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塾のテストを使って成績を上げる方法と、結果を出すためのテスト前後のコミュニケーション

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更新: 2017年05月10日 公開:

テストで良い結果を出すための取り組み方

テストで良い結果を残していくためには、何がポイントだとお考えですか?
ライバルが解けない問題を解けること?

いいえ、そうではありません。
「ライバルが解ける問題を確実に解けること」
が、テストで良い結果を残す秘訣なのです。

お子さんのテストの成績が上がらない時、皆さんはどんな対応をなさっているでしょうか。
大半の方が、お子さんにさらに多くの知識を与え、より多くの問題を解かせようとしているのではないでしょうか。

その方法では成績が上がることはまずありません。

多くの塾の公開テストは、中学受験の広範囲から出題されます。
ですから、そもそもどんなに頑張ったところで、出題される問題のすべてをカバーすることなど不可能です。

国語で出題が予想される文章をすべて読んでおくなんて無理ですよね。
算数の問題もしらみつぶしに取り組んでいくことには限界があるでしょう。

だいいち、成績の良い子はそんなことはしていません。
テストに必要な知識がどの程度かをよく見据えて、必要な範囲でのみ学習しています。
突き詰めれば、テストで得点するために必要なことの中から、お子さんに欠けている部分、つまり弱点をしっかりと把握して、そこを重点的に学習することが必要なのです。

そうすれば成果に直結する学習を進めていくことになるため、お子さん自身も手ごたえを感じやすく、それがテストでの自信にもつながっていきます。

勉強すればするだけ成績が上がっていく状態になるのですね。
その状態を作った上で大量学習を行うのですから、それは良くできるようになります。

ですから順番を間違えないようにしましょう。
まずは
「優先度の高い学習は何かをはっきりさせる」
ことです。
そして
「取り組んだ分だけテストで成果が上がるという確信をお子さんに持たせてあげる」
こと。

そうしてようやく成績アップへの道が開けていくのです。

お子さんは自分のテスト結果を痛いほどわかっている

さて、優先度の高い学習が何かを見つけるための方法ですが、これは塾で実施されるテストを活用することが有効です。

その詳しいお話に入る前に、テストに関してお子さんとどのように関わることが望ましいのか考えておきましょう。

進学塾で行われるテストには、学校名を冠した合格判定模試から、日常の復習テストまで大小さまざまな種類があります。
お父さん、お母さんは、テストにどのような種類があるのかを知り、その種類に応じた目標の設定を行うことが必要になります。

テストによって、準備の方法も異なりますし、結果に対する評価基準も変わってきます。
どのテストも同じような扱いをされているお父さんお母さんはいらっしゃらないと思いますが、その結果に対するお子さんへの評価は同じであることが多いようです。

すなわち、好成績の場合は「ほめる」、
そうでない場合は「叱咤激励する」でしょう。

実はここに小さな、でも深い落とし穴があるんです。

中学受験を目指してらっしゃるお子さんは、多くの場合、公立小学校においては成績優秀者のグループに入っています。
ですから、小学校で行われる数少ない「大テスト」や、「100点が当たりまえ」のテスト、制限時間が5分~10分程度の小テストにおいては、特に苦も無く良い結果を残すことができるでしょう。

しかし、進学塾で行われるテストはそうは行きません。
テスト結果は、「塾内順位」、「偏差値」、「テスト結果判定」などの資料によって、冷徹に「良い」、「悪い」がお子さんにも保護者の方にも伝えられます。

また、1ヶ月単位で受講クラスの見直しが行われる希学園のような塾では、
「○○君は、クラスが下がった。」
「△△さんは、クラスが上がった」
といった情報が、誰の目にも明白に分かってしまいます。
日能研のように、カリキュラムテストの成績順に前から座席が指定される塾もあります。

テストでうまく行かなかったとき、否が応でも、これでもかこれでもかと成績が悪かったことを見せつけられるのです。

一方で、お母さん、お父さんにとってもお子さんのテストの結果がやはり気になります。
点数がよければ大喜びして、悪ければ「なんでこれしかとれないの?」とお子さんに文句の1つや2つ言いたくなってしまいます。

これってお子さんにしてみると結構ショックです。

失敗したことは自分が1番良くわかっているし反省もしている。

そこに追い討ちを掛けるような親の一言はかなり効きます。
親としては励ましているつもりでも、お子さんからすると傷口に塩を塗りこまれているのと同じなんてこともしばしばあります。

テスト結果の受け止め方で、次の結果が変わる

分かっているけどつい言ってしまうという人もいると思います。
でもやっぱり文句を言いたくなる...

そんな時は少し考え方を変えてみましょう。

間違えたことはむしろラッキーと考える。

ご自身は、テストの点が悪いことをマイナスのことと考えてはいないでしょうか?

実はまったく逆なのです。
間違えたことはむしろラッキー。

だって間違えたところは当然復習しますよね。
ということは本番で同じ問題が出れば得点できるということです。

一方、正解していたところは普通、なかなか復習しません。
そのまま通り過ぎてしまうことがほとんどです。
つまり、復習のチャンスを逃してしまうのです。

間違えたことはいいことだと考えることが出来れば、
「テストでお子さんの点数が良かったときは当然うれしい」
ですし、
「点数が悪かったときでも復習できるから合格へ一歩近づいたと喜ぶ」
ことが出来ます。

今やるべき優先度の高い学習を、テストで見つける

では、どのように復習していくのが良いのでしょうか。

やらなくてはいけないことは
どうして間違えたのか?という原因を具体的にさぐること。

復習をする時には、評価や偏差値のことはいったん頭の外に追いやりましょう。
そして、テスト問題の一つ一つについて、間違えた理由を冷静に追求して行ってください。

「追及」ではありませんよ。
「追求」です。

間違えた原因をお子さんに求めて、お子さんを責める結果になっては何の意味もありません。

「やる気がない」
とか
「集中していない」
といった、結果的に成績を上げることができない精神論的結論におちこまないよう、お母さん、お父さんは十分に冷静さを保って下さい。

目的は、
「お子さんがテスト中に正解させられる問題を増やしていくこと」
です。

その手段として、
「その問題を解いていくプロセスの中のどの段階で、どのように間違っているのか」
を分析しようとしているわけです。

ちなみに間違った理由をお子さんに聞いても、まず参考にはなりません。
「うっかりミス」
「失敗した」
「計算ミス」
「難しかった」
のいずれかの回答があるだけでしょう。

お子さんに聞くのは、
「どうして間違えたの!?」
ではなく、
「どうすれば正解できそう?」
です。

点数至上主義はかなり厄介

ところで、正解へのプロセスを丁寧に確認していくという、こういったテスト直しを実行していれば、ある病からお子さんを守ることができます。

その病の名前は「点数至上主義」

これに感染すると、小4まではそこそこの高得点を続けていたのに小5になってじわじわと成績が下がり始め、小6になれば成績が急降下してしまうという、とても恐ろしい病気です。

お子さんが中学受験をはっきりと目指すことになる前、まだ小さい頃を思い出して下さい。
中学受験をしようと考えるぐらいですから、
「○○君(ちゃん)、よく出来たね!」
と褒めてあげたことがたくさんあるでしょう。

このとき、お子さんが小さいこともあり、わかりやすい評価を伝えるために、つい
「○○君(ちゃん)、えらいね! 100点満点!」
のように、「点数」や「順位」といった結果を中心とした評価を行うお父さんお母さんが多いようです。

こういう「点数」や「順位」の評価を何度も繰り返すと、お子さんは知らず知らずのうちに「点数至上主義」に染められていきます。

点数至上主義に陥ったお子さんは
「結果を欲しがるお子さん」
になり、
「先生、説明はいいから、早く答えを教えてよ。」
「先生、答えは○○で合っていますか?」
のように、答えについてのみ興味を示すようになります。

また、
「間違っているよ。」
と言われることを極端に恐れるようになり、

  • 他人からは読めないような小さい字や走り書きのような字で書いたり、
  • 考え方の誤り を指摘されるのがいやなので答えだけを書いたり、
  • 答えを手や物で隠して見えないようにしてみたり、

といった行動をとるようになります。

間違っていると思ったら、すぐに消しゴムで消そうとするお子さんもいらっしゃいますね。
中には、先生が
「ん?」
という表情を示しただけで(実際には、先生はその子の答えを見ているとは限らないのに)、何の確認もせず自分の答えを消してしまう子もいます。
これではいくら机に向かっていても成績は上がりません。

点数至上主義からの脱出方法

考え方を書かない、書けないお子さんの場合、その原因は

  • (A)書きたくても、書くだけの技量が無い場合
  • (B)書いたものを「誤っている」と注意されることが嫌になっている場合
  • (C)字や数字を書くだけの「他や指のスタミナ」が無い場合
  • (D)お子さんの学年では考え方を書くことが難しい問題の場合

の4つが考えられます。

ある日、お子さんがテストで失敗してしまったとしましょう。
その具体的な原因が明らかにならないまま、また、解答までのプロセスを書けない原因が上記の4つのうちのどれかも判然としないままだとします。

テストで失敗していますから、お父さんお母さんから「ほめられる」事がありません。
代わりに、「次はもっとがんばってね!」という励ましと、その裏にある「好成績でないとほめてあげないよ。」という言外のメッセージを受け取ったとしましょう。

低学年の間はまだ余力があるため、お子さんは、励まされてがんばることも、叱られ反省してそれでも健気にがんばることもできます。

力技で挽回することが可能なのです。

しかし高学年になってきますと、進学塾での学習量がどっと増え、質が上がります。
さらに進学塾や小学校に通う時間が増えることにより、家庭学習など試験に向けた準備が上手くいかなくなる機会(ピンチ)が増えてきます。

すると、次第に力技では挽回することが出来なくなり、
「次はもっとがんばってね!」
という励ましが、次第に「重荷」へと変わっていくのです。

間違いを指摘されたとき、
「いいから、いいから。わかっていたから。」
「単なる(ケアレス)ミス!次はちゃんとやるから。」
といった反応を示されたら、注意信号です。
このようになる前に手を打っておきましょう。

ポイントは、
『間違えた原因を冷静に追求しつつ、お子さんをむやみに傷つけないようにする。』

テストについてお子さんにどう関わるのか、保護者の方にとってはかなり難度の高いことですね。でも大切なことですから、がんばりましょう。

成績を上げられるテストには痕跡がある


具体的な原因が明らかになれば、成績を上げるテストの使い方の実行あるのみです。

その際最も重要なことは、返却されたテストの使い方=間違い直しにあります。
「間違い直し」
と聞いて、
「もう一度解かせること」
と理解しないで下さい。

間違った問題に対する事後の対応には大きく3つの方法があります。

  • (A)もう一度解き直す
  • (B)間違った箇所をお子さん自身が探し出す
  • (C)手をつける問題であったかどうか検討する

この3つの方法を使い分けることで、以下の効果が期待できるのです。

  • (A) → 解法知識、技術の抜けや漏れを修復する
  • (B) → ケアレスミスを減らす
  • (C) → 手限りあるテスト時間を有効に使うための「眼力」を養う

しかし、このような効果を生むための3つの対応を可能にするには重要な前提条件があります。
それは、問題を解く上でどのように考えたのかが分かるように
「思考の痕跡」
を残すことです。

国語の場合は、問題文そのものへの線引き、本文への線引き、記号選択での消去の跡、記述題の下書きなどがそれに相当します。
社会も国語とほぼ同様と考えて下さってけっこうです。
算数や理科の計算問題では、問題用紙でも答案用紙でも計算用紙でもかまいませんが、テスト時に、自分の考え方、解き方、筆算などの補助計算を書き残すことです。

想像して下さい。
もし、返却された答案に答えしかかれていなかったとしたら、上記のどのような対応が可能になるでしょうか?
結局、もう一度全問、間違った問題をやり直すしか方法がありません。

宿題に追われる小学校6年生の場合、そのような時間をどれだけお持ちでしょうか?

「思考の痕跡」を残しておけば、今すぐ行うべき学習が何かを判断できるのです。
限られた時間を有効に使えるということです。
現に時間に追われている方であれば、その価値をきっと分かっていただけることでしょう。

テストは自分の弱点を自らが診断でき、その対策を講じるための最高のツールです。
それを活かすも殺すも、日々の宿題しだいということなのです。

ぜひ
「テストの使い方」
を意識して、より効率のよい成績アップを達成しましょう。

この記事を書いた人
主任相談員 辻 義夫主任相談員 辻 義夫
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