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あなたの塾は大丈夫?中学受験での【個別指導塾】のかしこい使い方

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公開: 最終更新日:2021年07月21日

中学受験での個別指導の役割

中学受験を本気で目指すなら、専門的な知識を持った講師陣が毎年の入試問題を研究し、それをカリキュラムやテストなどに反映する、大手の集団指導塾のメリットを充分に考えるべきでしょう。
確かに、個別指導や家庭教師だけで受験する家庭もありますが、それはあくまでも少数の事例です。

個別指導の場合、担当の先生に力量があれば適切なカリキュラムや家庭学習の勉強計画を考えてくれますが、残念ながらそこまで出来ないケースがほとんど。
そうなると、保護者が独自にカリキュラムを考える必要が出てきます。
家庭の負担などを考えると、個別指導のみで合格を目指すのはかなり難しいと言えるでしょう。

中学受験で個別指導を効果的に使うには、集団指導との『役割分担』を意識することが大事になります。
志望校合格への近道は、やはり集団指導塾のカリキュラム通りに授業や学習計画を進めるのがベストです。
集団塾は新しい知識や考え方を学ぶ場所、個別指導は点数が取れない原因を見つけ出して対策を打つ場所だと捉えることをおすすめします。

大手塾運営の個別指導塾とは

大手塾運営の個別指導塾とは

現在では、多くの大手進学塾が個別指導を併設しています。
お互いの教室で学習内容がリンクしていたり、問題の解き方が一致していたりするため、苦手分野をフォローするのには効果的と言えるでしょう。
例えば、集団授業での算数がよく理解できていないので、授業が終わった後や授業がない曜日に、併設されている個別教室を活用することもできます。

ただし、個別指導塾に通う前には、どのような授業が行われているかを予め調べるようにしてください。
例えば、ある個別指導塾では生徒2人に対して先生が1人で授業をしていて、片方の生徒に問題を解かせている間に別の生徒に説明をしています。
実は、このような個別指導は非常に学習効果の薄いやり方です。
子どもが授業を理解できずテストで点数が取れない原因を探るには、その子どもが問題を解く様子をじっくり観察する必要があります。
「問題文のどこに注目して解き始めたか」
「何を書きながら解こうとしているのか」
などの過程を見て、生徒一人ひとりの弱点を分析すると共に長所を見つける必要があるのです。

個別指導塾を選ぶときは、子どもがつまずいている場所を発見して対策を考えられるだけの力量がある塾なのか、そのようなシステムが組まれている塾なのかを見極めるのがポイントです。

「集団授業と同じ解説を、もう一度個別の授業で聞いているだけ…」
という状態になっている個別指導塾も多々あるので、くれぐれも注意してください。

子供のタイプを見極めよう

子供のタイプを見極めよう

集団指導塾での授業についていけない原因がどこにあるのかによっても、個別指導塾の活用方法は変わります。
マイペースで進めたいタイプの子供の場合、早いスピードでサラッと説明される授業だとなかなか理解できないけれど、同じ説明であっても個別にじっくり説明を聞くとわかるというケースもあります。
このようなタイプであれば、個別指導の効果があると言えます。

しかし、成績が上がらない原因が、子供の『気持ちの問題』だというケースもあります。
学習に対して積極的でない、やる気がないタイプの子供が個別指導に通うことになった場合、ますます「勉強が嫌だなぁ…」と思ってしまうこともあり得ます。
それだけでなく、「集団授業で分からなくなっても、個別指導に行けば教えてくれるからいいや!」と考えてしまい、せっかくの集団授業を聞かなくなってしまう場合も珍しくありません。

我が子が集団塾での授業についていけないことを理由に個別指導を併用したいと考えるなら、子供の学力状態を把握するだけではいけません。
我が子の気持ちがどういう状態なのかをしっかりと把握した上で、個別塾に通わせるかどうかを判断するべきでしょう。

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