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物語文を攻略して国語の成績を上げよう

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公開: 最終更新日:2022年10月19日

本をよく読むのに国語の成績が伸びない、物語を読むのは好きなのに国語の読解になると点が取れない、そんなお子さんは多くいます。
長文に慣れていなかったり、登場人物の心情を理解できていなかったりと、原因は様々です。

今回は、物語文の読解方法について考えてみたいと思います。

登場人物の気持ちの読み取り方

物語文の読解では、主人公や登場人物の心情を読み取って答えなければならない問題が沢山あります。

その中で
「なぜこんな気持ちになるのかわからない」
など、気持ちの読み取り方が分からなかったり、苦手なお子さんもいます。
その場合、多くの問題に取り組むだけでは「気持ちの読み取りの力」はつきません。

登場人物の気持ちを読み取るには、本来は人との関わりの積み重ねや様々な種類の本をたくさん読む経験などが必要です。

問題で似たような場面があった時に、今まで見たり読んだりしてきた人の心情を思い出す事ができたら理想的ですが、毎回問題に似た心情の出来事を経験できるわけではありません。
 
学校や塾の学習で「いっぱいいっぱい」のお子さんに、更に「たくさん本を読みなさい」と言うのも無理がありますね。

中学入試の国語に必要な力を伸ばす1つの方法に「感情をパターン化する」ということがあります。
「人の感情をパターン化するなんて」と思われるかもしれませんが、国語の成績を上げるには重要なことなのです。

一例を出しますが
「両親が離婚して父親に引き取られ、その後父親が再婚する物語」
「父母と死に別れ、祖父母に育てられた子どもの物語」
「戦時中、終戦直後の家族の物語」
といったものは、入試問題の「ひとつの典型」です。

問題練習に取り組む中で、文章に描かれている状況を把握し、意識的に「パターン」として覚えるようにし、合理的に感情を判断していくようにしていくことで成績が上がるお子さんは、多くいます。

物語の「今」の先にあるものを想像しながら読む

人の気持ちには変化があります。
楽しかったのに不安な問題が出てきたり、心配だったことに解決策がみつかって前向きになったり、日々の暮らしの中で心情は忙しく動いています。
同じように、物語の流れは常に変化と隣り合わせなのです。

穏やかに暮らす主人公に物語を動かす出来事が起こったり、大変な状況でもみんなで解決できたり、物語を読み進めていくと多くの場合、それまでの状態と真逆の変化が起きます。
物語文と向き合う時、書かれてある事の先を想像し、変化を想定しながら読み解いていく意識をしてみましょう。

選択肢問題で差をつけるには

国語の選択肢問題は、読解の問題でもっとも差がつく問題と言っても過言ではありません。

「選択肢の文章を本文に照らし合わせ、意味を正確に読み取る」ことを意識しましょう。

例えば、主人公のお母さんが親切心でしてあげた事に対して、主人公が傷ついてしまったという場合。
主人公はあることがきっかけで「これからは自分のことは何でも自分でやろう」と考えていたのに、それに気づかないお母さんが先回りして主人公の代わりにやってしまった、といったシチュエーションです。

主人公の心情について答える選択問題において、選択肢の中に「お母さんの心無い行動によって」という表現があるとどうでしょうか。

第三者から見れば悪意のない行動でも、主人公の心情がどうかを考えれば「心無い」と感じたからこそ傷ついたと考えることもできます。

もしも他に適切な選択肢がなければ、この選択肢が正解である可能性が高いですね。

選択肢に書かれている文の意味を、しっかり本文に照らして確認する必要があるのです。

「主観で読んではいけない」とも言えますね。

物語文に苦手意識がある場合、上記のような方法もぜひ試してみてください。

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