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【必見】夏期講習を実りあるものにするための3つのポイント

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公開: 最終更新日:2025年07月08日

今回の特集動画では、「夏期講習を実りあるものにするための3つのポイント」について、中学受験情報局主任相談員の辻義夫が解説します。

夏期講習は、正しい受け方と、「ご家庭での理解の完成」を意識できていれば、本当に実りある学習期間になります。その一方で、膨大な学習量と授業スピードの速さから、「正しい授業の受け方」「学習の管理方法」を知らないまま夏期講習を受けてしまうと、「夏休み、あれだけ頑張ったのに、何も成果がなかった…」となってしまうのも事実です。

そこで今回は、夏期講習を実りあるものにするための3つのポイントを動画で詳しく解説しました。

下記に動画の内容を要約しておりますので、こちらも合わせてご参考ください。

1. 夏期講習は、2つの軸で目標を立てる

まずは、今年の夏期講習で何を達成するのか?各科目の**数値的な目標**と**内容に関する目標**の2種類を設定して夏休みに臨みましょう。

数値的な目標

夏休み最後に行われるテストでの各科目の点数や偏差値など、具体的な数字を指します。

「最後のテストで、いつもより+5点」とか、「偏差値で3UP」といったことですね。

ご家庭で取り組まれる場合は、とても上手くいって偏差値5UPが上限ですので、無理のない目標を設定してください。

その後、その「数値的な目標」を達成するには、具体的に何をしないといけないかをお子さんと明確にしていきます。それが「内容に関する目標」です。

内容に関する目標

特定の単元や分野を得意にすること、または夏休み最後のテストで特定の分野の問題を確実に解けるようにすることです。

例えば、算数では「割合と比に関する問題を夏休み最後のテストで正答率50%を超えるように全部取れるようにする」といった目標。

国語では、「記述は6割正答を狙う」「選択肢はまちがえても、2択にまでは絞り込む」といった目標。

理科では、「電流、バネ、昆虫」など、今まで苦手だったり点数が悪かった分野を夏休み中に克服する」といった目標・

社会では「地理の問題によく出てくる、図表やグラフなどの理解を目標にしてもいいでしょう。農産物の生産高ベスト3を覚えたり、工業地帯別の帯グラフの生産品目から工業地帯を当てられるようにする」といった目標。

といった感じです。

この2種類の目標を立てることで、数値的な結果が振るわなかった場合でも、内容面での目標達成度から夏休みの成果を評価でき、親子ともに納得感が得られると思います。

お子さん自身が納得し「数値目標を達成するためには、これを頑張らないと」と思えるようにしてあげましょう。

2. ご家庭側に「わからないこと」を理解する体制は、できているか?

過去に同じ先生から同じ内容を習って苦手意識がある場合、夏期講習でも同じ聞き方をすると理解が進まない可能性があるため、どうすれば理解が深まるかを、あらかじめお子さんと話し合うことが重要です。

これは、1度わからなかったことを、これまで通りの聞き方で授業に参加しても、夏期講習で理解できる可能性は極めて低いからです。

お子さんには「しっかり聞きなさい」「集中して聞きなさい」といった抽象的な指示ではなく、より具体的な行動について伝えてあげるとよいでしょう。

具体的には、授業中に「分からない」と感じた時、多くの子どもはその時点で聞くのをやめてしまう傾向があるため、**分からなくても一旦は最後まで先生の話をよく聞く**ように教えることが大切です。

「先生は最後まで話を聞けば分かるように話を組み立てているので、途中で分からなくても、最後まで聞くとで理解できることが多いんだよ。」と「伝えてあげるのです。これにより、途中で諦めずに集中して聞く姿勢が身につきます。

前回わからなかったのは、「お子さんの才能」の問題ではなく、「ちょっと聞き逃してしまった」とか「勘違いして引っかかってる間に、次のことに進んでしまったから」かもしれないので、もう1度しっかり聞けば意外あっさり理解できるとお母さん・お父さんが思うよ、と伝えてあげてください。

また、もう1点大事なことがあります。
それは、その上で「授業を聞いてわからなくてもいいよ」と伝えて上げることです。その時は、どこでわからなくなったのか?を必ずメモしてね。と伝えてあげましょう。

これをするだけで、授業で理解できる可能性が広がる上に、わからなくても家で何をやり直せば良いのかが見えてくるようになります。

3. 休憩時間やリフレッシュタイムを意識したスケジュール設計をしておく

夏期講習の忙しさは、学年や塾によって大きく異なるため、事前に夏期講習の予定を確認し、休息時間をどこでどのように取るかを具体的に計画しておく必要があります。

そのためには、塾の発表するスケジュールを眺めるだけでなく、カレンダーに塾のある日や時間を全て書き込み、どれくらい大変かを視覚的に把握することが有効です。

例えば、サピックスの4年生の夏期講習は全14日間と、他塾にくらべて余裕のある日程に見えます。しかし夏期講習の続く期間では「2日授業+1日休み」や「3日授業+1日休み」といったサイクルの繰り返しです。普段は1週間で1つのテーマを学ぶサイクルであることから考えると、何倍ものスピードでの復習が必要なため、かなり大変です。

休息日やお盆期間といったまとまった休みをどのように過ごすか(例:夏期講習前半で息が詰まりそうになる分、お盆前半ははゆっくり休むなど)をあらかじめイメージしておくことが重要です。

集中する時間と休息する時間のバランスが大切です。お子さんには「人間は機械ではないけど、機械もずっと動かしっぱなしではガタが来るし、あまり動かさなくても調子が悪くなるよね。動かす時間と休ませて手入れをする時間のバランスが重要だよ。」といった例え話などで説明してあげるといいですね。

日能研(特に4年生)のように、かなり夏期講習の日程に余裕のある塾もあれば、四谷大塚のようにテストや特訓を含めると、学年を問わず必修授業だけで26日間という塾もあります。お通いの塾によって、メリハリのつけ方も大きく変わることも知っておくとよいでしょう。

事前に計画していない、行き当たりばったりの学習になると「間に合わないから、プールはナシにしようね」といったように、お子さんがリフレッシュできる時間ばかりが犠牲になってしまいます。

勉強を進めることはもちろん大事なのですが、気分転換の時間を削ってしまうと、学習全体の効率が必ず下がるため、ぜひ、予めの計画を心がけてあげてください。

夏期講習は、親子ともに本当に大変な期間になります。

だからこそ「この夏頑張ったから成績が上がったね!」と言える夏休みにしたいですね。

日々の学習の効率を上げて、理解を伸ばす学習習慣の作り方については、下記ハンドブックでも詳細に解説しておりますので、ぜひこちらもご参考ください。

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