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学力と得点力の違いとは。その力をつけるために、家庭でできること

学力と得点力の違いとは。その力をつけるために、家庭でできること
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中学受験を成功させるために大切なことの1つに、学力と得点力、両方をつけていくことがあります。
今回は、それぞれの力の違いと、学力と得点力をつけるためにご家庭でできることについて考えてみたいと思います。

「学力がある=得点力がある」ではない

学力とは、知識の量と、その断片的なバラバラの知識をつなぎ合わせる力です。
そして得点力とは、設問に対して正解を出す力のこと。
これは学力を基礎としています。

多くの人は「学力が上がれば、試験の点数も上がる」と考えがちですが、実はこれは大きな間違いです。

学力は、自問自答して思考を深めることでついてくるものです。
これは短期間でつく力ではないので、できるだけ早くから学力をつけていくように意識しながら勉強をするようにしましょう。
一方、入試本番での得点力を上げるには、6年生になってからでも間に合います。
得点力は、学力を基盤にしているので、それまでは学力をつけることに集中してください。
得点力は、学力を超えることができないからです。

時々、「この中学校にさえ合格できればいいので、その傾向に合わせた対策をしてください」という依頼がありますが、学力がその学校のレベルに届いていない場合、これはかなり難しいことです。
学力が上がらなければいくら対策をしても、得点力が上がらないからです。

学力をつける「自問自答」を促す声かけとは

では、学力をつけるにはどうしたらいいのでしょうか。
まずは、問題を読みながら「ここまででなにがわかっているのか」「なにを聞かれているのか」と自問自答しながら考えていくようにする習慣をつけましょう。
自問自答しながら自分の頭で考えることで学力は伸びます。
これは、すでに習っていることをどうやって使うのか、どうしたら正解にたどり着けるかを全力で考えることでもあります。
頭の中の「引き出し」から必要な知識を取り出す訓練をたくさんしてみてください。

まずはお母さんが笑顔で「この問題では、何を聞かれているのかな?」と聞くことで、そこから少しずつ、考えさせる習慣を身につけさせてあげましょう。
お子さんが解けなくて困っているときには「なにを書けば解けそうな気がする?」と自分に問いかけることを教えてあげてください。
この自問自答をするときは、「わかっていないのにわかった振りをしない」ことが大切です。

  • 「なにがわかっているの?」
  • 「この問題では、なにを聞かれているの?」
  • 「何をかけば解けそうな気がする?」
  • 「同じ問題が出たら、もう一度解ける?」

などの声かけをご家庭でも積極的にしてみてください。
できるだけ早い時期に自問自答できる習慣をつけておくと、お子さんが自分で学べる力をつけることができます。

得点力をつける方法①問題文を正確に捉える

得点力とは、自分の中に蓄えた知識とそのつながりを利用して、設問に対して正解を出す力です。
入試問題はすべて文章なので、まずはそれを正確に読み取ることが必要です。
読み飛ばすことなく、一文一文を理解しながら着実に読んでいくようにしましょう。
問題文を流し読みして問題の条件を読み逃したり、内容を勘違いしたりしないように気をつけなければなりません。
雑な読み方が原因で、得点が伸びないケースは少なくないからです。

試験中に問題を音読することはできませんが、普段の家庭学習では、問題を音読することはおすすめです。
音読する声をだんだん小さくしていき、囁くように音読できるようになれば、テストでも声を出すことなく正確に文章を読み取れるようになります。
私はこれを「ひそひそ音読」と呼んでいて、とても効果があります。

家事をしながらでもいいので、お子さんの音読を聞いてあげてください。
その時に、文章を正しい音節でうまく区切れているかどうかを注意して聞くのがポイントです。
音読がスムーズになると黙読のスピードも上がるとともに、読み飛ばしも減ってきます。音読は、耳と目から情報を取り入れる訓練です。
積極的に取り組みましょう。

得点力をつける方法②知識や解き方を総動員する

難問を前にして、最後まで自分の持っている力を出そうとする粘り強さも、得点力をつけるためには重要になります。
これまで蓄えてきた知識や解き方のノウハウをさまざまなパターンで組み合わせて、なんとか正解に近づけるよう努力しましょう。

無言でじっとしていても思考は動きません。
手を動かして書くことで考えがまとまってきます。
これは先述した「なにを書けば解けそう?」という自問自答の訓練を兼ねてご家庭でもアドバイスしてあげてください。

得点力をつける方法③なんとか解こうと工夫する

初めて取り組む難問を「これは習っていないからできない」と諦めるのではなく、「あの解法とあの解法を組み合わせたらできるかも」と工夫して解こうとすることが大切です。
同じことを「こうしたら解けるよ」と教えたとき、「その解き方はほかにどんな問題で使えるの?」と考えるのが得意な子(HOW思考)と、「なぜその解き方で解くことができるの?」と考えるのが得意な子(WHY思考)がいます。
工夫する力、すなわち応用力とは、これまでに習った知識をHOWとWHYの双方向から組み合わせていく力です。

家庭学習をしているお子さんの横で「それはどのように使うの?教えて」(HOW)と、「へえ、なぜそうなるの?お母さん(お父さん)にも説明して」(WHY)と笑顔で聞いてあげてください。
お子さんが工夫する力、つまり得点力につながります。

この記事を書いた人
主任相談員 辻 義夫 主任相談員 辻 義夫
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