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「先取り学習」で身につく、注意すべき「暗記型勉強法」とは

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更新: 2017年05月12日 公開:

「先取り学習」は思ったほど「先取り」にはならない

低学年から中学受験塾に通わせ、いわゆる「先取り学習」をすることに関して、実際大きな効果があるのかどうか、考えたことがある方もいるかもしれません。

就学前や小学校低学年のお子さんが対象の塾講座は、ここ数年多くなりましたが、その多くは算数のパズルや理科の体験、実験教室などです。
純粋な受験勉強の先取り学習を、小さいお子さんにさせる塾もありますが、多数派ではありません。
それは、あまり小さい時からいわゆる「受験勉強」をさせても、実際にはあまり期待する効果が得られないからです。

幼児教育や低学年からの「受験勉強」のためにお子さんを塾に行かせるお母さん、お父さんが期待するのは、「少しでも早く始めておけば、後で楽、有利なのでは」といったことですが、実際にはそうでもないのです。

たとえば小学校で習う算数は、低学年のときは計算が中心で、難しい文章問題などは出てきません。
それは、9歳~10歳くらいになってはじめて、抽象的なものへの理解が深まってくるからです。
低学年のうちは、眼に見えないものや数えて確かめられないものをしっかり把握することが難しいのです。

この時期に高学年の子どもがするような文章問題を解かせても、多くのお子さんは、深く納得して考えながら解くことができません。
そんな状態で難しい問題を解かせていると、お子さんに「解き方を覚える」という学習スタイルがついていきます。いわゆる「暗記型」の学習法です。

一見「よくできている」学習法が、高学年になると通用しなくなる

一見、よく勉強してよく出来ているように見えるのですが、考えることよりも覚えることが優先され、覚えた手順を再現することが勉強の中心になるので、思考力を求められる高学年での受験学習が始まったときに、ついていけなくなる可能性が高いのです。

厄介なことに、この「暗記型」の学習法を身につけてしまっているお子さんは、4年生、5年生くらいまでは成績の良いお子さんも多く、お母さん、お父さんも気づきにくいのです。
小学校低学年まではよくできたのに、5年生、6年生になったら急に成績が下がった、というお悩みの多くは、こういった早期学習が原因となっています。

受験勉強はついつい「暗記型」になりがち

そんなに低学年から受験勉強をさせていなくても、勉強が「暗記型」になっていく危険性はあります。
多くの塾は「宿題・課題過多」の傾向にありますから、お子さんは次の週までに「宿題を済ませる」ことを目標に勉強するようになりがちだからです。

毎週の復習テストや、範囲が決まったテストでは点が取れるけど、大きなテスト、範囲がないテストでは点が取れないといった悩みがある場合、この「暗記型」の勉強になっていないか、チェックしてみる必要があります。

勉強が「暗記型」になっているお子さんには

  1. 1. 塾の復習をせずに、いきなり問題を解き始める
  2. 2. 宿題演習では「?」が多く、直しに大きな労力、時間がかかる

という特徴があります。

塾の授業で習ったことを自分で再現し、どうしてそのような考え方、解き方になるのかを思い出すよりも、先に手が動いてしまうという宿題のやり方になっているわけです。
お子さん自身はがんばっていて、そばで見ているお母さん、お父さんも「こんなにがんばっているのに」と思うのですが、労力の割に身についているものが少なく、学習へのモチベーションも上がりにくい勉強法です。

「いきなり問題を解き始める」勉強法は要注意

このように「いきなり問題を解き始める」という宿題演習をお子さんがしている場合、できればお母さん、お父さんがうまくリードし、宿題のやり方を変えさせてあげることです。

例題や類題を解き、授業で習った考え方、解き方を自分でなぞっていくうちに「あ、そうだったのか」「なるほど、だからこの解き方なんだ」といった発見や納得感が得られ、勉強の面白みも増していくでしょう。

学年が変わる2月までに、学習のしかたを見直し、がんばった分だけ結果が出る、という宿題演習のしかたを身につけさせてあげたいですね。

この記事を書いた人
主任相談員 西村 則康主任相談員 西村 則康
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