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子どもを中学受験させる家庭の世帯年収はどのくらい?

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公開: 最終更新日:2021年07月21日

子どもの将来のことを考えて、高校からの受験ではなく中学受験をさせようと考えている人は数多くいます。
そこで気になることが、私立中学の学費はいくらぐらいかかるものであるのかということです。
あまりにも高いのならば、家計を考えて諦めなければならないのかと悩むところです。

世帯年収1000万円は必要?

中学受験を行う前に、まず調べるべき項目とはそれぞれの市立中学の学費が3年間にいくらぐらいかかるのかという問題です。
学費にも様々な種類があり、単純な授業料以外に入学支度金や教材費などもあります。
さらに、制服のための費用も掛かるうえに、部活を行うならばその費用、修学旅行費、場合によっては寄付金もあるので注意が必要です。
最低限かかる費用にプラスして、知らぬうちにだんだんかさむことになるので、あらかじめ調べておくことが重要です。

有名な私立中学校で3年間にかかる費用としては、開成中が約270万円・麻布中が約260万円・武蔵中が約300万円・桜蔭中が約250万円・女子学院中が約260万円・雙葉中が約270万円・早稲田中が約260万円・慶應中等部が約390万円です。
(出典:四谷大塚ホームページ)

私立中学に入学した場合は、おおよその場合は高校へもそのまま進学することが多いので、6年間の学費も見通しておかねばなりません。
加えて、大学や高校入学とは異なり、中学の場合は自宅から通うことができる範囲の学校を受験することとなります。
多くの場合、電車やバスなどの公共交通機関を使用して通学することとなり、雑費まで含めるとさらに学費は増えます。

このことから考えると、中学受験を考えるのならば親の世帯年収として1000万円を超えていることが、生活水準を維持しながら中学を通い続けるためには望ましいと考えられます。

実際に私立中学校に子どもを通わせる家庭の年収は?

では、実際に子どもを中学受験させて私立中学に通わせている家庭の世帯年収はどれほどなのでしょうか。
望ましい年収が1000万円ならば、これより少ない年収でも無理をして通わせる親も多いのか、それとも年収がこれよりも大幅に余裕のある親が通わせているのかを知りたいところです。

私立中学に子どもを通わせている親の世帯年収がどれほどなのかというデータを集めた参考資料によると、子どもを私立中学校に通わせる家庭の世帯年収でもっとも割合が大きいのは1200万円以上となっています。
次いで800万から1000万円の世帯年収の親であり、このことからも、実情として私学に子どもを通わせる家庭の年収は高いということができます。

私立中学の総学費に対して、公立中学校の総学費がおよそ半分ほどということもあり、世帯年収が1000万円に届かないとなると公立中学校に通わせるご家庭が多くなるようです。
(出典:文部科学省「子どもの学習費調査」)

年収1000万円ないと中学受験させたらダメ?

私立中学校に通うために必要となる総学費を支払うためには、世帯年収が1000万円を超えていることが望ましく、実際に通わせている親の年収で最も割合が高いのが1200万円以上となります。
学費は、中学の3年間払うだけではなく、私立中学の場合はほとんどの学校で提携する高校へとそのまま進学することとなるので、トータル6年間で考えていくと、学費の負担はさらに重くのしかかります。

ただし3年後、6年後ばかりではなく、さらに先を見通して考えることが重要です。では、世帯年収が1000万円を超えないならば中学受験をさせるべきではないかというと、そうでもありません。
学校にもよりますが、特待生制度を活用することができる場合もあれば、中学受験をすることを見越して早いうちから学資保険を積み立てておくという対策も可能です。

また、たとえ私立中学に通わせなかったとしても、高校受験のための塾費用や大学受験が控えており、このいずれかの段階で私立へ進学すれば学費総額の負担はさほど変わらなくなる可能性もあります。

これらのことから、大学受験まで含めて考え「現役で国公立に合格させられる可能性が高い環境」として私立中を選ぶことによって、全体としての費用は抑えるご家庭もなかにはあります。
このあたりをわかりやすく解説しているのが、私の新著「いちばん得する中学受験」ですので、参考にしてみるのもいいかもしれません 。

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