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【4〜5年必見】新学年2月から成績が下がり始めるご家庭の特徴と3つの対策法

こんにちは。
中学受験情報局 主任相談員の西村則康です。

今回は来年2024年1年を通して、安定して成績を伸ばしていくために、4年生と5年生が冬休みの間に取り組むべきことと、お母さん・お父さんが知っておくべきことを、この記事にまとめました。

大前提として、来年2月からスタートする新学年カリキュラムで、安定して成績を伸ばすためには、従来の勉強方法の見直しが必要なことをご存知でしょうか?

というのも、1年間で最も、成績が下がるお子さんが集中するのが、新学年スタートからの数ヶ月なのです。具体例を見ながら、簡単に説明します。

1.なぜ、2月以降成績が下がる子が急増するのか?

お母さん・お父さんも、新学年に上がると、勉強量が増え、難易度が上がることは既にご存知のとおりです。

ですが、新学年の開始から、想像を遥かに超えて、質・量ともに勉強のレベルが上がるため、対応しきれないご家庭が続出します。

どの程度レベルが上がるのか、具体例を見てみましょう。

A. 新学年学習の量の増え方

テキストのボリュームだけ見ると、各塾とも学年でページ数が大きく違いがないようにも見えます。ただし、内容の密度にまで目を向けると、驚くほどの差があります。

具体的に、サピックスで「約数と倍数」という分野を見てみると…

4年生「約数」「倍数」を合計4回の授業で
5年生「約数」「倍数」のより高度な内容を計3回の授業で
6年生「数の性質」の単元内で更に高度な内容をたった2回の授業で

という感じで、1回の授業で取り扱う内容が、学年を進む毎に増えていくことがわかります。

スパイラル方式のカリキュラムでは、学年が進むにつれて、より高度な内容を、より短い時間で扱うことになるのです。

【学年毎の学習量の差】
4年生
幅広く受験算数全般の知識を扱うが、1回分の情報量は少ない。
5年生
受験算数の応用まで習得するが、情報量は6年生の半分くらい
6年生
必要なことは全て既習の前提で、5年生の2週分を1週でおさらい(+応用)

さらに、これに加えて「塾に通う時間」も学年が進むに連れて増えます。

【塾に通う時間】
5年生
3時間×週3日
6年生
4時間×週3日

と、そう負担が多くなったようには見えませんが、「土特」(5時間×1回)が増えるので、各科目プリント20枚ほどの冊子+プリント分の負担が増えることになります。

学年が進むにつれて、短い時間の中で、より高度な内容を、より多くの学習量を扱う状況になることがよくわかるのではないでしょうか。

結局のところ、一度習ったことは「できて当たり前」と塾の授業は設計されているため、少しの遅れがドンドン拡大していき、次第に理解できることが少なくなっていき、限界を迎えてしまうお子さんが跡を絶たないのが実情なのです。

B. 新学年学習の難易度の上がり方

特にわかりやすい例として、サピックスのテストをみてみましょう。

下記は、新5年3月の組分テストと、新6年の組分テストの比較です。

【計算問題】

最初の計算問題だけを見ても差は歴然です。

5年生は算数の大問1が5問、うち整数の計算が2問)なのに対して、6年生は2問、いずれも小数・分数の混合計算で、1問は「逆算」まで使われており、点が取りにくい構成になっています。

-5年3月組分テスト-

-6年3月組分テスト-

【小問集合の問題の比較】

小問集合についても5年生は問題文が3行以内に収まり、比較的シンプルなのに対し、6年生は証文でも問題文が非常に長く、高度な情報整理能力が求められることが明確にわかります。

-5年3月組分テスト-

-6年3月組分テスト-

わかりやすい「サピックス」のテストで例を挙げましたが、各塾も同様に難しくなっています。

また4年生と5年生でも1年前のテストを比較してみると、同様に難易度が上昇していることは明らかです。(長くなるので、例は割愛します。)

上記の例は1学年前の難易度を比較しているので、違いが顕著に出ていますが、たった1年でお子さんの学習が求められる学習のレベルは、これほどまでに上がっているのです。

結果:1題を解く時間が増えるのに、求められる学習量自体も増える

結局のところ、学年が進むに連れて、問題がどんどん難しくなり、1題を解くのに使う時間は増えるのに、全体の学習量まで増えているです。

塾に行って宿題をするだけで手が一杯になっているのには、このような背景があるのです。

成績を安定して伸ばしているご家庭は、カリキュラムの難易度と量が上がっていくに連れて、徐々に勉強のやり方を変え、より効率の良い勉強方法を身に着けているため、何とかついていくことができているのです。

一方、塾に通ってはいるものの、これまで学習方法の見直しができてこなかったご家庭は、いずれ限界を迎え、成績が下がってしまうのです。

これが2月以降の新学年開始から大きく成績を下げるお子さんが急増する原因です。

2. 2024年2月以降 成績を上げるために、今できることとは?

では、どうすれば塾のカリキュラムに遅れずについていけるのか?

これまでのやり方を一新し、効率のよい学習が求められてきます。

では、効率の良い学習とは、どんな学習か?

  • 1度の授業で理解できる量を増やし、
  • 必要な学習にだけ集中し、かつ、
  • 問題1問にかかる時間を短縮する

ことです。

上記の3つの要素を達成することで、カリキュラムがどれだけ増えても、本当に必要な学習を、適切な時間で、しっかりと理解することができるようになります。

1度の授業で理解できる量を増やすには?

まず初めに、新学年の授業では、単元及び授業の理解を高めることが必須です。

その具体的な方法として、

1. 授業で理解できる割合を大きくすること

授業で先生が説明している内容をできる限りその場で多く、深く理解するために…

・先生の説明を聞くことを(書くことよりも)優先する

・途中で「わからない」と感じても「最後まで聞いたらわかるように説明しているはず」と集中して聞くルールをお子さんと決める

・先生の顔、特に口元に注目して聞くこと

2. 授業までに予習すること

日能研などでは予習禁止と言われることや、サピックスやグノーブルでは事前にテキストが貰えないので、塾の予習をしない方が多いです。

しかし、日能研ではテキストが手元にあるので予習していくと(読むだけでも)、授業の時の余裕が大きくなるので、特に授業についていくのが苦しいお子さんには有効な手段です。

サピックスなどの塾でも、シラバスは貰えるので、次の授業で何をするかはわかるため、「予習シリーズ」や市販の参考書で代用する手があります。

実際、私達プロの家庭教師が指導する際にも授業の予習をしておくことは珍しくありません。

授業があまり理解できていないな…と感じる場合は、これだけでも大きく改善するでしょう。

不要な学習を切り捨てる(取捨選択)

これまで以上に「不要な学習」を切り捨てることも必須です。

どれだけ考えてもわからない問題・もうわかっているので、やっても仕方ない問題に使う時間は、学年が進むに連れて、どんどん無駄になっていきます。

勉強した分だけお子さんの理解が伸びる問題に集中する。

志望校やクラスのレベルを基準にするのではなく、お子さん1人1人の理解に目を向け、取捨選択を強化していきましょう。

1問にかかる時間を短くする(処理能力の向上)

上記に加えて、1問を解くのにかかる時間を短くすることが、学習全体の効率UP最大の鍵となります。

お子さんの問題の消化スピードを上げるためには、主に2つの方法があります。

1.問題文を見て、瞬時にタイプ分けができるようにする

「問題を読み終わったあと、できるだけ早く解法を思いつく」には、問題の種類(タイプ)ごとに自分の中でカテゴリ分けができている必要があります。

このことから考えると、回り道のようですが「なぜこのように考え、この図を書いて解くのがこの問題に対しては都合が良いのか」を説明する習慣が必要です。

ただし、これは時間がかかる作業でもあるため、まだ理解が浅い問題に絞って行うことをオススメします。

2.基礎トレを継続し、徹底する

問題の解答スピードを上げるには、やはり「計算の精度と速さ」が重要です。

1問の計算時間が30秒のお子さんと2分かかってしまうお子さんでは、同じ時間内の学習量はどんどん開いていきます。

学年が進むに連れて、朝の計算トレーニングの時間が取れないお子さんや、国語では音読・感じトレーニングを後回しにしてしまうご家庭も少なくありません。

ですが、これらはスポーツでいう筋力そのもの。継続することで、1題1題の処理スピードに歴然とした差が出てくるのです。

急がば回れとは言う通り、学年が進むに連れ余裕がなくなって、基礎トレの時間を確保できなくなったお子さんは、どんどん効率が悪くなっていくので、ぜひ注意してください。


以上が、新学年が始まるまでに、ご家庭で改めて取り組んでいただきたいこと・気をつけて頂きたいことになります。

上記でご紹介した通り、新学年の学習のレベルは、量・難度ともに、これまでとは別のものとなってきますので、無策のまま、今まで通りの勉強を続けるだけでは、どうしてもついていけなくなってしまうのです。

ぜひ、この記事を参考に、冬休み〜2月までに、学習習慣の見直しをしていただければ嬉しいです。

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