中学受験の偏差値の知識をつけよう!志望校別の正しい確認方法

志望校の偏差値の確認方法
中学受験専門塾によって、各志望校の偏差値の出し方は変わってきます。
ただ、最難関校といわれる学校に関しては、どの塾でも似たような数値を出しています。
偏差値にズレがあったとしても大きな差はなく、プラスマイナス3程度に留まるでしょう。
塾で志望校の偏差値が出たら、次に気になってくるのが、与えられた数値の正確性です。
中学受験専門塾として看板を出している学習塾の偏差値であれば、その数値を基準と見ても問題ありません。
例えば、実際に塾が出しているA中学校の偏差値が60だとしたら、それが正式な偏差値だと捉えていいでしょう。
まずは、通っている塾から出された偏差値をしっかり確認するようにしてください。
より正確な偏差値を知るには?
中学受験塾によって偏差値の出し方に差が生まれるケースがありますが、実はこれには理由があるのです。
塾が出す偏差値は、各塾が開催している模試の過去20年分くらいのデータを元に算出されています。
もう少し詳しくお話すると、過去その塾の模試で生徒が取っていた偏差値と、その偏差値の生徒の中で8割以上は○○中学校に合格したという分析を元に、◯◯中学の8割合格偏差値が算出されています。
このように、塾が過去に行ってきたテストのデータを元にした数値から偏差値を出しているため、多くの子どもが受験しているテストや、生徒の在籍数が多い塾のテストの偏差値は、信用度が高いものになると言えます。
少しでも正確性の高い偏差値を知りたいのであれば、信用度が高い塾の偏差値をチェックすることをおすすめします。
志望校のランクに合わせた偏差値を出そう
難関校向けテストの偏差値は、難関校を目指す子供が受けるのであれば正確な数値が出やすいですが、中堅校を目指す子どもが受けるのには適切とは言えません。
そのテストを受ける母集団の成績の偏りから大きく外れてしまうと、お子さんにとって参考にできる偏差値が出ないことが多いためです。
志望校のランクに合った正確な偏差値を出したいのであれば、塾の「コース」に注目するようにしてください。
中学受験の専門塾の場合、「最難関校」を目指すコースと「中堅校」を狙うコースのように、志望校のランクに応じたコース分けがされています。
中堅校を志望校にしている子どもは、中堅校のコースが指定している偏差値を、指定されたテストでクリア出来ているかどうかで、自分自身の位置づけを認識できるでしょう。
合格が見込める偏差値とは?

一般論として、合格が狙えるラインは、塾が指定する志望校偏差値の「マイナス5」までと言われています。
つまり、偏差値が「60」の学校であれば、受験生の偏差値は「55」までが合格が見込める下限ラインとなります。
塾が示す、中学校の偏差値が「60」という数値だった場合、ほぼすべての塾で「合格の可能性が80%である」ということを示しています。
これは、過去偏差値60だった生徒の80%が合格している、と理解して下さい。
つまり、志望校の偏差値が60でお子さんの偏差値が55だったとしても合格は不可能ではないが、厳しい戦いになることは間違いないということですし、逆にお子さんの偏差値が60だからといって確実に合格できるわけではなく、過去の同じ偏差値の受験生たちの80%は合格しているということです。
合格が厳しい偏差値とは?
自分の偏差値が志望校の偏差値より「マイナス10」になると、合格は厳しいと言わざるを得ません。
「絶対に合格できないの?」と聞かれれば、可能性はゼロではないのも確かです。
過去問の取り組み方や学校の入試問題との相性によって合格の可能性も変わるので、打つ手はいろいろあるとは思います。
しかし、志望校と自分の偏差値にマイナス9~10の差があった場合は、残念ながら志望校を変えざるを得ないのが現実です。
ただし、合格を目指してずっと勉強してきた志望校と自分の偏差値の差がマイナス10だったとしても、「チャレンジ校」として受験するという選択肢はあります。
このようなケースでは、チャレンジ校の他に、合格可能性の高い抑えの学校の受験準備もしておく必要があります。
同じ学校の中学と高校で偏差値に差がある理由

同じ学校でも、中等部と高等部の合格に必要とされる偏差値を比較すると、大きな差が生じていることがあります。
中等部と高等部の偏差値に開きが出る理由は、主に2点あるといえます。
①募集人数の違い
中等学校と高等学校では、同じ学校でも生徒の募集人数に違いがあるのが理由のひとつと言えます。
私立中高一貫校の場合は、中学校受験の時に多くの生徒を集めて、高校受験では10数名単位の募集に留まることも珍しくありません。
そのため、より成績優秀で偏差値が高い生徒が集まりやすく、高校受験の方が偏差値が少し高めに出るということが起こるのです。
②模試の内容・難易度の違い
中学受験専門塾と高校受験専門塾で行われるテストは、内容・難易度ともに違いがあるため、偏差値に差ができます。端的に言えば、受験者層の違いによる影響と言えます。
中学受験をする層は少数精鋭と言えますが、高校受験をする層は公立受験を視野に入れる方も含めて実にさまざまです。つまり高校入試では、成績上位から下位までの幅が広いため、成績上位者の偏差値は高めに出るというわけです。
男女によって偏差値の違いがある?
同じ学校でも、男の子と女の子によって偏差値の違いが出る可能性はあります。
例えば、京都のある有名中学校の場合は、男女の偏差値におおよそ「8」もの差があるのです。
男の子は偏差値58で合格できるとするならば、女の子は偏差値64での合格となってしまうのです。
特に関西は、関東と違って中高一貫校の数が圧倒的に少ないという現状があります。
もっと言ってしまうと、進学実績の良い女子校の数は、かなり限られてしまいます。
そうなると、必然的に女の子の中学受験の競争率が高まり、男の子と比較すると高い偏差値が出てしまうのです。
福岡県の久留米大学附設中学校は、もともと男子校だったのですが、女子の募集を始めました。
ただ、男女半々の人数の募集ではなく男の子の募集人数が多い状態だったため、女の子の競争率が極めて高くなり、偏差値も女の子の方が高くなってしまった事例もあります。
一方で、愛媛県松山市の愛光学園や広島県、岡山県にある中高一貫校では、男女で偏差値の差が激しいという話はあまり耳にしません。