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暗記について その4

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家庭学習 2011年11月19日18時16分
植物の暗記が苦手、というお子さんも多いですね。

何といっても種類が多い!
1説には世界中で20万種類以上あるそうです。

「いったいどれくらい覚えればいいんだろう・・・。」
とお子さんたちも、お父さん、お母さんも思うわけです。

次のような問題が公開テストに出題されたときに、そのように感じられるかもしれません。

【問題】次の植物の中で、夏に花を咲かせるものはどれですけ。1つ選んで記号で答えなさい。

ア. ナズナ   イ. アオキ   ウ. セリ   エ. カンサイタンポポ

                                           こたえ:ウ

「え~?!セリって、春の七草じゃなかったっけ?なんで夏に花が咲くの?こんなこと覚えとかなくちゃいけないの?」

という声が聞こえてきそうです。この問題で取り上げられていることがらを重要度順に並べると、

ナズナ,カンサイタンポポの花期は春である > セリの花期は夏である > アオキの花期は春である

という順になりますが、テストの正答率で確認すると結構高かったりする・・・。
たとえば5割近い正答率だったりすると、お父さん、お母さんはこう思うかもしれません。

「みんなが正解している問題を、うちの子は正解していない・・・」

でも、ちょっと待ってくださいね。その正答率には少しだけからくりがあります。
おそらくこの問題を本当に正解したお子さんは、受験生の20%くらいでしょう。ではなぜ正答率が50%近くになるのかというと、それは四択だからです。
きちんと理解していて正解した20%の以外のお子さんのうち、何割かは正解しているはずです(みんなが「あてずっぽう」で答えたとしても、4人に1人は正解することになります)ので、意外に正答率が高くなるんですね。

このように、間違った問題の「重要度」を解説してくれる存在が身近にいると非常に心強いものです。ぜひお通いの塾の講師、家庭教師、そしてもちろん我々SS-1のような個別指導教室にお通いの方は、講師を利用されるとよいと思います。

さて、あまりにも種類が多い植物。いったい何を覚えるといいんでしょう?

暗記のハードルを下げる方法として、「全部で覚えるべきことがどれだけあるかをはっきりさせる」という方法があることはすでに以前紹介しました。ここでもその方法を使いますが、そのあとの作業が少しハイレベルです。

植物を大きく双子葉植物と単子葉植物に分けることができますが(他にも多子葉植物というなかまがありますが、あまりに種類が少ないのでここでは除外します)、どちらを覚えたらよいか。

私はいつもお子さんたちに、単子葉植物をできるだけたくさん覚えるようアドバイスします。それは、少なくとも中学受験の学習においては、単子葉植物のほうが全体数が少ないから、ということも伝えます。

「それ以外は双子葉植物♪」でかまわないよ、とも言います。

これでずいぶんハードルは下がります。
「ぜったい、それだけ覚えればいいんだよね。」という気持ちが、「よし、やってみるか。」という気分にお子さんたちをさせるんですね。

単子葉植物には、
イネ科(イネ・ムギ・トウモロコシ・ススキ・エノコログサ・タケ・ササなど)
ユリ科(ユリ・チューリップ・タマネギ・ヒヤシンスなど)
アヤメ科(アヤメ・カキツバタなど)
ツユクサ科(ツユクサ・ムラサキツユクサなど)
がありますが、上に挙げたものを覚えただけでも、今後あまり困ることはなくなるでしょう。さて、実際に暗記させるときも、名前だけを覚えさせてもあまり記憶は長続きしないですし、覚えにくいものですから、工夫が必要です。

「イネって、お米のことでしょう?日本人は主食にお米を食べるんだよね。西洋では昔からパン食だけど、パンって何からできているんだっけ?朝食べるコーンフレークは?ところで、イネのなかまには『穂』ができるんだよね?こんなやつ。(図を書きます)秋になったらたくさんこんな穂をつける草があるでしょう?」

といった具合に、思考が進みやすいように発問してあげつつ、図も書きつつ説明しながら記憶してもらう、という手順になります。効果は抜群です。説明の中には葉の形、根の様子などそれぞれの植物の共通点などもちりばめ、イネ科の植物が1つのまとまりとして頭に入るように留意します。
専門家の領域かもしれませんが、周到に準備すれば大丈夫です。

特にあと残された日数が限られている6年生のお父さん、お母さん、ぜひ挑戦してみてください。
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家庭学習 2011年11月19日18時16分
主任相談員の辻義夫
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である辻義夫が家庭学習で悩んでいる方にすぐに実践できる効果的な学習方法をお教えします。
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