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中学受験 志望校の決め方徹底解説 志望校はいつ決める?志望校の決め方と併願校変更時の注意 まとめ

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公開: 最終更新日:2024年01月31日

中学受験の志望校は、いつまでに決めなくてはならないのか?と悩まれる方は多いですが、志望校の最終決定(受験校の最終決定)は6年生の11月に行うのが最適とされています。

一方「目標」としての志望校の設定は低学年から決めておき、学年が進むに連れて、現状に合わせて変更をしていくと良いでしょう。

この記事では、「志望校の決め方」はもちろん、志望校を決めてから、変更していくプロセスそして、併願校の決め方のついても解説していきます。

1.中学受験の志望校を決めるのはいつ?

まず初めに、いつまでに中学受験の志望校を決めるべきなのかを解説します。

中学受験の志望校は、お子さんの成長に合わせて段階的に決めていくことが最適です。

順を追って解説していきます。

【4年生】まずは「目標」としての志望校の決定を

中学受験を始める4年生の段階で、「何のために中学受験をするのか?」お子さんの目標を明確にする必要があります。

この段階では「中学受験」の大きな目標として「志望校」を設定しましょう。

有名な難関校から1つ目標を設定すると、目標がはっきりして良いです。

関東を例に挙げると、「男子御三家」(開成・麻布・武蔵)を目標とする際に、「うちの子の性格は開成より麻布の方が校風が合ってそうだな。」くらいで構いません。

多くのお子さんが、この段階では最難関校・難関校を志望校にすることが多く、お子さんの今後の学習がどうなるか、まだ見えていないため、目標は大きく持ちましょう。

【5年生】親子での話し合いで「本命校」の決定を

お子さんが塾に通う中で、実際にうちの子に合った学校で、かつ現実的に挑戦できそうな学校はどこか?ということは、親子ともに見えてくるようになります。

普段のテストの成績から、お子さんが挑戦できそうな学校はどこかを考えて「本命校」を絞っていきましょう。

このタイミングでは、今から頑張ったら狙える1番上位校を志望校にするのがよいです。

目標が高ければ、お子さんのやる気がでやすく、油断せずに学習を進めるからです。

とはいっても、実際のところ、5年生段階では、今のレベルより高い学校に行きたいと話すお子さんが大半です。

もし、このタイミングで「簡単に行ける学校」をお子さんが希望している場合は、既に「勉強疲れ」になっている可能性が高く、別途お子さんのケアが必要になります。

【6年生】中学受験の志望校の最終決定は6年生11月に

実際に受験する中学校を決めるのは、6年生の11月と考えてください。

6年生の11月は最終的な第一志望(本命校)の決定のタイミングです。

むしろ6年生の11月まで、ここまで目標としてきた志望校を変更してはいけません。

早くからの志望校の変更は、お子さんの自信を無くし、モチベーションを下げるリスクが高いからです。

お子さんの目標は高く持ちながら、11月まで頑張り、どうしても届かない場合は志望校の変更を選択してください。

塾の先生に志望校を反対されたときの考え方と対処法

主任相談員 辻義夫

6年生の11月より前に、塾の先生から志望校の変更を勧められることもあると思います。

塾の先生は、安全に合格できるところを勧めるように指導されていることもあり、お子さんや親御さんの事情とは関係なく、志望校の受験を反対し、受験する学校を変えることを助言することも珍しくありません。

最も大切なことはお子さんの耳に入れないことです。

塾の先生から志望校を反対されてしまうと、お子さんのモチベーションは下がるだけだからです。予め先生に「志望校について、うちの子に反対したり、変更のことを言うのは止めてください」と改めて伝えおくのも効果的です。

もし、志望校を変更せずに挑戦するつもりなのに、塾の先生に反対され、それがお子さんの耳に入ってしまった場合は、まずは親御さんが「私は挑戦したら、〇〇はできると思ってる。だから気にせず頑張ろう。」と伝えてあげることが大事です。

個別指導や家庭教師の先生がついているなら、その方からも伝えてもらうことで問題を解決することができます。

【受験本番直前】志望校を変更することになったら、どうすればいい?

多くのご家庭で、最後になって志望校を変更されるご家庭も少なくありません。

志望校を変更するかどうかの基準は、ご家庭によって様々ですが、併願校・第二志望がしっかりしているのであれば、お子さんの気持ちを尊重して、厳しくても本命校に挑戦するのも、1つの立派な選択肢です。

ここでは、志望校を変更される場合の、親の気持ちの持ち方と、お子さんへの声掛けについて解説します。

まず大前提として、志望校変更の可能性が高いなら、お子さんの第二志望校・第三志望校をしっかり調べておきましょう。その上で、6年生が始まった段階から「11月までに〇〇が達成できない時は、学校を替えることも選択しよう」と約束をしておきましょう。

これだけでも非常にスムーズに進みます。もし、そのような取り決めができていない場合も含めて、志望校を変更する際には、「変更する学校も、お子さんにとってどれだけいい学校か?」を説明してあげることが大事です。

また、もともとの志望校には無い良い点や、「〇〇は△△だから、お母さんは、この学校もすごく合ってると思うし、ここに行ったら楽しいと思うよ!」といったような言葉をかけてあげてください。

大切なことは、志望校を変更した場合でも、良い学校であることを、どれだけ伝えてあげられるかです。

低学年から志望校を決められるのが理想

上記にて「受験を始める4年生段階で、大きな目標の志望校を決めておくべき」とお話しましたが、それより早く1年生〜3年生段階で志望校を決めることができるなら、早期から目標を持った勉強ができるため、より良いです。

3年生の段階で大きな目標の志望校を決定し、4年生の入塾まで「中学受験をするんだ」という意識を高めながら、勉強を続けられるのが最適です。

2.中学受験の志望校の決め方とは?

続いて具体的な、中学受験の志望校の決め方について解説します。

偏差値だけの基準ではなく、お子さんが中高一貫の6年間の生活を楽しく過ごせるために、どのように学校を選べばよいのか?という疑問に回答していきますので、ぜひご参考ください。

志望校は、親が決めるの?子どもが決めるの?

志望校の決め方について、よくある質問が

「志望校は親が決めていいの?」

「子どもが志望校を決めるの?」

というものがあります。

この質問については「親が子どもが納得できる志望校を選択し、最終的な意思決定はお子さんがする」ことが大事です。

大学受験・高校受験では、「自分で調べて、行きたい学校を選べる」お子さんが大半ですが、小学校のお子さんは、まだそうは行きません。

そこで、お父さん・お母さんが調べ、お子さんに合った学校を説明してあげ、お子さんと話し合った上で、お子さんの行きたい中学校を皆で決めることが大事です。

お子さんの納得が重要な理由は、「自分が決めたこと」で、勉強のやる気が上がり、今後のモチベーションに関わるからです。

また実際に志望校に合格できた後も、「自分が行きたかった学校に頑張って合格した」という自己肯定感を持てるため、後の学校生活にもプラスになります。

志望校の決め方の4つの基準

志望校を決めるための基準は様々ありますが、まずは下記4つの点を重視しましょう。

【志望校の決め方の基準1】立地

軽視されがちですが、お子さんが無理なく通える場所にあるかどうかが大事です。

反対に少し距離が離れていることで志望校から外される学校もありますが、通学時間も含めて無理なく楽しめるお子さんであれば、無理に志望校から外さない方が良いケースもあります。

【志望校の決め方の基準2】進学実績(現役率)

最も重視される方が多い項目です。

卒業生が実際にどのような大学に合格しているのか?を確認してください。

お子さんが将来進みたい道の大学への進学率が高いのであれば、理想の中学校と言えます。

そして、志望校を決定する際には「進学先」だけでなく「現役率」にも注目してください。

現役生(ストレート)で合格した生徒が多い学校を重視することも時に重要です。

「現役率」も含め、これらの情報は四谷大塚の中学情報でデータが詳しく確認できますので、ぜひ参考にしてください。

https://www.yotsuyaotsuka.com/juken/

【志望校の決め方の基準3】校風/学校の様子

入学した後、お子さんが中高の6年間の生活を楽しく過ごせる学校かどうかも学校の校風/様子も重要な基準です。

【志望校の決め方の基準4】学校のレベル

中学受験で成功して、ハイレベルな第一志望に合格したとしても、周りのお子さんとの競争についていけず、中学校からの勉強が上手く行かなくなるお子さんも少なくはありません。

たとえ偏差値で見た場合にワンランク下でも、お子さんにとってはマイペースに勉強ができ、入学後の結果を見ると、そちらの方が良かったというケースは珍しくないのです。

反対に、周りのお子さんに引っ張られて成績が伸びる性格のお子さんもおり、少し無理をしてレベルの高い学校に入ってよかったケースもあります。

お子さんの性格と、学校のレベルが合っているのかどうか?これも大きな志望校選択の基準と言えるでしょう。

【オススメ】最難関校を基準に志望校を決める決め方

中学受験で挑戦できる中学校の数は膨大なため、上記4つの基準だけで選び切ることは難しいかもしれません。

その際は「最難関校」を基準にして、志望校を決める方法もオススメです。

各地域で倍率が高く難しい学校には、多くの人が魅力に感じる「実績・校風」があります。

一方で、その学校と少し違うけれど、似たような校風や実績を持っている学校も数多くあります。

もし現段階で「最難関校に行かせたいけれど、ちょっとむずかしい・・・」と感じられているのであれば、その学校と似た学校を探すのも、志望校の決め方の1つの手です。

きっとお子さんに合った良い学校が見つかると思います。

志望校決定時のNG行為

反対に、志望校を決める時に絶対にしてはいけないことが1つあります。

そのNG行為とは「〇〇以外の学校はよくない」「〇〇以外に行くなら、受験した意味はない」といったように、特定の学校に行って欲しい親の強い気持ちから出てしまう言葉です。

中学受験において、どれだけ優秀なお子さんであっても、最後に「志望校の変更」をする可能性はあります。このような言葉を使ってしまうと、併願校での受験を選択する際に、お子さんが絶望してしまい、取り返しのつかないことになってしまうケースも毎年少なくないのです。

これらの言葉は、デメリットだけの言葉になりますので、ぜひ使用を控えていただければ幸いです。

志望校決定のために参考にすべき情報ソースまとめ

志望校を決めるために、何をみればよいか?という質問もよくありますので、志望校の情報を収集するのに最適なものを一覧にまとめました。

■ 中学校のホームページ

■ 中学校が開催する学校説明会

■ 中学校が開催する「文化祭」への参加

■ 四谷大塚 中学案内(https://www.yotsuyaotsuka.com/juken/

各中学校のホームページは学費や受験者数の参考に閲覧しましょう。

志望校決定に必要な詳細なデータを閲覧するには、四谷大塚の「中学案内」がオススメです。大学合格者の現役率を含め、細かいデータが確認できますので、志望校選択の良い情報源となります。

実際にお子さんが学校の雰囲気をどう感じるかを見るには、中学校が開催している「学校説明会」や「文化祭」にお子さんと一緒に参加してみるのも良いでしょう。志望校決定において気になるのは、実際に学校に通われているお子さんの様子を見れるので、気になる中学校のイベントは積極的に参加してみてください。

3.中学受験の併願校の決め方とは?

併願校の決め方「確実性」と「行かせたい学校」の天秤

中学受験の併願校の決め方としては「本命校」と似ている学校を探してみることから始めましょう。

「本命校とは違うけど、この学校も進学率がよく、うちの子がやりたい部活にも力を入れている」といったように、その学校に行っても、本命校と同じように、しっかり学びながら、お子さんが楽しく6年間を過ごせる学校は、意外とすぐに見つかります。

大切なことは、お父さん・お母さんが、本命校と同じ用に「この学校なら、うちの子に合ってるし、ぜひ行かせて上げたい」と思い、お子さんもその気持を感じて「この学校で頑張りたい。楽しみたい。」と思えることを心がけて、第二志望・併願校を探してみましょう。

きっと良い学校がいくつか見つかると思います。

その上で「併願校」は確実に合格できるかどうかも大切です。無理なく合格できる学校の中から上記の条件を達成できる学校を探す必要があります。

よくある質問「中学受験は、第一志望に行けないと意味がない?」

主任相談員 辻義夫

併願校や志望校の変更について悩まれている親御さんから、「第一志望に行けない中学受験に意味はないですか?」という質問が届くこともあります。

ここまでお伝えしたとおり、大切なことは親子ともに納得して「この学校はいいところだ」と思える中学校を見つけることです。それが第一志望なのか、第二志望なのか、併願校なのか、それは本来関係がないことは、お父さん・お母さんがよその子のことで、客観的に見たとしたら、きっとわかることなのですが、どうしても、そう考えられないことも無理はないと思います。

一番行きたい学校が「第一志望」というのは、そうなのですが、第二志望も併願校も、どの学校も甲乙つけがたく行きたい学校を選んでおくことが大切です。

「そんな都合の良い話はない・・・」と思われるかもしれませんが、今は独自の校風を生み出したり、様々な工夫で中学校側も、生徒を獲得するべく、本当に日夜努力されています。

きっとお子さんに通って欲しいと思える中学校がたくさん見つかるはずです。

ぜひ今一度、この考え方で、第二志望校・併願校も探してみてください。

4.第一志望校合格可能性を高めるためには?

最後に第一志望校の合格可能性を高めるために必要なことについて解説します。

志望校別特訓に参加する

塾で開催される「志望校別特訓」で志望校に特化した専門のコースがあるなら、その特訓への参加資格を獲得することは必須です。成績が足りずに、6年生の段階で志望校別特訓に参加できない場合は、個別指導・家庭教師の力を借りて、塾とは別に対策を立てることも検討しましょう。

志望校別判定テストの結果だけを重視しない

5年生からスタートする志望校別判定テストの結果については、大きく重視する必要はありませんが、親が今後志望校をどうするかどうかの判断材料にしてください。

6年生が始まってから夏までの志望校別判定テストについては、判定が低いからすぐに志望校を変更するのではなく、「いつまでに、何ができなかったら、学校を変えるのか」を話し合う指針として結果を受け止め、6年11月段階で志望校の変更がある場合に備えましょう。

「1度のテストで低い結果が出たから、すぐに志望校を変更する」というような短絡的な思考にならないように中が必要です。

まとめ

以上、中学受験の志望校はいつまでに決めるのか?志望校はどう決めるのか?という疑問について、よくある質問や併願校の決め方とともに、詳しく解説しました。

本文でもお伝えしましたが、大切なことは、お子さんの目標を常に高く持ち、第一志望も第二志望も、併願校も、お子さんに通って欲しいと思える学校を見つけることです。

この記事が、「中学受験の志望校を決定する」参考になれば幸いです。

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