子どもの「質のいい睡眠」に必要な親のサポートとは

子どもの「質のいい睡眠」に必要な親のサポートとは
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子どもが学校や塾から帰って学習するとき、つい夜遅くなってしまうこともありますね。
特に中学受験を目指すご家庭では、子どもが睡眠不足になりがちです。
勉強熱心なのは嬉しいですが、睡眠は学力のためにも必要不可欠です。
ここでは、子どもが質の良い睡眠を取るために親ができるサポートについて考えてみたいと思います。

寝る時間を決める

中学受験専門の一部の学習塾では、子どもに23時近くまで学習させています。
また、家庭でも夜中の1時や2時まで勉強する子どもがいるようですが、小学生のうちからそんな時間まで起きているのは絶対に体によくありません。
体も脳も育ち盛りの子どもたちには、栄養と睡眠が必要です。
睡眠によって脳もエネルギーチャージできるのです。

東北大学の研究チームがおこなった調査で、健康な5〜18歳の子ども290人の平均時間と脳に記憶が一時保管される領域である「海馬」の体積を調べたところ、睡眠が10時間以上の子は6時間の子より海馬の体積が1割も大きい事実が判明したそうです。
その研究チームの瀧靖之教授は「子供の頃の生活習慣を改善することで健康な脳を築ける可能性がある」と語っています。

「勉強」と聞くと夜遅くまで起きていてもつい許しがちになりますが、限られた時間で集中して勉強する方が学習効率も上がります。

小学校高学年のうちは22時には寝るように心がけ、少し時間が足りないと感じた場合には朝30分早く起きて、その時間を勉強にあてるようにしましょう。
親子でいっしょに早寝早起きを習慣にすれば、自然に正しい生活リズムが身についていきます。

適正な睡眠時間とは

22時に就寝して朝7時に起きる場合、睡眠時間は9時間となります。
子どもの理想の睡眠時間は何時間なのでしょうか。
大人でも8時間寝ないとダメだという人もいれば、6時間もあれば頭がスッキリする、という人がいるように、適正な睡眠時間は個人によって違います。
しかし、睡眠不足による学力の低下は子どもの睡眠を研究する神山潤医師の研究結果からも明らかです。
睡眠不足にならないように、親がしっかり気をつけたいですね。

子どもの睡眠の質を上げる方法

脳をしっかりとエネルギーチャージするには睡眠時間だけではなく、その睡眠の質も大切です。
子どもの睡眠を「いい眠り」にするために親はなにができるのでしょうか。
大人であれば、たとえば半身浴やアロマを使って体や心をリラックスさせ、1日の疲れを癒してから眠りに入ればスっと眠りに入れますね。
子どもにとっての癒しは、低学年の場合はスキンシップがいいでしょう。
いっしょに横になって本を読んだり、体をぎゅっと抱きしめてあげたり、眠るまで体をさわってあげるといつの間にか子どもは心地よく眠っているものです。

しかし高学年になると、子ども扱いされるのを嫌い、以前と同じようにしたら手を振りほどかれてしまいます。

そこで大切なのが1日の終わりに子どもがプラス思考で終えられる親の声かけです。
子どもに嫌なことがあったとしても、翌日にはスッキリして1日を始められるように「そういう嫌な気持ちになったときは、こういうふうに考えればいいよね」など親がアドバイスをしてあげましょう。

ときには親子ゲンカをしたり、反抗期の子どもの言動につい心ない言葉を浴びせてしまうこともあるかもしれませんが、子どもが寝る前には「お母さんも言いすぎたね、ごめんね」などと声をかけ、険悪なムードを変えるような親の言葉が大切です。

子どもが元気のない顔をしているときは、親の声かけがあるとその言葉で安心し、「この家の子でよかった」と心が癒され表情も穏やかになるでしょう。

子どもの寝つきは1日の終わり方で決まる

親は子どもは布団に入ったらすぐに眠りに入り、朝までぐっすり寝ている、と思っているかもしれませんが、実は布団に入っても寝付けない子どもが多くいます。子どもにも睡眠障害はあるのです。

もちろん医学的な解決策はあるかもしれませんが、子どもが精神面でスッキリしていないとそのような事態におちいりやすいようです。
大人でも寝る直前に夫婦げんかした翌朝は目覚めが悪かったり、なんだかスッキリしませんよね。子どもならなおさらのことです。

みなさんも「なんでちゃんと勉強をやらないの」と叱りつけ、「もういいから寝なさい」と捨て台詞を投げつけてしまったことがあるかもしれません。
悔しい気持ち、悲しい気持ちを心にかかえながらぐっすり寝る、というのは無理です。
このような状態で翌朝を迎えると、その日はなぜか問題を解くときもミスばかりしてしまう子が多いのです。

子どもが寝る2時間前は何か言いたいことがあっても、ぐっと我慢して小言としては言わないようにしましょう。
最後に優しく「おやすみ」が言えるように意識するのです。
それだけで子どもの睡眠の質は格段に上がるはずです。

1日の最後は子どものがんばりを認めてあげる

最近はメンタル育成のためのコーチングが話題になっていますが、そこでは「ほめる」ことよりも「認める」ことが大切だといいます。
子どもの1日を思い返すと叱りたくなるような場面も思い浮かぶかもしれません。
しかし、「がんばった結果」ではなく「がんばろうとしたこと」を認めてあげてください。

「今日はこうなっちゃったけど、がんばろうとしていたこと、よくわかってるよ」というように声をかけるのです。
そうすると認めてあげるチャンスはたくさんあることに気づきます。
たまたまかもしれませんがいつも脱ぎ捨てていた靴がそろっていたら、「そろえて脱いでくれてありがとう」と言ったり、ドアを閉めて鍵をかけただけでも「戸締りをちゃんとしてくれてありがとう」と言えることができます。

子どもは、自分が家族の一員として役に立っている、と思えることをとても喜びますし、そんなことで喜んでくれるなら、もっとこうしよう、と考えるでしょう。

子どもの睡眠は健康のうえでも学力のうえでも必要不可欠です。
睡眠不足にならないように親が時間を見ながらサポートし、その日の終わりは穏やかな気持ちで質のいい睡眠ができるように導きましょう。
そのために、親子で正しい生活リズムを習慣にしてみるのもいいですね。

この記事を書いた人
主任相談員 小川 大介 主任相談員 小川 大介
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