辻義夫の中学受験に打ち勝つ家庭学習法

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辻義夫の中学受験に打ち勝つ家庭学習法

麻布中2017理科を解いて感じたこと

毎年、麻布中の理科の問題を楽しみにしています。非常に考えさせる良問ばかりだからです。今年はどうだったかというと・・・

■例年通り「理科好き」を喜ばせる問題

大問1は「ニホニウム」に関する問題。日本の理化学研究所が新しく合成した元素ですが、単にその名前を答える問1から始まり、その作り方を解説した問題を考えていきます。原子核を他の原子核に高速でぶつけるのですが、問6ではこんな問題も出題されています。

「問6 核Fを集めたところに36万個の核Eを発射すると、そのうち1個が核Fにぶつかるとし、80兆回ぶつけると、そのうち1回がひとつのかたまりになるとします。核Fを集めたところに、1秒あたり2兆個の核Eを1000日間発射し続けると、新しい核はいくつできますか。答えが整数にならない場合は、少数第1位を四捨五入して整数で答えなさい。」

・・・予想通り、計算するときれいな整数の答えが。解き切った受験生はさぞ楽しかったでしょう(笑)。

大問2は種子の発芽に関する実験問題。赤色光、遠赤色光という2つの条件と発芽について考えます。
大問3は慣性の法則に関するもの。電車やバスなど日常的な経験と照らし合わせながら考えていきます。昨年のブランコの問題(ブランコの振れ幅を大きくするにはどのように漕げばいいか)を彷彿とさせます。
■没頭して解き続けていると・・・

理科好きのお子さんであればあるほど、いつしか問題に没頭してしまいそうです。そして最終の大問4。環境の変化と進化について考える問題。なぜ古代の昆虫は巨大だったのか、恐竜が巨大だったことによる利点と欠点は、といった謎を理科や算数の知識で解き明かす。

もう最高に楽しみながら考えた受験生も多かったのではないでしょうか。最終問題、問8が終わった後も、出題者の文章は続き、こう結びます。

「ここまでの話を聞くと、ヒトはトンボより優れていると思えてしまいます。しかしヒトはトンボとちがって飛ぶことができません。血液を使って酸素を全身に運ぶので、ヒトの体は飛ぶには重すぎるのです。進化と聞くと、生物が優れたものに変化するように思うかもしれませんが、進化で生まれるのは『ちがい』であって『優劣』ではないのです。」

・・・これはもう「授業」ですね(^^)

■理科の学習を楽しんでいるか

さて、「復習テストでは点が取れるのですが、実力テストでは急に点が取れなくて」といったお悩みをよく聞くのですが、麻布の問題にはそんなお悩みへの回答のヒントが隠れていそうです。

理科の学習には本来「なるほど!」とワクワクするような瞬間がたくさん詰まっています。今まで知らなかったこと、わからなかったこと、つまり「謎」が解ける瞬間に立ち会えるからです。

たくさん体験して、たくさん不思議に思って、たくさん調べて、納得する。そんな経験をたくさんした子が、麻布中のような理科の問題を嬉々として解くようになるような気がしてならないのです。


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千葉市美術館。昭和2年に建てられた旧川崎銀行千葉支店の建物を修復して作られたそう。
いい美術館でした(^^)

かしこい塾の使い方2017年02月04日18時06分
主任相談員の辻義夫
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である辻義夫が家庭学習で悩んでいる方にすぐに実践できる効果的な学習方法をお教えします。
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