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算数の「三大つまずき領域」対策に家庭で取り組む方法とは

算数の「三大つまずき領域」対策に家庭で取り組む方法とは
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小学生の高学年になると算数がどんどん難しくなります。
5年生では「割合」、6年生では「比」と「速さ」という、小学校の最重要単元の御三家がそろうわけですが、これらは算数の「三大つまずき領域」といわれています。
今回は前編として、つまずきやすい領域の1つ、「割合」の感覚を家庭で養う方法を紹介します。

算数の「三大つまずき領域」は中高につながる大切な単元

この算数の三大難関は算数の中でも「最重要単元」とされています。
その理由は中学・高校の数学、物理、化学、生物とその後の全ての理数系の教科に関わってくることになるからです。
きちんと小学生のうちに基本を理解していないと、あとで取り戻すのにかなりの時間が必要になります。

中1の数学を見てみると1学期では正の数と負の数の計算、XやYを使った計算問題など、今までに扱ったことのないマイナス数字や文字を使った計算が出てきますが、この時点ではさほど問題ではありませんし、つまずく子も少ないでしょう。
続いて一次方程式の計算も出てきますがこれは機械的に数字を当てはめるだけなので、さほど問題ではありません。

しかし2学期になると学習レベルが急に上がります。
まずは1次方程式を使って解く文章題が始まるのですが、その中の代表が「濃度問題」「売買損益」「速さ」になります。
これらの問題を解くには小学生の「割合」「比」「速さ」がきちんと理解できているかどうかが重要になってきます。

小学5年生の「割合(売買損益)」の問題

実は中1の2学期に出てくる「売買損益」の問題は、中学受験での必須単元となっており、小学5年生で学習します。
「売買損益」の問題は「割合」をきちんと理解していないと解くことができません。
実際にどのような問題なのか見てみましょう。

例題

仕入れた商品に4割の利益を見込んで定価をつけましたが、売れなかったので、その2割引きで売ったら、480円の利益がでました。
商品の仕入れ値はいくらですか?

中学生であればXを使って計算しますが、小学生は方程式を使えないのでXを1に置き換えて解きます。
参考書の模範解答的な解き方をご紹介します。

解答

仕入れ金額を1とすると、

math_191101.png

となります。

実戦的には分数計算でのミスや勘違いを防ぐため、仕入れ値を100と置き、

定価=100×(1+0.4)=140

売値=140×(1−0.2)=112

利益=112−100=12

として計算し、

⑫=480円

①=40円

100=4000円

とすることが多いですね。

割合の感覚を家庭で身につける方法は

「割合」は日常生活の中で養われる「感覚」がとても大切です。
塾では学習として「割合」の勉強をしていくものの、あくまで学習として理解をするためのものであり、「感覚」を身につけるための学習ではありません。
そのため家庭でどれだけ日常的に「感覚」をつかむ経験をしてきたかどうかが大きな差につながります。

例えばスポーツ好きの家庭の場合、親子で野球やサッカーなどで打率やゴール率の話をしてもいいでしょう。
好きな選手の打率やゴール率などでもいいですし、子どもが野球をしている場合などは子どもの打率計算をしてみてもいいかもしれません。

買い物であれば「30%引きセールということはこの商品ならいくらで買える」という会話や計算をしながらセールでのショッピングを楽しむのもいいでしょう。
たとえばスポーツをしない女の子には、ショッピングの方が向いているかもしれません。

子どもの好みに合わせたものを取り入れて割合の計算をすれば、感覚も育ちやすいでしょう。
これは中学受験をする、しないにかかわらず家庭で取り入れたい習慣ですね。

買い物は絶好の割合学習の場

買い物は日常的に「割合」の感覚を養う最高の機会です。
洋服のセールなどの特別な買い物だけではなく、毎日のスーパーでの買い物などで消費税を計算したり、割引商品の計算をしたりして、親子でお買い得に買い物をすることならば続けられるのではないでしょうか。

あくまで勉強としてではなく感覚をつけるためのものなので、「計算しなさい!」「どうしてできないの?」など、いっしょに買い物に行くのが嫌になってしまうようなやりとりいけませんね。
「これだといくらになるのかな」「これってお買い得なのかな」など、親が子どもにたずねてみましょう。
子どもは、いくらになるのか一生懸命計算してくれるかもしれません。

日常生活で感覚を育てるということは「割合」だけではなく、「比」や「速さ」に対しても同じことです。
数字の計算だけではなく、これらの感覚を養う機会をぜひ家庭で取り入れてみましょう。

小学生高学年でぶつかる算数の「三大つまずき領域」である「割合」「比」「速さ」はその後、中高でも全ての理数系につながるとても重要な単元です。
しかし日常生活にその単元の要素の感覚をつかむ習慣への取り組みを行うことで、子どもにとってこれらのつまずきやすい単元は、ぐっと身近になります。

特に「割合」は日常の買い物などで感覚を養うことのできる、生活に密着した単元です。
親子で楽しく感覚を身につけられるように、毎日の買い物の習慣にしてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人
主任相談員 辻 義夫 主任相談員 辻 義夫
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