
第777回 共学中の入試問題 平面図形 4
「第777回 共学中の入試問題 平面図形 4」
近年に共学中の入試で出された「平面図形」について考えています。
前回は「辺の比と面積比」の一行問題を見ましたが、今回は大問形式の「辺の比と面積比」の問題を中心に取り扱っていきます。
1問目は折り返しの問題です。
【問題】下の図は、長方形ABCDを、点Bが点Dに重なるようにEFを折り線として折り返したものです。ただし、GはBCの真ん中の点、HはEFの真ん中の点です。
① 三角形BGHの面積は何㎠ですか。
② DEの長さは何㎝ですか。

(開智日本橋学園中学校 Ⅰ入試 2025年 問題2-(2))
【考え方】
①
GがBCの真ん中の点、HがEFの真ん中の点ですから、Hは長方形ABCDの真ん中の点(2本の対角線の交点)です。
よって、次のように、長方形ABCDはHを通る2本の赤色の点線によって4等分されます。

32㎝÷2=16㎝
24㎝÷2=12㎝
16㎝×12㎝÷2=96㎠
答え 96㎠
②
点Bが点Dに重なるようにEFを折り線として折り返したので、BDとEFは垂直に交わります。(左下図)
直角三角形BGHの角GBHの大きさを○、角GHBの角の大きさを●で表すと
○+●=90度
です。
よって、直角三角形HGEの角GHEの大きさも○、角GEHの大きさも●となりますから、三角形BGHと三角形HGEは相似です。(右下図)

BG:GH=HG:GE → GE=12㎝×12㎝÷16㎝=9㎝
点Bが点Dに重なるようにEFを折り線として折り返したので、
DE=BE=16㎝+9㎝=25㎝
です。
答え 25㎝
本問は、線対称移動の特徴と直角三角形の相似を利用する問題です。
②を正解できないようでしたら、直角三角形の角に○、●(○と×の組み合わせでもOK)を書いて、相似な三角形や対応する辺を見つけやすくしましょう。
2問目は正三角形を題材とした問題です。
【問題】正三角形ABCにおいて、AD:BE=3:1、ADとDEは垂直、FはABの真ん中の点、GはAEとDFが交わる点です。このとき、次の問いに答えなさい。

(1) AD:DCを最も簡単な整数の比で答えなさい。
(2) 三角形ABCと三角形ADEの面積の比を最も簡単な整数の比で答えなさい。
(3) 三角形ABCと三角形AGDの面積の比を最も簡単な整数の比で答えなさい。
(栄東中学校 Ⅰ入試 2026年 問題3)
【考え方】
(1)
三角形CDEは角Cの大きさが60度の直角三角形(正三角形の半分の形)ですから、
CD:CE=1:2
です。
よって、CD=□1とすると、CE=□2です。

③+□1=①+□2 → ②=□1

AD:DC=③:□1=③:②=3:2
答え 3:2
(2)
三角形ABCと三角形AECは高さが等しい三角形なので、面積比と底辺の比は同じです。
底辺の比 BC:EC=5:4 → 面積比 △ABC:△AEC=5:4
また、三角形AECと三角形ADEも高さが等しい三角形なので、面積比は底辺の比の AC:AD と同じ 5:3 です。


ですから、三角形ABCと三角形ADEの面積比は 25:12 です。
答え 25:12
(3)
ABと平行な直線EHを引いてできる三角形AHEは正三角形ですから HE=④、
AH=AC-CH=⑤-④=①
です。(左下図)
また、三角形AFDと三角形HIDは相似で、相似比は
AD:HD=AD:(AD-AH)=③:(③-①)=3:2
ですから、AF:HI も 3:2 です。
AF=⑤÷2=○2.5
HI=○2.5×2/3=○5/3
EI=④-○5/3=○7/3(中央下図)
さらに、三角形EIGと三角形AFGも相似で、相似比が
EI:AF=○7/3:○2.5=14:15
ですから、EG:AG も 14:15 です。(右下図)

三角形DGEと三角形AGDとは高さが等しい三角形なので、面積比は底辺の比の EG:AG と同じ 14:15 です。
(1)で求めた三角形ABCと三角形ADEの面積比と、連比に表します。

よって、三角形ABCと三角形AGDの面積比は 725:180=145:36 です。
答え 145:36
本問は、3つの内角の大きさが30度、60度、90度の三角形、高さの等しい三角形、相似な三角形を組み合わせて考える問題です。
1つ前の問題が誘導となっていることを利用して、順に解いていきましょう。
なお、(2)では、「底辺と高さの比の積」を利用する解き方もあります。

最後は正六角形の定番問題です。
【問題】下の図の正六角形ABCDEFにおいて、AG:GB=1:3、CH:HD=1:4です。

① 四角形BCHGの面積は、正六角形ABCDEFの面積の何倍ですか。
② 三角形GHEの面積は、正六角形ABCDEFの面積の何倍ですか。
(早稲田実業学校中等部 2026年 問題2-(2))
【考え方】
①
四角形BCHGが正六角形の辺上の2点を結ぶ直線(GH)で正六角形を区切ってできる四角形なので、「正六角形の辺を延長して、正三角形をつけたす」という方針を立てることができます。(左下図)
このとき、つけたされる正三角形は正六角形の1/6の大きさです。(右下図)

つけたした三角形BICと四角形BCHGを直線BHで区切ってできる三角形BCHは高さが等しい三角形なので、面積比と底辺の比と同じです。
底辺の比 IC:CH=5:1 → 面積比 △BIC:△BCH=5:1(左下図)
さらに、三角形BICと三角形BCHを合わせた三角形BIHと三角形GBHも高さが等しい三角形なので、面積比は底辺の比である BI:GB と同じ 4:3 です。(右下図)

面積比の関係を連比に整理します。

2+9=11 … 四角形BCHGの面積
11÷60=11/60(倍)
答え 11/60倍
②
「傾いた三角形の面積は、全体から引く」という方針を立てることができます。

はじめに正三角形AFJをつけたして四角形AGEFの面積を求めます。
このとき、①と同じように「四角形を2つの三角形に分ける」ことで求めることができますが、ここでは「共通角をはさむ2辺の積」を利用してみます。

三角形AFJと三角形GEJは角Jが共通な三角形なので、面積比は角Jをはさむ2辺の積の比と同じです。
2辺の積の比 (JA×JF):(JG×JE)=(4×4):(5×8)=2:5 → 面積比 △AFJ:△GEJ=2:5
次に、三角形DEHの面積を求めます。
三角形DEHは正六角形ABCDEFの1つの頂点と辺上の点を結ぶ直線で区切られた図形ですから、その面積の求め方には、①と同じ方法と正六角形を分割する方法の2つがあります。
ここでは、正六角形を分割する方法を用いてみます。

三角形CDEは正六角形ABCDEFを6分割したうちの1つ分で、三角形CEHと三角形DEHは高さが等しい三角形ですから、三角形DEHはの面積は三角形CDEの面積の4/5にあたります。

60-(11+15+8)=26 … 三角形GHEの面積
26÷60=13/30(倍)
答え 13/30倍
本問は、正六角形の辺の比と面積比の関係を確認できる問題です。
応用レベルの問題ですが定番の問題でもありますので、既習範囲であれば全問正解できることが理想です。
今回は、2025年度と2026年度に共学中で出された大問形式の「辺の比と面積比」の問題を中心に3問をご紹介しました。
一行問題で用いた解法の他に、方針の立て方や補助線の引き方、正六角形の特徴なども必要としていますので、正解できない問題があればどの部分に課題があるかを確認して、今後の学習につなげましょう。
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