中学受験に塾通いは必要。通い始めるのは4年生からがベスト

中学受験に塾は必要ですか?というご質問を受けることがありますが、どんなに優秀な子でも塾なしで中学受験合格を目指すのは難しいと思っておいてください。
ここでは、塾選びの基本情報と通い始める時期についてご説明します。
塾なしで合格を目指すのは難しい
進学塾、特に大手塾には、長年培ってきた中学受験のためのカリキュラムがあります。
これなしで合格することは、ほぼ不可能だと言ってもいいでしょう。
何かの理由で塾通いが難しい場合は、塾の代わりにカリキュラムを作成できる指導者が必要になってきます。
家庭教師、個人塾などがその選択肢になりますが、よほど信頼できる確かな経験がある指導者を見つけるのは至難の技です。
指導者としての力量があっても、最新の中学受験の動向を把握していて、それに沿ったカリキュラムを作れるとなると、かなり選択肢は狭くなってしまいます。
自宅で親御さんが指導して中学受験を目指す、というのは、最初から選択肢に入れないほうがいいでしょう。
親御さんがカリキュラムを作成して、すべてを指導するのは事実上不可能です。
大手塾、地域の塾、個別指導塾、どれを選べばいい?
中学受験をするなら、塾通いは必須です。そしてその塾選びが、合否を分けるといっても過言ではないのです。
塾にもいくつか種類があります。大きく分けるなら大手塾、地域の塾、個別指導塾、単科塾などがあります。
大手塾がいちばんポピュラーですが、子どもの性格を考えて地域の小規模な塾を選ぶお母さんもいますが、その時に注目していただきたいのがカリキュラムです。
まず、中学受験を目的にカリキュラムが作られているかどうかの確認が必要です。
学校の勉強の補習を目的としている塾で、受験を目指すのは無謀です。
「とりあえず塾に入ってみて、それから受験するかどうかを決めたい」という理由でそういった塾を選ぶ方もいますが、高学年になってからの転塾はかなりハードルが高くなってしまいますので気をつけましょう。
現状では、中学受験のカリキュラムや経験が蓄積されていて、最新の動向にも詳しい大手塾を選ぶのが無難です。大手塾にもいくつか種類があるので、お子さんの性格や志望校に沿って慎重に選ぶといいでしょう。
個別指導塾の中には、中学受験に的を絞った塾もありますが、指導力の高い塾もあればそうでない塾もあります。
よほど信頼できる評判がない限り、リスクの高い賭けだということを頭に入れておいてください。
集団指導か個別指導か
いずれにせよ、事前の情報収集は必須なので、そのときは必ずカリキュラムの内容を確認するようにしましょう。
「子どもの性格的に集団塾に向かないから、個別塾に通わせたい」というご相談を受けることもあるのですが、やはり、あまり賛成できません。
指導者によって学習の質に差が出てしまうのもありますが、中学校入学後も学校での集団学習が続くのですから、できれば集団の中で勉強することに慣れておいたほうがいいのではないでしょうか。
大手塾に通いながら、個別指導塾や家庭教師で学習をフォローする、というパターンならあってもいいかと思います。
算数や国語専門の短歌塾で得意科目を伸ばす、もしくは、苦手科目を克服する、という方法をとっているご家庭もあります。
塾通いは早ければ早いほどいい、というわけではない
最近は、小学校1年生から生徒を募集する進学塾もあります。
「受験するなら、できるだけ早くから勉強させたほうがいいのではないか」と入塾を決めるご家庭もあるのですが、正直、それはおすすめできません。
中学受験をする・しないにかかわらず、低学年のうちに身につけてほしいのは、「読み書きそろばん(計算力)」、そして「外遊びやお手伝いなどを通して体験する生活知識」です。
それがその子の人生を左右するとも言えるのではないでしょうか。
塾のカリキュラムは新4年生を対象に、3年生の2月から始まります。
それ以前の学習は、受験に直接役立つものではないのが実情です。
また、9歳前後に子どもは「9歳の壁」にぶつかることもあります。
情緒面での大きな転換期ですので、学習にも影響が出ます。
もちろん悪い影響だけでなく、そうした精神的成長がより深い学習を支えてくれるようになるので、この時期にぐんと伸びる子もいます。
あまり早いうちから塾で勉強をさせていると、4年生になっていよいよ受験勉強が始まる時期に失速してしまうこともあります。
覚えたことをそのまま当てはめる勉強の習慣がついてしまうと「自分で考えて、答えを導き出す」という中学受験の問題に対応できなくなってしまいます。
できれば、4年生から入塾するのがベスト
大手塾の中学受験のための授業は、新4年生からスタートします。
ご家庭で中学受験をするという決断がすでにできているなら、この時期に入塾するのがいいでしょう。
もちろん、5年生から塾に通い始める子もいますし、塾に入るのはどの時期でも可能です。
でも現実的には4年生の内容は履修済みとしてどんどん先に進められます。
そのぶんの補習や特別な配慮があるわけではないので、自分で遅れている分を埋めておく必要性が出てきます。
中学受験の塾に通うなら、4年生スタートがベストです。