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子どものやる気を高める効果がある声かけとは。ポイントは「ねぎらい」

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公開: 最終更新日:2021年07月13日

中学受験の勉強に限らず、声かけひとつで子どもの勉強の様子は大きく変わります。
では、子どものやる気やがんばる力を引き出す言葉とは、どのようなものなのでしょうか。
ちょっとした言葉の選び方でも変化があるものなので、声かけの参考にしていただけたらと思います。

効果的なのは「頭がいいね」ではなく「がんばったね」

教育心理学の言葉で、「ピグマリオン効果」というものがあります。
これは半世紀ほど前に行われた実験なのですが、教師が期待を込めて見守ることで、子どもたちはそれを意識して、成績が上がるという結果になったそうです。
親が「期待を込める」ことは、子どもにとって基本的には大きな励みになるものなのです。

近年、スタンフォード大学で、子どもに問題を解かせたあと、2つのグループに分けて「頭がいいのね」と「がんばったね」という言葉でほめて、それぞれのグループどちらが効果的かという実験が行われました。
結果は、「がんばったね」と子どもの努力をほめたほうが、その後、積極的に新しい問題や難しい問題に挑戦することができるようになったということでした。

実際に子どもが努力している様子が見えたときは、それをそのままほめてあげたいですね。
「今日はすごく集中して宿題をしていたね」「こんなに難しい問題に何度も挑戦するなんて、よくがんばったね」「疲れて帰ってきたのに復習がちゃんとできてえらかったね」など、子どもの行動をねぎらうことで、いつも見守ってくれている、努力が認められている、という安心感にもつながります。

集中できないときこそ「君は努力できるタイプだもんね」

もし、子どもが努力しているように見えない場合は、どのような言葉をかけたらいいのでしょうか。
私は、なかなか集中できない子には「君はその気になったら努力できるタイプだもんな」と伝えることがあります。
するとその子の表情がぱっと変わり「先生、僕って本当にそうなのかな?」という顔になります。

このように表情を変えてもらうことが、第一段階。次に様子を見たとき、実際に努力しようとする姿が見えてくることがあります。
それもまた見逃さずに、その努力をすかさずほめてあげましょう。
この繰り返しによって、子どもが努力する量がどんどん増えていきます。
「もっとがんばりなさい」という言葉よりずっと効果的なので、ぜひ試してみてください。

ねぎらいの言葉をかける

中学受験のように難しい勉強になると「うちの子にできるかしら」と親としては不安な気持ちがあるかもしれません。
でも「きっとできるはずだ」と信じて声かけをしたほうが、効果的です。

家庭教師をしていると、なかには出した宿題をやってくれない子もいます。
そんなとき、どうやったらやる気を出してくれるのか試行錯誤し、いちばん効果があったのは、子どもをねぎらう言葉でした。
まずは子どものがんばりを認めてあげるのです。

「今のままの君でいいんだよ」ということを前提に、子どもが実際にやったことをねぎらってあげましょう。
「宿題にがんばって取り組もうとしていたんだね」「最後まではできなくてもここまではがんばったんだね」と、気づいたらどんどんねぎらいの言葉をかけてあげてください。

大人から見ると、子どもの行動は効率が悪かったり、もどかしいこともあるかもしれません。
でも、子どもは子どもなりに考え、一生懸命やっているのです。
さぼったり、逃げたりしているように見えるのも、本当はがんばりたいのに、どうやってがんばればいいのかわからないだけなのかもしれません。

「もっと勉強ができるようになりたい」「もっと成績をあげたい」と思わない子はあまりいないはずです。
どの子にも「もっとよくしたい」という気持ちはあるとい思います。

その気持ちを大切に育てていくために、ねぎらいの言葉をたくさんかけてあげたいですね。

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