【2023年 最新版】「現在の中学受験がどうなっているか?」が5分でわかる記事
「うちの子も、中学受験もした方がいいの?」と悩む一方で、
- 「でも中学受験って本当に、子供の将来のためになるの?」
- 「中学受験は難しくてうちの子に挑戦するのは難しい?」
- 「中学受験してみたいけど、お金は大丈夫?」
といったようなことから、中学受験を選択するべきかどうかわからないという方は少なくないと思います。
この記事では、 中学受験をなぜするべきなのか?はもちろん、
- 中学受験の準備はいつから始めるのか?
- 中学受験の、費用は最終的にいくらかかるのか?
- 中学受験をするなら、どれだけ勉強する必要があるのか?
2023年度の実際の中学受験がどうなっているかをまとめました。
現在中学受験をするかどうか検討されている方が知りたい・知っておくべき情報をまとめておりますので、ぜひ参考にしてください。
- ■ 中学受験の希望者は増えている? コロナ禍&少子化の中でも、増え続ける中学受験人口
- ■ 中学受験は「いつから」始めるのとよい?小学3年生の2月がベストなワケとは?
- ■ なぜ、中学受験をするのか?
「将来のため」という曖昧な言葉では語れない中学受験の魅力とは? - ■ 中学受験のメリット/デメリット
- ■ 中学受験は「意味ない」のか?
- ■ 中学受験で合格するには、どんな勉強が必要?
- ■ 中学受験をするなら、どれくらいの勉強時間が必要?
- ■ 中学受験で必要な教科は?
- ■ 中学受験に、「塾通い」は必須。
塾通いなくして合格は不可能な理由 まとめ - ■ 中学受験の進学塾に通うのは4年生からがオススメ
- ■ 中学受験の入塾テストとは?
- ■ 【中学受験の費用】中学受験中の費用はどれくらいかかる?
- ■ 中学受験と高校受験の違いは?
- ■ 中学受験をすると大学受験は、本当に有利になる?
- ■ 去年(2022年2月~2023年2月)の中学受験の傾向とは?
- ■ 今年(2023年2月~2024年2月)の中学入試の傾向は?
- ■2024年の中学受験の入試本番の日程(暫定)
- ■ 【まとめ】中学受験とは?
お子さんの理解を大切に伸ばし、親子で挑戦するもの
■ 中学受験の希望者は増えている? コロナ禍&少子化の中でも、増え続ける中学受験人口
現在、首都圏では5人に1人のお子さんが中学受験をしていると言われています。
中学受験の人口は2007年にピークを迎えた後、しばらく下降気味だったのですが、2014年から中学受験に挑戦するお子さんの人数が再度増え始めており、2023年には過去最高の受験人数を記録しております。
少子高齢化の中、中学受験に挑戦するお子さんの数は減少傾向にあるのでは?と思われる方も少なくありませんが、このように中学受験に挑戦するご家庭は今も増え続けています。
中学受験に挑戦するご家庭は増加傾向にあるため、人気の中学校の倍率は年々高まっており、中学受験の競争率は、依然として年々高くなっています。
少子化により子どもの数が減っている中でも、中学受験人口が増加している背景には、お子さん1人に使えるご家庭の予算が増えている(兄弟姉妹が減った結果)ということや、共働き家庭が増えた結果、家庭で使える予算が増えていることなどが背景として挙げられます。
■ 中学受験は「いつから」始めるのとよい?小学3年生の2月がベストなワケとは?
中学受験は、いつから始めればよいのか?と悩まれる方は多いでしょう。
中学受験の塾に通い始める学年は小学4年生からがオススメです。
多くのご家庭は4年生から塾通いを始め、また中学受験用の塾のカリキュラムも4年生から始めることを前提に設計されております。
また中学受験に向けて、勉強を始めるのは、遅くても小学3年生から始めましょう。
ただし、1年生の頃から、中学受験用の勉強を始めている方が、なお良いです。
お子さんとの「中学受験をするかどうか?」の話し合いは、3年生の入塾前までに済ませておくことが望ましいです。この際、お子さん自身が納得して「僕/私は、中学受験をするんだ」と決められるようにしてあげましょう。
■ なぜ、中学受験をするのか?
「将来のため」という曖昧な言葉では語れない中学受験の魅力とは?
公立の中学校に進学することもできるのに、「どうして中学受験に挑戦して、私立中学校に行くのか?」その理由について、お父さん・お母さんの考えを固めておくことが大切です。
結論から申しますと、中学受験をするべき理由としては…
- ・小学生から、大学受験まで使える、正しい学習習慣を身につけることができる
- ・教育レベルが高く、お子さんの性格に合った学校を選ぶことができる
という点があります。
ですから、中学受験をする理由は、お子さんの将来設計にとって、役立つ学習習慣を身に着け、お子さんに合った学校を選択できることにあります。
ただ単純に大学受験を有利にするために、中学受験を行うというような時代ではなくなっているのも現在2023年の中学受験トレンドといえるでしょう。
続いて、中学受験のメリットとデメリットについても、簡単にまとめていますので、「なぜ、中学受験をするのか?」その理由については、下記も合わせてご参考ください。
■ 中学受験のメリット/デメリット
中学受験のメリットとして、よく言われることは、「子どもの将来のため」という言葉があります。「将来のため」に中学受験の何が良いのか?そのメリットについてお話します。
中学受験をするメリット
【中学受験をするメリット その1】
学習習慣が身につく
ただ席に座って、学校や塾から出された課題だけを消化しているだけでは、中学受験で志望校に合格することはできません。
最難関・御三家と呼ばれるような志望校に合格するには、何がわかっていなくて、そのためには何をすればよいのか?を考えた上で、限られた時間の中で、何を優先して消化していくのか?を決めて、学習を進める必要があります。
このような、1つの大きな目標に向かって、計画的に学習を進めていく習慣は、高校受験・大学受験はもちろんのこと、大人になって以降も使える一生物のスキルです。
小学生の段階から、多くの大人ですら身についていない計画的な学習習慣を習得できることは中学受験最大のメリットと言えるでしょう。
【中学受験をするメリット その2】
「物事の本質を理解する」力が身につく
通り一遍の「暗記学習」だけでは、中学受験で成績を上げることはできません。
解き方を暗記したり、過度な繰返しやパターン学習にたよるのではなく、「なぜ、そうなるのか?」まで、お子さんが納得し、理解することが、中学受験の学習では求められます。
中学受験を通して、このように「物事の本質」を理解する学習習慣が身につくことで、大学受験や社会に出てからも使える「本当に必要な勉強の仕方」を小学校のうちに身につけることができるのも中学受験のメリットです。
【中学受験をするメリット その3】
目標を達成する集中力と自信が備わる
中学受験の志望校合格に向けての学習を通して、長文精読をし、ミスを自分で確認して見つけ出す集中力が身につきます。この集中力は、中学受験の学習以外においても、人生の様々な点で役立ちます。
また目標に向かって勉強を進めていく中で、「僕/私は、頑張ればできるんだ」という自信が身につくこともメリットとして、挙げられます。
【中学受験をするメリット その4】
私立中学校の安定した教育環境
もちろん公立中学校にも良い学校はありますが、私立中学校の教育環境は安定していることが最大のメリットです。
大半の私立中学校は、創始者や母体となる団体の「建学の精神や理念」が明確で、ご家庭やお子さんに合った方針の学校を選ぶことが可能です。
また私立中学校の教育目標は、文科省の影響に左右されることが少なく、先生の異動も公立中学校と比較し、極めて少ないです。
中学生以降は親のコントロールから離れ、お子さんが自立していく時期です。
中高6年間の間、安定した方針の教育環境の中で、お子さんが過ごせることは、非常に大きなメリットとなります。
【中学受験をするメリット その5】
「中高一貫」ならではの良さ
中学受験を経て、中高一貫校に入学した後は、お子さんの好きなこと・好きな部活に打ち込むことができます。6年という歳月を通して一生涯の友人もできるでしょう。
また中高一貫校の良さとして、「高校受験」に使う時間が必要ないことで、早くから「大学受験」に集中することも大きなメリットです。
学校のカリキュラムも早くの段階から「大学受験」に向けて作られているため、大学進学が有利になるのも中高一貫校ならではのメリットです。
また近年では、中高一貫校が、高校からの中途入学を打ち切っているケースも見られます。
そのため中学受験でないと入学することのできない高校も増えているため、学校の選択肢が多いという点も中学受験のメリットの1つです。
中学受験をするデメリット
【中学受験をするデメリット その1】
お子さんの負担
中学受験をするということは、当然勉強に使うお子さんの時間が多くなり、その負担はお子さんが引き受けることになります。
習い事や趣味との両立は5年生以降特に難しくなっていき、6年生の間は、習い事を休むことが求められます。
また志望校合格には、ご両親がお子さんの勉強に関わることも必須となるため、ご両親もお子さんの中学受験に時間を使うことが求められるため、ご家庭に対する時間的な負担は大きいです。
わかりやすいように、下記に、中学受験をしないお子さんと、中学受験に挑戦するお子さんの勉強時間を比較してみました。
上記表はあくまで概算ですが、特別講習がある時期や、受験終盤の追い込み時期は、お子さんの勉強時間は更に増えることも加味すると、中学受験をするお子さんに対する時間的な負担は、非常に大きいことがわかりますね。
【中学受験をするデメリット その2】
ご家庭の費用負担
ご家庭の費用負担が大きくなることも、中学受験のデメリットとして挙げるべきでしょう。
普段の塾通いはもちろん、夏期講習・冬期講習・春期講習などの特別講座への参加費用、教材の購入費用、ご家庭によっては、個別指導や家庭教師を検討されるケースもあり、中学受験に挑戦するだけも費用負担は小さくありません。
また中学受験終了後も、私立中学校の学費は、公立中学校よりも多くかかります。
中学受験の費用負担は大きく、計画的な教育資金の準備が求められます。
実際の費用負担が、どのくらいになるかに関しては、下記に解説しておりますので、そちらも合わせてご確認ください。
私立中学校 大手塾に通っての受験にはどれくらい費用がかかる?
【中学受験をするデメリット その3】
親子関係の悪化・お子さんの自信喪失
お子さんの成長過程で、親子がぶつかり、最終的に親子関係が良好になるというなら、それはそれで良い一面もあるのですが、中学受験では、成績が上がらないことから、親子関係が悪化してしまうご家庭も少なくありません。
中々成績が上がらないことから、お子さんの勉強時間を増やし、お子さんのへの負担が増え、中には、お子さんが中学受験をしたくなくなり、中学受験を途中で諦めてしまうご家庭もあります。
また、最終的に第一志望校に合格できなかったことから、自信を喪失してしまうリスクもあります。
そのような事態を回避するためにも、中学受験は、あくまで「過程 = プロセス」であることを日頃から伝え、どの学校に合格しても「成功」であり、子どもたちの努力にこそ価値があることを伝えていくことが大切です。
■ 中学受験は「意味ない」のか?
中学受験を検討する際には、必ず「中学受験は意味ない」という意見を目にします。
「中学受験は意味ない」とする根拠は下記のとおりです。
■中高一貫校に通っても、成功するとは限らない
レベルの高い中学に入った結果、勉強についていけなくなるなどの理由から、中高一貫校に通っても成績が伸びず、途中で転校するご家庭や、大学受験がうまく行かないケースもある。
■中学受験での勉強が、子どもにとって悪影響を及ぼすケースもある
過度な勉強を強いられたことにより、子どものメンタル面での負担が大きく、勉強嫌いになってしまうなど、中学受験の勉強が子どもの人生にとってマイナスに働いてしまう。
■学受験をしても、費用対効果は良くないとする考え方
最終的なゴールを大学・大学院と考えた際に、「中高一貫校に通った結果、大学受験時に予備校に通わなくても良い」という費用面のメリットがあったとしても、中学受験及び、中高一貫校に通った費用を考えると、コストパフォーマンスが合わず、高校受験から力を入れた方が費用面でメリットがあると考える意見です。
上記のようなことから、「中学受験には意味がない」と論じる意見もあります。
上記のような意見は、一概に否定できないところもありますが、大切なことは「中学受験をゴール」として考えないことです。
上記の指摘の通り、中学受験をしても「その後、勉強をしなくてよい、楽ができる」というわけではありません。
中学受験を通して得た経験を、お子さんの中学・高校の生活の中で活かしていきながら、将来の選択肢を増やしていくことができるかどうかが重要なのです。
前述の通り、中学受験には大きなメリットもあり、その反面デメリットがあるのも事実です。
「中学受験がお子さんにとって、大きな意味のあるものにする」ため大切なことは、お子さんが納得し中学受験に取り組み、お子さんの自主性を尊重しながら、合格を目指し、中学受験をゴールにしないことです。
その条件が整っていれば、中学受験はお子さんの人生にとって大きな意味のあるものになるでしょう。
■ 中学受験で合格するには、どんな勉強が必要?
■4年生からの継続的な勉強が必須
中学受験に合格するには、塾に通い、継続的に勉強していくことが必要です。
まれに、志望校に絞り込んで過去問対策だけをしっかりすれば、普段の成績が悪くても合格できるのでは?と考える親御さんもいらっしゃいますが、中学受験では過去問対策だけでは、どうしても乗り越えられない壁があります。
その最大の理由として、関東・関西ともに、お子さんの「本質的な理解」を問う試験を行う学校が増えていることがあります。
2023年の試験でも、お子さんが教科書・問題週・過去問で扱って来た問題とは似ても似つかない、それこそ塾の先生も初めて見るような、「一見初見の問題」を出題する学校が急増しました。
問題文に書かれた情報を整理し、これまで培ってきた何の知識を使えるかを考え、回答するという非常に高いレベルの「思考・理解」を問う試験が増えています。
そのため、志望校に絞り込んだ過去問対策だけでは、現在の中学受験で志望校に合格することは年々難しくなっており、不可能と言って過言ではないでしょう。
■中学受験の合格には、「理解を重視した学習」が必要
過度な暗記や、大量演習による繰返し学習だけでは、成績が伸びないというのも中学受験の特徴です。
「なぜ、そうなるのか?」をお子さん自身が理解できていなければ、安定して成績を伸ばすことはできません。それこそ、お子さんが、どのように問題を解いたのかをお父さん・お母さんに説明することができるレベルの理解が求められます。
■中学受験の進学塾に与えられた課題を「全てやる」と成績が上がらない罠
中学受験の進学塾が提供するカリキュラムは膨大な量があります。
それこそ、4年生〜6年生の3年間の間に、全ての問題を解き切ることは不可能な量の課題が出されます。
そのため、塾の宿題・課題の全てに取り組もうとすると、お子さんがパンクしてしまい、勉強をしているのに、成績が伸び悩むという悪循環に陥りがちです。
そのため中学受験で成績を上げるためには課題の取捨選択を行うことが求められます。
「今は、時間をかけて頑張ってもわからないこと」と「もう既に理解できていることを繰返し解く」ということを止めて、「少しの努力でできるようになること」に集中することが、中学受験の成績を最短で上げる方法です。
中学受験で、入塾後に成績が伸び悩んでいるご家庭は、短期間で学習習慣を見直し、成績を上げる方法については、下記記事で詳しく解説していますので、こちらも合わせてご参考ください。
■ 中学受験をするなら、どれくらいの勉強時間が必要?
中学受験に挑戦するとなると、お子さんは、たくさんの時間を勉強に使う必要があります。
おおよそですが、塾の授業時間も含めて、6年生のご家庭では週に24時間(1日あたり3〜4時間程度)、5年生のご家庭では、週20時間程度(1日あたり3時間程度)、4年生のご家庭では週に11時間(1日あたり1.5時間程度)の勉強が必要になります。
これに加え、進学塾の夏期講習などの講習期間中は、さらに勉強時間が必要となります。
ただし、勉強時間が多ければ志望校に合格できるわけではありません。
決められた時間内で、成績をあげるために必要な課題をやり切ることが求められます。
そのため、何時から何時まで勉強するというだけでなく、その時間内に何をやるのかまでお父さん・お母さんが管理してあげることが、中学受験では求められるのです。
■ 中学受験で必要な教科は?
■関東の中学受験
関東圏の私立中学受験では、国語・算数・理科・社会の4教科で試験が行われます。
そのため、4教科の学習が必要となります。
■関西の中学受験
関西の私立中学受験では、国語・算数・理科の3教科で試験が行われます。
そのため、関西では3教科の学習が必要となり、社会は試験では必要ありません。
■中学受験で、英語は必要?
過去の中学受験において、帰国子女のお子さんのみ英語の試験が行われることはありましたが、近年では、選択科目として「英語」を選択できる学校も増えています。
その形態は様々ですが、東京都の半分近くの私立中学校で「英語」の選択が可能となっています。
中には英検で加点をされる私立中学校などもありますので、英語での受験を検討されている場合は、志望校の試験で英語の選択・加点があるかどうか一度見てみるとよいでしょう。
一方で、英語は基本的には「選択科目」に留まっているため、2023年の現代会では、中学受験において必須スキルではありません。
■ 中学受験に、「塾通い」は必須。塾通いなくして合格は不可能な理由 まとめ
中学受験をするにあたり、「必ず塾に通わないといけませんか?」という質問は少なく有りません。
結論から申しますと、中学受験において、専門の進学塾に通うことは必須です。
どんなに優秀なお子さんでも、塾に通わないで中学受験で合格することは、ほとんど不可能と言えます。
その最大の理由は、「塾の提供するカリキュラム」にあります。
大手進学塾が提供しているカリキュラムは、毎年の中学受験のトレンドに合わせ改良され、本番試験で問われる合格する知識が詰め込まれています。
そのため、塾カリキュラムを履修することは、中学受験の最短ルートであると言えます。
それでは、塾の提供する「教科書・問題週」が手元にあれば、授業に出なくても良いか?というと、もちろん、そうではありません。
中学受験の進学塾では、お子さんに圧倒的に不足している基礎訓練を行いながら、習得した知識を活かして、発展・応用学習へと進んでいきます。
中学受験の試験では、「問題文でなにがわかっているか」を正確に理解し、「そこから最初にわかることはなにか」「それがわかると次になにがわかるのか」を順に整理していきながら、解答に向かっていく道筋を立てていくことが必要となります。
これと同時に「解答を導くために必要なものはなにか」「それを知るには、なにがわかればいいのか」と結論から逆に戻っていく考え方も必要になります。
この手順を、授業を聞いてインプットしてもらいながら、適切な演習を繰返すことで初めて、自分の知識とすることが可能になるのです。
お子さんに家で教科書を読ませて、問題を解かせるだけでは、どうしても超えられない壁があるのです。
お父さん・お母さんが、中学受験の塾の講師をした経験があり、実際に多くの生徒を合格させたことがある上で、最新の受験トレンドに明るく、かつ、全教科を網羅してお子さんに教えてあげることができるのであれば、塾に通わなくても家で学習はできるかもしれませんが、そのようなご家庭が存在し無いことは明らかです。
上記の理由から、中学受験において進学塾に通うことは必須と言えます。
また進学塾の中でも、サピックス、四谷大塚、早稲田アカデミー、日能研、浜学園、希学園などの大手進学塾に通うことが基本的にはオススメです。
その最大の理由は、各塾の「カリキュラムの練度」です。
大手進学塾では日夜、中学受験の研究が行われ、中学受験に必要な知識を習得するための最短ルート = カリキュラムが毎年アップデートされているからです。
各塾の詳細及び、お子さんに合った塾の選び方については、下記でも解説していますので、そちらも合わせてご参考ください。
■ 中学受験の進学塾に通うのは4年生からがオススメ
中学受験のための進学塾には、何年生から通わせるのが良いかということについては、4年生からの入塾をオススメします。(厳密に言うと、進学塾の入塾は3年生の2月です。進学塾の新学年(新4年生の)カリキュラムは、2月からスタートするためです。)
進学塾のカリキュラムは基本的には4年生からスタートするように設計されています。
塾側としては、どの学年からでもスタートできるようにカリキュラムが設計されているとしているのですが、やはり5年生・6年生から入塾したお子さんは、過去に取り扱った知識を前提として授業が行われるため、4年生以降の入塾では、お子さんはどうしても不利になってしまうというのが本音です。
反対に、低学年から入塾することで有利になるのでは?と考え、4年生より前からの入塾を検討されている方もいらっしゃるでしょう。
実際に塾側も1年生から授業を用意しているのですが、4年生より前からの塾通いによって、大きな差は生まれません。
その理由は、4年生までの学習で大切なことは、基礎力(計算力・語彙力)を鍛えながら、毎日の勉強を当たり前にしていく学習習慣にあるからです。
ご家庭で、毎日継続して、基礎能力を鍛えることができていれば、4年生の入塾からしっかりと授業についていけます。
低学年での塾通いで大きく差が出ることはあまりなく、低学年のうちは、余裕を持ってお子さんに負担をかけずに最低限の学習を行う方が、良いからです。
もちろん、お子さんに負担をかけずに低学年から塾に通うことができるのであれば、低学年からの塾通いも良いでしょう。
反対に、塾に通うことが精一杯になってしまい、決められた時間(3年生で国算各1日30分程度)で、基礎力を鍛える時間が取れないくらいなら、塾通いは4年生になってからにした方がよいです。
中学受験において最も大切なのは、低学年のうちから、時間をフルに使って、勉強を詰め込むことがないようにすることです。
■ 中学受験の入塾テストとは?
■中学受験の入塾テストいつ受ける?
中学受験の進学塾の入塾テストは、3年生の1月までに受講することをオススメします。
前述の通り、進学塾のカリキュラム2月から開始されます。そのため、入塾のタイミングを2月に合わせると良いでしょう。
■中学受験の入塾テストで目指すこと
中学受験の入塾テストで目指すことは、できる限り上位のクラスでスタートすることです。
特に、関東最難関の開成・関西最高峰の灘及び、御三家と呼ばれる中学校を目指すのであれば、最上位クラスでスタートをすることで、今後の受験が有利になります。
■中学受験の入塾テストで、なぜ上位クラスを目指すのか?
中学受験の進学塾では、定期的にクラス分けのテストが開催されます。
重要なことは、クラス分けのテストは、全クラス共通のテストを受けるという点です。
一方で、授業の内容はクラスごとに異なります。そのため、テストに出される学習内容に下位クラスの子は取り組んでいない内容が含まれてくるのです。
入塾テスト後に、下位クラスでスタートしてしまうと、上位クラスに上がることが難しくなるため、できる限り入塾テストの点数を上げて、上位のクラスに入ることが重要になります。
■中学受験の入塾テストの裏ワザ
実は、入塾テストは複数回受験することが可能です。
そのため、3年生の10月以降、入塾テストに何度かチャレンジし、希望のクラスに入れなかった場合は、一度見送って、入塾テストを受け直すこともできます。ただし、お子さんの実際のレベル以上のクラスを無理に目指してしまわないように注意は必要です。
■中学受験の入塾テストに向けて、どのように勉強すればよいか?
学校で習う勉強が完璧にできていて、学校のテストがいつも満点でも、入塾テストで上位になれるわけではありません。。
中学受験の進学塾の入塾テストで高得点を取るには、そのための準備が別途必要です。
【中学受験に向けて 3年生の普段の勉強】
入塾テストで高得点を取るために、普段の勉強は、「教科書準拠ワーク(株式会社文理)」と、「自由自在 小学3・4年生(受験研究者)」を併用して使いましょう。
入塾テストの教科は、国語と算数ですので、勉強するのも国算の2教科です。
目標は、自由自在の小3部分が3年生の夏休みで終わることを目指してください。
一気に消化する詰め込み学習をするのではなく、毎日各教科1ページずつ進めるくらいで計画を組むと、お子さんの頭にしっかりと定着していきます。
また、これと併用して朝学習の時間を設け、計算学習と漢字・語句の演習に取り組んでください。
算数については、計算力を上げることを優先しましょう。入塾後の問題処理スピードが飛躍的に上がり非常に有利になります。計算については、四則混合計算まで、どれだけ先取りしても構いません。
国語の漢字語句も疎かにしてはいけません。入塾後の長文読解はもちろんのこと、算数の文章題や理科・社会の理解力にも直結するからです。
【中学受験進学塾の入塾テスト直前2〜3ヶ月前の勉強】
普段の勉強とは別に、入塾テストに向けた特別な対策に、入塾テストの2〜3ヶ月前から取り組みましょう。
入塾テストを想定した問題を解きながら、「テスト」の受け方についてお子さんに教えておくことも大切です。
入塾対策の問題集には下記のようなものもありますので、併用してください。
中学受験 入塾テストで上位クラスに入るスタートダッシュ[算数](青春出版社)
中学受験 入塾テストで上位クラスに入るスタートダッシュ[国語](青春出版社)
■ 【中学受験の費用】中学受験中の費用はどれくらいかかる?
中学受験を検討するご家庭にとって最大のハードルが、「費用」です。
中学受験と聞くと、世間一般には「生活に余裕があるご家庭しか挑戦できない」というイメージが未だ強いと思います。
具体的に中学受験には、どのくらいの費用が求められるのか?をまとめます。
■中学受験をする4年生〜6年生までの3年間の費用
概算ですが、4年生と5年生の2年間で約100万円〜150万円、6年生の1年間の値段を見てみると、約100万円前後がかかります。
内訳を細かく、簡単に説明しますと…
国算理社4教科の授業を受ける場合、4年生は毎月の月謝が3万円前後、5年生は4万円程度、6年生で月謝が5~6万円かかります。
これとは別に夏期講習・冬期講習・春期講習・GW特訓などの長期休暇講習や、志望校別特訓などの特別講座があるため、受講する講座によって、中学受験の塾にかかる年間費用には幅が出てきます。
塾の費用とは別に、1年間で教材代が10万円〜30万円程度かかります。
■中学受験後の私立中学3年間の費用
当然のことですが、中学受験後にかかる費用も予め把握しておき、教育資金を計画的に準備することは求められます。
私立中学校にかかる費用は、学校によって学費の振れ幅がありますが、3年間で最低200万円〜300万円がかかります。
上記は学費のみとなりますので、修学旅行など他にも必要な費用が出てきますので、あくまで目安としてください。
各学校の学費については、各学校の学校案内にも掲載されておりますので、そちらも合わせてご参考ください。
■ 中学受験と高校受験の違いは?
中学受験と高校受験の大きな違いは3つあります。
1. 中学受験は、偏差値が低く出る
中学受験では、勉強に力を入れているお子さんのみを集めて、偏差値を計測することになります。一方高校受験では、公立の中学生全体から偏差値を割り出すため、成績の高いお子さんと、そうでないお子さんの差が大きく開きます。そのため中学受験の偏差値は、高校受験の偏差値と比較して10程度低く算出される傾向があります。同じ中高一貫校でも、中学受験での偏差値が低く、高校受験の偏差値は高くなるのには、このような背景があるからです。
2. 中学受験の試験の難易度は高い
一般的に、中学受験の試験は高校受験の試験と比較して難易度が高いと言われています。
私立中学の試験では、学校に通っている知識だけでは解けない問題が多く出題され、進学塾に通い、中学受験専門の対策を行っていないと解くことができません。
一方公立の高校受験は、学校範囲の問題から出題されるため、私立中学校の試験問題と比較すると難易度は低めになると言われています。
(ただし、中学校と高校では学習レベルが違うため、こちらは、あくまで参考程度の情報です。)
3. 中学受験では「内申点」が重視されない
私立中学受験と高校受験の最大の違いは「内申点」が重視されてないという点です。
中学受験でも、学校にきちんと出席しているか?などの生活態度は一定量チェックはされますが、基本的には試験の出来によって合否が判断されます。
一方の公立の高校受験では、中学校から出される内申点に試験内容を加味して、合否の判定がされます。(ただし、中学受験と同様に、私立高校の受験では内申点は重視されません。)
中学受験をしても高校受験はするのか?
基本的には、中学受験をしたご家庭は高校受験をすることはありません。
ただし、お子さんに合ったより良い高校へ転向される場合など、珍しいケースではありますが一部、中学受験と高校受験を両方されるご家庭もあります。
■ 中学受験をすると大学受験は、本当に有利になる?
中学受験をすることで、大学受験で有利になりますか?という質問がよくあります。
中高一貫校では、高校受験に割く時間が必要ではないため、中高の6年間をフルで大学受験に使えます。
また中学校のカリキュラムも大学受験を想定した内容となっており、早くから大学受験に向けた勉強が始まります。このような背景から、中学受験をすることは、大学受験に対しても有利になります。
■ 去年(2022年2月〜2023年2月)の中学受験の傾向とは?
去年(2022年2月〜2023年2月)の中学受験の傾向についてお話します。
2023年の中学受験は、人気私立中学の競争率は依然として高いままで、確実に得点を抑えることができるお子さんだけが合格できる厳しいものでありました。
それと同時に、お子さんの根本的な理解を問う問題が増加しており、塾に通って勉強しているだけでは、どうしても解くことができない試験問題が増えたことも、2022年からの「理解力」を問う傾向が維持されており、今後も、この傾向は強まる可能性が高く、中学受験に挑戦するご家庭は注意が必要です。
詳細は下記のとおりです。
2023年「入試試験問題」は、なぜ「塾に通うだけ」では解けなかったのか?
2023年の中学入試の傾向として、入試制度改革で大学入学共通テスト導入されたことに合わせ「思考力」を問う問題を出す学校が増加しました。
知っていなければ解けない問題、閃かなければ解けない問題は減少し、反対に手を動かして考える問題、対話形式の問題も増加しています。
わかりやすい例として、早稲田実業の試験問題では、22年・23年と連続して、「公式の成り立ちを問う問題」が出題されています。
学校教科書、指導要領の変更を反映した出題(早稲田実業)や、コンパスで作図をする問題(市川)など、「塾ではまず扱われない問題」も増えており、科目の基本をしっかり学んでいるかを中学校側が重視していることがわかります。
2023年の中学受験の試験を見ると、通り一遍の暗記学習だけでは、合格することができない傾向が2022年から引き続き強くなったと言えるでしょう。
また、これと、同時に、直近の世相を反映した問題も増えています。
世相を反映した代表的な受験問題は下記のとおりです。
- ○ SDGs、教育格差(22年武蔵)
- ○ ジェンダーの問題を扱ったもの(22年開成)
- ○ 日本の移民問題(22年麻布)を扱ったものなど
2023年中学入試から紐解く 人気の私立中学校とは?
2021年入試はコロナの影響で受験率が下がると見られていましたが、予想に反して受験率は上がりました。この傾向は2023年現在まで続いており、関東の受験人口は過去最大を記録しました。
この背景には、緊急事態宣言の中での学校の対応力の高さなど、私立中学校の教育体制が再評価されたこともあります。
そのため人気校は依然として競争率が高くなっています。
手堅い受験戦略をとる家庭が増えており、GMARCHなど付属校の人気が年々高まっているのも現在のトレンドです。
※ GMARCHとは
学習院大学(G)、明治大学(M)、青山学院大学(A)、立教大学(R)、中央大学(C)、法政大学(H)の略称。
また、2023年の中学受験の人気傾向として、英語教育・理数教育への注力していることが周知されている、豊島岡、雙葉、女子学院の人気も急増しました。
■ 今年(2023年2月〜2024年2月)の中学入試の傾向は?
全体を通して、2023年度までの中学受験のトレンドが維持されると見て、間違いありません。
特に首都圏、東京の中学受験率は大きく下がることはまずありません。
同じく、関西圏も中学受験の人口が下がることはないでしょう。
当然、人気の私立中学校の競争率は依然として高いままになるので、当日の試験で確実に点数を取れるためにも、傾向に合わせた準備が必要です。
特に、難関校で年々強くなってきている「お子さんの思考力を問う問題」については増加の傾向が更に強くなることが予想されます。
これは難関校以外にも波及する可能性が高く、中堅校でも対策が必要です。
難関校については、2024年の中学受験では、さらに理解・思考を問う問題を出題する傾向が強くなることが予想されます。
「公式の成り立ちを問う問題」など、「知識詰め込み・暗記に頼ってきた学習」の子どもをふるいにかける問題が増加するため、普段の学習から「なぜ、そうなるのか?」を理解しながら学習を進めることが、2024年の中学受験の合否を分けるといっても過言ではないでしょう。
また2023年の中学入試から、学校指導要領の変化に対応し、学校教科書の内容の出題をする学校が増加の傾向が強まっていることにも注意してください。この点については、中学受験の進学塾の従来のカリキュラムでは対応できない分野が存在していることを意識して学習を進める必要があります。
また、SDGsや社会問題を扱った出題も、引き続き多くなる見込みです。
社会問題系の出題については、特に「自分ごととして捉えられているか」という視点が重視されていますので、ただ知識と知っているのではなく、「その社会問題について、どう感じているか?自分の周りにどのような取り組みがあるのか?」レベルまでの理解が求められる点に注意して学習を進めましょう。
人気の私立中学校の競争率が急激に下るということは、まずありませんが、新設校人気傾向については別途注意が必要です。
新設校については、話題性、SNSのなどの情報に翻弄されると受験計画がリスクさらされることに注意してください。例をあげますと、2023年の芝国際の倍率が高騰し、学校の対応が間に合わず、合格発表の遅れなどが見られました。このように話題の新設校は、予想以上に人気が殺到することも容易に予測できますので、選択の際には注意が必要です。
■2024年の中学受験の入試本番の日程(暫定)
2024年の中学受験の入試日程については現段階では未発表となっております。
ただし、中学受験の試験は毎年決まった日程で開催されているため、例年通りであれば、下記の通りの日程になる可能性が高いです。
- ・12月〜1月上旬:中国、四国地方入試開始
- ・1月第2or3土曜:関西入試解禁日
■関西
- ・1月中旬:埼玉、千葉県入試開始
- ・2月1日:東京、神奈川入試解禁日
■首都圏
【関東入試の日程例】
2/1実施の中学校男女御三家・渋谷教育学園渋谷・他おもな難関校の1回目入試など
2/2実施の中学校青山学院・豊島岡女子学園・白百合学園など
2/3実施の中学校慶應義塾中等部など
試験日程については、確定次第、更新していきます。
詳細な試験日程に関しては、各中学校のホームページをご確認ください。
■ 【まとめ】中学受験とは?お子さんの理解を大切に伸ばし、親子で挑戦するもの
少子化・コロナ禍の中でも、中学受験の人気は衰えることなく、反対に中学受験の受験希望者は2023年現在もなお、増え続けています。
中学受験をする最大のメリットは、お子さんが一生涯使える正しい学習習慣を早く身につけることができ、かつ、お子さんの個性に合わせた中学校を選択することで、今後の学習環境をより良い物にできる点です。
私立中学校の試験自体が、年々「理解力・思考力」を重視する、社会に出て仕事でも活躍できるような高い能力をお子さんに求めていることから、「ただ暗記するだけの学習」では、現在の中学受験には対応することは難しくなっています。
そのため、ただ勉強をやらせるだけでなく、「なぜ、そうなったのか?」仕組みをしっかりと理解する本質的な学びが2023年現在の中学受験では、重視されています。
そして、お子さんが、ただ塾に通うだけでは、このような能力は育てることはできません。
親子ともに「理解することを大切」にできるかどうかで、中学受験の合否が別れるといっても過言ではないでしょう。
簡単なことではありませんが、お子さんの理解を大切にすることができれば、「合格する」ことだけにとどまらず、中学受験のメリットは計りしれないほど大きなものとなります。
ぜひ、この記事をきっかけに、お子さんの「中学受験」について、改めてじっくりと考えていただければと思います。