでもすでにこれだけ忙しいのに、さらに何かを追加するというのは、子供が可哀相な気がするわ・・・」

お子さんの成長を心から願っているからこそ、勉強がうまく回らなくなった時は皆さん本当に悩みます。
ですが、上手くいっていないのなら、冷静に判断することが必要です。

なぜなら、お子さんの学習が思い通りに進んでいなければ、お母さんもお父さんも可能な限り手伝うのが普通なのですから、「いよいよ困った」と感じる時には、すでにご家庭で出来ることは全てやりつくした後だからです。

時間が経てば何かが変わるかもしれない・・・という願望にすがるのは危険ですね。

受験生のお子さんを見守るお父さん、お母さんにぜひ覚えておいて欲しいことがあります。
「大人の時間は無限でも、子供の時間は有限だ」ということ。

大人は誰でも、子どもを前にすると、理想的な子育てを思い描くものです。
「長い人生を」「大きな視野で」「自分の可能性を見つけながら」「自信を持って歩んで欲しい」
でも・・・受験をすると決めた以上は「〆切」が有無を言わさず来るのです。

入試日はお子さんを待ってはくれません。

受験に向かう子供たちは、有限の時間を生きているのです。
熟慮することはいい。
しかし、意味もなく時間を先送りすることは、受験生の親ならば避けなければいけません。

塾の勉強がうまくいかない時に保護者の方が取る方法は、次の5つのいずれかです。

  1. (1)親子が今まで以上にがんばる
  2. (2)塾を変わる(転塾)
  3. (3)志望校を変える
  4. (4)受験をあきらめる
  5. (5)第三者の手を借りる

(1)親子が今まで以上にがんばる

これは現実的ではありませんよね。
今までもできる限りがんばってきたのですから。
この方法が取れる人は、今までがんばっていない人だけです。
困っている人はもうすでにやれるだけのことはやっているのですから、さらにがんばろうというのは、お子さんに達成不可能な課題を与えることになりかねません。

(2)塾を変わる(転塾)

転塾先の候補があって、もし転塾した場合にどんな学習サイクルになりそうかを具体的にシミュレーションできるのであれば、検討する価値があります。
ただし、タイムリミットは小5の夏休み前だと思って下さい。
小5の夏休みを過ぎれば、どの塾も学習難度が一段ポンッと上がります。
上がった後に合わせるよりも、夏休みを使って新しい塾になじむ方が現実的です。
ついでに言えば、転塾先が、もしも今通っている塾よりもハードなカリキュラムの場合は、転塾のタイムリミットは小5の初めに前倒しされます。
小5の夏休み前にもなれば、塾間での進度の差はかなり大きくなっているので、後から追いつくのは非常に難しいことなのです。

(3)志望校を変える

志望校を変えるという選択も、学習が思い通りに進まないままであれば避けることはできません。
やれるだけのことはやって、それでも希望校への合格が難しそうであれば、中学受験の道を選択した理由をもう一度冷静に考えましょう。

  • 公立中への進学はどうしても避けたい
  • 父親が通っていた中学校に息子も通わせたい
  • とても気に入った学校がある。それ以外の学校には行かせない。公立で十分
  • 子供の個性を伸ばしてくれそうな環境を選びたい
  • お友達がみんな受験をするのにうちの子だけ公立というのはかわいそう

特定の学校でなければ受験する意味がないと強く決められている場合は、うまくいかない時の判断は志望校を変えるというよりも、(4)受験そのものを取りやめるということになるでしょう。

しかしそうでないならば、受験校についての見直し時期に注意が必要です。
私立中学受験がまだ今ほど一般的でなかった10年前、20年前と比べ、今は全国的に受験熱が非常に高くなっています。
東京や大阪などの大都市では昔から私立中学への進学を希望する方が多く存在しましたが、それでも今ほどではありませんでした。
ですから受験校の変更も小6の11月になってからで間に合う場合がほとんどでした。
しかし、受験熱が高くなった現在はそんなにのんびりと受験校を判断することは危険です。

各塾ともに小6の夏休み前から志望校別の特訓モードへと突入してきますので、秋になってからの志望校変更では学校傾向の対策が間に合わないのです。
受験校を見直すのであれば、できれば夏休み前にしっかりと考える機会を設けるようにしましょう。
本人の気持ちを大切にして、最終の決断を夏休み以降に先送りしてもかまいませんが、夏休み前に冷静に検討するということが大切です。

多くの受験生をお世話させていただく中で、毎年、とても残念な思いをするケースが繰り返されます。
それは、今までお母さん任せで受験対策を進めてこられたご家庭で、いよいよ入試も間近に迫った11月になって、いきなりお父さんが参加するケースです。
お母さんとお子さんとがしっかりと話し合って決めてきたことを応援し、心の支えとなるために最後の大切な時期にお父さんが登場するのなら、何の問題もありません。
受験で保護者が一番苦しい思いをするのは最後の3ヶ月ですから、その時期にお父さんが積極的に支えることができればきっと良い結果につながるでしょう。

しかし、受験も押し迫った時期に急にあれこれとお父さんが口を出し始め、せっかくお母さんとお子さんとが受験校を決めたのに、お父さんの鶴の一声で方針がひっくり返されるということがあるのです。
これは最悪のパターンです。
今の受験事情に精通していらっしゃれば別ですが、今までお母さんに任せっきりでやってきて受験直前期に口を出すお父さんの大半は、ご自身の過去の体験だけに基づいた判断をしています。
つまり25年以上も前の、今とは事情が大きく異なる受験体験に基づいているのです。
そもそも今の受験事情をご存知であれば、11月になって急に口を出し始めるはずがありません。

こういう失敗をしてしまわないためにも、しっかりと家族全員で受験校について検討する機会を夏休み前に一度は持つことを強くお勧めします。

(5)第三者の手を借りる

さて、そうして受験の方針を冷静に考えたとしても、お子さんの日々の勉強がうまく回っていかなければ、志望校合格が見込める状態には近づけません。
時間は刻々と過ぎ去り、毎日確実に入試日が1日ずつ迫ってきます。
すでにやれることはやっているのですから、さらに状況を良くしようと思えば、(5)の第三者の手を借りるという選択が必要になってきます。

手を借りる先は、家庭教師か個別指導というのが普通でしょう。
中には少人数指導塾を掛け持ちする方もいらっしゃいますが、少人数指導とはいえ独立した塾なのですから、今通われている塾の方針に合わせて指導してくれることはあまり期待できません。
苦手単元を補うことはできるかもしれませんが、少人数指導塾に通う時間の分だけ今通っている塾の学習はしわ寄せを受けることになります。
学習効率の面からはとてもお勧めできる方法ではありません。

では、家庭教師や個別指導を活用する場合のポイントは何でしょうか。

  1. (1)お子さんが自分のペースで授業を受けられる
  2. (2)時間の融通が利く
  3. (3)費用がお手頃
  4. (4)塾で習っている解法に合わせて指導してくれる
  5. (5)お母さん、お父さんの疑問や不安に対して的確にアドバイスしてくれる
  6. (6)弱点を短期間で克服させてくれる
  7. (7)完全なマンツーマンで指導してくれる
  8. (8)ずっと同じ先生に見てもらえる
  9. (9)塾のカリキュラムやテストについてよく理解した上で指導してくれる
  10. (10)お子さんのやる気を高めてくれる

思いつくままあげてみても、色々なポイントが出てきて迷うかもしれません。
あれもこれも要求するとなかなか決めることができず、時間だけが経ってしまいます。
ですから、特に重視したいポイントを3つ選んでみてください。
本当に大切なポイントをしぼりこむことで、家庭教師や個別指導を選択する際のチェックポイントが見えてきます。

もしかしたら「ポイントを3つに絞るといわれても、どれも大事に思えるから決められないよ!」とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。
そういう方のために、家庭教師、個別指導を選ぶ際に特にチェックしておきたいポイントを以下に挙げますので、どうぞ参考になさってください。

≪絶対に外せない3つのポイント≫

  1. 1.テストや宿題ノートなどを分析してから指導プランを作ろうとしてくれるか
  2. 2.指導形態は1対1かそうでないのか
  3. 3.今通っている塾の教材を使って指導してくれるのか

≪満たされると望ましいポイント≫

  1. 4.教える講師は社会人のプロ講師か
  2. 5.指導内容やお子さんの状況について、いつでも説明が受けられるようになっているか

塾での学習がうまく回っていない時に、家庭教師や個別指導で状況の改善を狙うのなら、ポイントの1~3は絶対に外せません。
まず、指導が開始される前にはお子さんの状況を詳しく分析し、どんな学習が必要か、そのためにはどんな指導プランが効果的かを考える必要があります。
ここを十分に行わず、「とりあえず体験授業を受けてみてください」で始まるところは疑ってかかるほうが良いでしょう。
真面目な業者であれば、必ず最初に面談(「相談」「カウンセリング」など呼び方はいろいろあります)を実施しています。
最初に手をかけてくれないところは、指導が始まった後に相談したくても十分な対応は期待できません。
見落としがちなポイントですが、何事も最初が肝心なのです。

指導の形態はどうでしょうか?
もちろん家庭教師であれば1対1に決まっていますが、個別指導では講師1人に生徒2人の1対2の形態が多いようです。
中には1対3という形態をとっているところまであるようです。

苦しんでいる勉強の状態を改善したい、悩みを解決したい、お子さんが塾の勉強を無理なくこなせるようにしてやりたいと願ってらっしゃるのであれば、指導形態は1対1がベストです。

1対2の形態をとっている個別指導は、よくこんな宣伝をしています。
「ポイントを絞った解説を受けた後、理解を深めるためにお子さんには問題を解いてもらいます。
お子さんが問題を解いている時間は、講師はもう一人のお子さんに解説指導を行いますので、指導時間に無駄がありません。
解説を受けていない時間にまで費用をかけるのはもったいないですね。」
ここには、≪解説を受ける⇒解き方が理解できる⇒解けるようになる≫ という前提があります。
ほとんどの方はこの流れを常識だと思ってらっしゃいます。

実はこれが大きな間違いなのです。

習って解けるようになるのであれば、塾の授業をまじめに受けているお子さんが、どうして勉強に困るのでしょう?
「授業では全ての問題を習うわけではなく、授業で扱った問題は分かるけれども宿題に回される分が解けない」からでしょうか?
それも理由の一つかもしれません。

でも、お子さんは本当に授業で扱った問題は分かっているのでしょうか?
「授業中は分かったはずなのに、家に帰って解こうとしたらやり方が分からなくなった」 ということはありませんか?

勉強が出来るようになるためには、「習うこと」とともに「自分で解いて身につけること」が必要です。
習うだけでは決して身に付かないことは、お母さん、お父さん、皆さんご存知のことですね。
塾の勉強がうまく回らないお子さんは、習っている内容に問題があることよりも、問題を解くときのやり方や、宿題のこなし方に問題があることの方が圧倒的に多いのです。

「勉強をがんばっているはずなのに、どうにもテストで良い成績が取れない。むしろだんだん下がってきている。」

とてもよく聞くお悩みです。
勉強にまじめに取り組もうとしない子がテストで悪い点を取ったとしても、それは当然の結果です。
お母さん、お父さんにしてみれば、勉強意欲のなさはもちろん心配でしょうが、「やればできるのではないか」とどこかで期待もなさっているものです。
しかし、がんばっているのに成績が上がらないとなると、これはつらいですね。
お子さんご本人ももちろんつらいのですが、様子を見守るお母さん、お父さんの切なさは察して余りあるものがあります。
「もしかしたらうちの子はダメなんじゃないか」
「やっても無理なのだから、勉強以外の道を考えてあげた方がいいのではないか」
「こんなにがんばっているのに上手くいかないなんて、この子が可哀そうすぎる」
そんな思いを胸の中にしまいこんで、お子さんを励ましながら日々の勉強を支えてらっしゃるのでしょう。

もし、同じような悩みを抱えてらっしゃるのであれば、その悩みは解決する可能性が高いといえます。
というのは、がんばって宿題をこなしているように見えても、実際には、授業で習ったことの表面だけをまねているだけの勉強に陥っているお子さんがとても多いのです。

本人は理解できているつもりだけれど、いざテストになったら宿題で取り組んだはずの問題もできない。
宿題を一度解くだけで終わらせず、二度、三度と繰り返して勉強しているのにテストの結果が改善しない。

それは、算数で、問題文から条件を発見して整理することが重要な問題なのに、条件の整理が終わった後の式を正確に計算していくことにばかり意識が行っているからかもしれません。
国語の文章の読み方は分かっているけれども、記述問題を書いていくための下準備の仕方が分かっていないからかもしれません。

大切なことは、
解き方を習うだけでは学力は上がらないという事実を知ることです。

お子さんが勉強しているのに成績が上がらないのであれば、お子さんが問題を解いている様子を正確に、確実に観察し、何につまずいているのかを発見することが必要です。

家庭教師も、個別指導も、この観察と発見ができるかどうかで指導効果が大きく変わってきます。
ですから、ただ問題を解説することに主眼を置いている1対2の個別指導では、一番重要な時間がカットされているようなものです。
1対1指導の料金の半額程度の費用で済むことに目を奪われて、指導効果のほとんどを失うということのないように注意しましょう。

同様に、家庭教師を頼む場合でも、先生がお子さんをよく観察してくれているかどうか確認するようにしてください。
お母さん、お父さんがお子さんと一緒に指導を受けるのが理想ですが、先生も緊張するでしょうし、そこまではなかなかできないかもしれません。
ですが、せめて指導後には、指導を通じてどんな発見があったのか、今後問題を解く上でどんなことに気をつければうまくいくのかといったことを、報告してもらう時間は確保するようにしたいですね。

お子さんの癖を教えてもらえば、科目の内容は分からないとしても、問題を解いている時にその癖が出ていないかどうかを観察することはできるようになるかもしれません。
お母さん、お父さんがお子さんの勉強について手伝ってあげられることが増えれば、その分お子さんの勉強状態は改善していくでしょう。

さて、外せないポイントの3つ目は「今通っている塾の教材を使って指導してくれるのか」です。
今すでに大手塾に通ってらっしゃるお子さんが、成績を伸ばすために家庭教師や個別指導の力を借りるわけですから、塾の教材を使った指導を受けなければ意味がありません。
もちろん、塾の教材が十分にこなせていて余力があるお子さんでしたら、塾の教材とは別に問題集やプリントを使って強化トレーニングを進めるべきでしょう。
ですが、おそらくそういう方は少数派だと思います。

大手塾であれば、余力のあるお子さんはクラスが上がっていくはずですから、それに応じて十分すぎるぐらいの課題が与えられていきます。
にもかかわらず塾教材だけでは物足りないとすれば、それは、お子さんが非常に優秀で最難関校を狙っていけることを意味するか、塾の選択そのものを間違っていることを意味するかのいずれかです。

逆に、受験勉強を始めた時期が非常に遅かったり、過去に習った単元のいくつかが全く理解できないままカリキュラムが進んできてしまったりして、学習のやり直しが必要な場合はどうしたら良いのでしょう?
この場合は、塾のカリキュラムとは別の指導が必要になります。
そのための学習に時間を割けないのであれば、塾で受講している講座を見直すことが必要です。
状態によっては、塾を休んで、家庭教師や個別指導で個別プログラムを組んでもらう方が良いこともあるでしょう。
つまり、程度の違いはありますが、塾のつかい方そのものを一度検討しなおすことになるわけです。

さて、お母さん、お父さんがお子さんの学習について今現在望まれていること、困っていることは何でしょうか?

A.これまでの学習単元が身についていないため、やり直す必要がある。
 →塾の使い方を検討してください。必要なら塾を数か月休む勇気も持ってください。

B.日々の学習がうまく回るようにして、成績を上げていきたい。
 →塾の学習内容を確実に身につけて使えるようにしていくことが必要です。そのためには、塾の教材を中心に個別的な指導を受けることが効果的です。

C.今の塾の内容では物足りないが、塾そのものを替えたくはない。
 →塾のカリキュラムや指導方針を個人のために変更してもらうことは難しいので、個別的な指導でより発展的な内容を習うと良いでしょう。

このように整理してきますと、成績で悩む大多数のお子さんにとっては、今通っている塾の教材で個別に指導を受けることが成績向上につながるといえるのです。
ですから、塾の教材以外のテキストや教材を使った指導を前提としている個別指導や家庭教師は、塾の成績を上げるためには役に立ちません。
これは、教える側も実は知っていることなのです。

塾の教材を使った指導の方が、効果が高いことを知っているのに、どうして個別指導や家庭教師センターの多くが自前の教材を使いたがるのでしょう?

  1. (理由1)高額の教材を販売したいから
  2. (理由2)塾の教材を使って教えるだけの技量がないから。

この2つのいずれかがその理由です。
技量の低い講師を使って人件費を安くおさえた上に、高額の教材を売ることを目的にしている業者もまだまだ残っているようです。

いちがいには言えませんが、技量の高い講師は人件費も高いのが普通です。
受験する子供の時間は有限ですから、「安かろう 悪かろう」なんて選択をしてしまわないように十分意識を払って、目的にあった家庭教師、個別指導を選択するようにしてください。

これら3つの外せないポイントに加え、
4.教える講師が職業意識の高い社会人のプロ講師であること。 5.指導内容やお子さんの状況について、いつでも説明が受けられるようになっていること。
この2つのポイントが満たされれば、文句なしですね。

家庭教師も個別指導も、学生講師が大半です。
社会人の講師が家庭教師や個別指導で生計を立てていくには、よほどしっかりした会社であるか、個人的にとても評判が高く、口コミで生徒の希望が引きも切らない講師であることが必要です。
その点、学生講師はお小遣いかせぎを目的としている人がほとんどですから、数多くの生徒を抱える必要がありません。
家庭教師派遣センターや個別指導教室にとっては、人件費を安く抑えることができて使い勝手が良いのです。
学生講師を使う本音は費用効率の良さですから、内部の研修など実際にはほとんどなされていません。
それでも、どこの世界にもセンスの良い人はいるもので、特に研修などを受けなくてもそつなく指導できる学生講師がちゃんといます。
学生講師が主体の家庭教師派遣会社では、たくさん登録している学生たちの中で教えるセンスが高い講師をピックアップして広告に使います。
さも全ての講師が同様に優れているかのように。

実際にはそんなわけはないと皆さんもご存じなのですが、講師の当たり外れの度合いが予想を超えているであろうことに注意が必要です。
すぐれた講師の在籍比率は5%~15%程度だとみて間違いはありません。

学生講師を使う場合には、「当たり」の講師に出会うよりも、「外れくじ」を引く可能性の方が圧倒的に高いということを意識する必要があります。

さらに、学生講師を使う場合には重大なリスクがあります。
「お子さんの入試シーズン」=「学生にとっては自分の試験シーズン」だということです。
一番見てほしい時に、指導が受けられない、または学生が自分の勉強に忙しくてお子さんの指導について十分な対応ができないということが起きるのです。

同様に、その講師の実家が大学のある街から遠く離れている場合には、「帰省リスク」が発生します。
夏休み、年末年始というお子さんがいつもにも増して必死で勉強に打ち込む時期に、先生が帰省してしまうのです。

学生講師を使う場合には、宿題消化を手伝ってもらうだけにするなどにして、頼りすぎないようにすることをお勧めします。
お子さんにとって学生講師は身近な存在であるだけに、心の支えにまでしてしまうと、肝心な時に先生がいないとなれば落胆の度合いがとても大きくなってしまいます。

どんなに有名な大学の学生でも、教えることが生計を立てていく仕事でなければ、自分の都合を投げうってお子さんのために全力投球してくれるはずがありません。
社会人のプロ講師をお勧めするのはこういう理由なのです。

5.の、「指導内容やお子さんの状況について、いつでも説明が受けられるようになっていること。」をわざわざ挙げたのはなぜでしょう?
大切なお子さんをお預けになり、決して安くはない費用を支払ってらっしゃるのですから、説明がいつでも受けられるのは当然のことだと思いますよね?

ところが、指導内容やお子さんの状況について、いつでも説明が受けられる家庭教師派遣センターや個別指導教室は少数派なのです。
予定が立て込んでいて指導後に時間をとることが難しいためであったり、一か月単位で指導状況をみているので毎週の指導を細切れにしてみても意味がないと説明されたり、いろいろな理由があがるようです。

ですが、説明を積極的に行わない本当の理由はただ一つです。
講師に、お母さん、お父さんという大人の観察眼に耐えうるだけの説明を行う力がないだけのことです。
その力があれば、「今は時間がないけれども明日の昼なら電話できそうです。それでもよろしいですか?」といった対応をするのが普通です。

「子供は今どんな状態ですか?」といきなり問いかけてみる。
できる講師かどうかを見極めるのにはもってこいの方法です。
その問いかけに対して、具体的な回答ができる講師は良い講師です。

大切なお子さんの、人生設計の一部分を委ねるわけですから、講師にはプロとしての覚悟を求めるのは保護者として当然のことです。

あれもこれもと要求ばかりしては良い講師と出会える確率は低くなりますが、重要なポイントは譲らないことも大切です。

家庭教師や個別指導を賢く使って、お子さんの学習を上昇気流に乗せましょう。

この記事を書いた人
主任相談員 西村 則康主任相談員 西村 則康
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