小川大介の中学受験合格を実現する逆算受験術

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小川大介の中学受験合格を実現する逆算受験術
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先まわり・与え過ぎの子育てよりも「ぼーっとする時間」のある子育てを

こんにちは! 小川大介です。

昨日は、総合芸能学院のテアトルアカデミーさんにて
子育て講演会を実施してきました。
1歳から3歳の子を持つ親御さんたちに、
「見守る子育て」の秘訣をお伝えするとともに、
45分ほど時間をとって質疑応答をたっぷりと行いました。

「イヤイヤ期の子どもにどう接したらいいのか?」など、
皆さんそれぞれに切実なお悩みを寄せてくださり、
大いに盛り上がったのですが、改めて実感したことが一つ。

それは、子どもの将来を真剣に考えた時に、
ものであれ体験であれ、
あれもこれもと与えてあげなければいけない
プレッシャーのようなものを、
親御さんの多くが感じているということです。

「与えすぎるのはよくない気がする・・・
でも、うちだけやらせなくて子どもに不利になっては可愛そうだし・・・」
と悩んで、モヤモヤしている方が何人もいらっしゃいます。

そういえば、学習指導をお手伝いしていたご家庭で、
こんな親御さんがいらっしゃいました。

私立の小学校にお子さんを通わせてらっしゃったのですが、
その方は常に学校の授業の先回り先回りをするのです。
お子さんをさまざまな習い事に通わせていました。
一週間びっちりと。

体育で鉄棒をすることがわかったら、
その1、2カ月前から体育の家庭教師に預け、逆上がりの特訓。
図工で絵を描く課題があるとわかったら、絵画教室に通わせてまた特訓。
こうして学校の授業を先取りし、
子どもを「何でもできる万能な子」に育てようとしていたのです。

「ずいぶん忙しいですね」とお声かけすると、
「だって先生、できない姿をみんなの前でさらけ出すことになったら、
あの子が傷つくじゃないですか」とおっしゃるのです。
一歩引いて考えれば、失敗することも
本人にとってはいい経験になると分かりそうなものですが、
あれこれと与えてあげる状態に足を踏み入れると、
止まらなくなるのでしょうね。

さすがにここまでではないけれど、
1週間のほとんどを習い事で埋め尽くしている親御さんは珍しくありません。
月曜日は水泳教室、火曜日はそろばんとピアノ、
水曜日はプログラミング教室・・・といった感じです。

今は共働き家庭も多いので、小学生の放課後の預け場所として、
いくつもの習い事をさせているご家庭もあります。

都市部は特に、習い事の選択肢が多い分だけ
あれこれやらせたくなる気持ちも分かります。

しかしここで大切なことは、
子ども本人にとってどうなのか?という視点です

まわりの子よりも先に経験している、
やり方を知っているというのは、
アドバンテージにはなるかもしれません。
けれども、それが「能力の開花」に結びつくかどうかは別問題。

親から見て「やっておいたほうが良さそうなもの」を
あれこれ与えられている子どもがみんな成績優秀で
学力の伸びが素晴らしいかといえば、
意外とそうでもなかったりします。
むしろ、手をかけたわりには伸び悩んでいると
いうケースを頻繁に目にします。

「与え過ぎ」の弊害は、
子どもから「ぼーっとする時間」を奪ってしまうことです。

人は、体験したことを「自分のもの」にするまでに時間がかかります。
特に幼少期の子どもは、言葉によって学ぶのではなく、
全身で感じ取って学びます。
学んだことが身につくには、
体感したことを味わい直す時間が必要なのです。

たとえば何もない時間に「今日の水泳教室で教えてもらった
クロールのフォームは、確かこんな感じだったな。
コーチは腕をこうあげたほうがいいって言っていたなぁ〜」と思い返したり、
「あ、この歌、この間、英会話教室で教えてもらった歌だ!」と、
ぼんやり観ていたテレビから聞こえる歌を一緒に歌ったり。
そうやって、子どもは体験したことを「自分のもの」にしていきます。

その時の子どもの様子は、
大人の目には「ぼーっとしているだけ」に見えます。
でも、その「ぼーっとしている」時こそ、
体感したことを味わい直している時間なのです。
子どもにとっては学んだことを吸収できる、
とても大切な時間です。

ところが、習い事で毎日のスケジュールが埋まってしまうと、
この「ぼーっとする時間」が消えてしまいます。
習ったことを味わい直すことができず、
「自分のもの」になっていきません。

また、忙しすぎると、目の前のことで精一杯になってしまい、
「今日は○○の日だ!」という楽しみが薄れてしまいます。
そこに親御さんがマネージャーのように、
「今日は○○の日よ」と子どものスケジュール管理をしてしまうと、
子どもは自分で考えて行動することができなくなってしまいます。
つまり、「心の動き」がなくなってしまうのです。

「心の動き」がなくなると、
習い事は言われたことをただこなすだけの時間になってしまいます。
すると、なかなか上達もしませんし、
習い事で得た経験をほかに生かすということも起きにくくなります。

ですから私は、習い事は詰め込みすぎず、
子どもが本当にやりたいものだけに絞る方針をおすすめしています。
自らの「好き」や「得意」を十分に発揮させてあげたほうが、
子どもは伸びやすいし、何より楽しんで取り組むことができます。

もし、先回り・与え過ぎの子育てになっているなぁと感じたなら、
「ぼーっとする時間」のある子育てへのシフトチェンジを、
ぜひ検討してみてください。

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中学受験 / 自立する子の育て方2019年09月03日12時00分
主任相談員の小川大介
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である小川大介が中学受験に関するご家庭でのお悩み解決を中心に様々な情報をお届けします。
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