中学受験を間近に迎える時期、お子さんも親御さんもいろいろな気持ちになるいことと思います。
いよいよ入試直前、となれば不安や緊張感も想像以上です。

と、あたふたしているかもしれません。
そんなときは、よく思い出してほしいのです。
長い道のり、お子さんも親御さんも本当によくがんばったのではないでしょうか。
力を合わせてがんばってきた事を信じて、落ち着いた状態で入試直前を過ごしたいものです。
今回は、入試直前の過ごし方についてお話ししていきます。

直前は苦手克服より「点を取る」勉強

不安からかよくやってしまうのが、直前になって新しい問題集を買って解いてみたり、解けない難問ばかりに挑戦することです。
直前になって新しい問題集に挑戦しても、自信を無くす可能性が増すだけで良い事はありません。
苦手分野を克服する時期も年内までです。

とはいえ、お子さんも親御さんもいちばん気になるのは、

『入試問題で点を取れるかどうか』

だと思います。

直前は「難しい問題を解けるようになろう！」ではなく「確実に点を取ろう」と考えましょう。

過去問で時間配分の練習を

入試直前の時期は、今までやってきた問題集や、過去問をひたすら解くのが効果的です。
過去問に関しては、内容だけでなくペース配分の確認にもなりますので、時間をしっかり計りながら解いていきましょう。

問題を

に分類し、解ける問題はもちろん、ちょっとがんばれば解ける問題を確実に解けるようにすることが大切です。

解けない問題に関しては”捨てる”勇気も大切ですね。
入試では満点を取ることは必要ありません。問題を素早く見極めて確実に得点していくこと大切なのです。

とはいえ、最終的には解答用紙の空欄は無くした方が良いです。
テストの最後の1０分の使い方を工夫しましょう。
焦ると雑になりがちですが、こんな時こそ丁寧に。
ラスト1分になったら、少なくとも選択問題はとにかく埋めます。

しっかりと試験本番を意識して過去問にトライし、自分なりのテストの受け方を身につけておくと良いでしょう。

体調第一、気持ちのサポートも重要

とにかく体調第一です。
風邪を引きやすいシーズンでもあります。遅くまで勉強して睡眠不足になることは避けましょう。
緊張感からなかなか寝付けない子もいます。
インフルエンザなどにもかかりやすい時期のため、手洗いうがい、規則正しい生活リズムを心がけましょう。

不安からか、怪我が増える時期でもあります。
お腹が痛くなったり、円形脱毛症になってしまう子もいます。
緊張感から呼吸が浅くなっている子も多いですね。
腹式呼吸を意識させましょう。

気持ちのサポートも大切です。
この時期お子さんは「絶対合格したい！」という気持ちの高ぶり、「もうがんばったって今さら間に合わないよ」という自信の喪失と、不安定な気持ちになるものです。
できるだけいつもと変わらない日常の雰囲気で、勉強以外の会話も楽しみ、軽くストレッチをさせるなどして、ストレスを少しでも和らげたいですね。

食べ物も同じです。
お母さんは特に気をつかいますね。
脂っこい物や胃に負担がかかるものを選ぶのも要注意です。
外食でもメニュー選びは慎重に。

親は大変ですが、できるだけ屈託のない笑顔で

お母さんに大切なのは、スケジュール管理とお子さんの気持ちと健康のフォローです。
また、もう1つ大切なことがあります。
それは、『気持ちのタフさ』です。

お子さんの不安や緊張感を、親も同じくらい感じるのはもちろんなのですが、お子さんにその不安や緊張感をなるべく見せないようにしてあげてほしいのです。

特に、お母さんの不安や緊張感は子どもに伝染します。
屈託のない笑顔で、いつもと変わらず接してあげられれば最高ですね。

また、合格したときのことを考えことも大切ですが、不合格だった場合のことを考えておくこと、これも親の大切な役割です。
第一志望を受ける前に「前受け校」を受験するお子さんもたくさんいます。
もし前受け校の入試で不合格だったとしても、それを次の合格に繋げるモチベーションを作ってあげなければなりません。

塾や家庭教師の先生ともしっかり連携し、シミュレーションしておきましょう。
親にどれだけ心配や不安があっても、いちばん不安なのは子どもです。
親御さんは大変ですが、ぜひ笑顔でお子さんを安心させてあげて欲しいと思います。

いろいろとお話をしてきましたが、入試直前にいちばん大切なのはリラックスすることです。
入学試験も、今まで何度も受けてきた塾のテストの受け方と同じ。
絶対に解けない難問を想像して悩むのもやめましょう。

お子さんを信じ、家族でがんばってきたという事実を思い出し、本番でお子さんが実力を発揮できるよう、準備していきましょう。

この記事を書いた人

主任相談員 辻 義夫