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幼児期や小学校低学年に、算数に必要な概念を「身体感覚」として身につける方法

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お子さんが中学受験を目指す上で、親御さんとして最も気になる科目の1つが算数だと思います。
特に幼児期から算数に必要な概念を身体感覚として身につけることは、とても大切なことです。
ここでは、十進法の前にまず「5」の概念を体験することや、生活の中で養える数字感覚についてお伝えします。

まずは「5」の概念から

十進法と同じくらい大切なのが「5」の概念です。
1〜5の数字を使って、数の概念そのものや「1対1」で対応させることなどを理解させるようにしましょう。
ここでいちばん大切なのは「6」は「5の次」だけではなく、「5と1に分けられるもの」としてとらえる感覚です。頭の中で常に「5」をひとかたまりとして考える習慣を身につけさせてあげるといいでしょう。

片手の指が5本ですから、「5」という単位は子どもにとってわかりやすい単位だと思います。
十進法の前にこの感覚を生活体験から養っておくといいでしょう。
算数の学び始めにとても役立つと思います。

「6は、5と1だ」「5は4と1に分けられる」「3と2に分けることもできる」「2が5になるにはあと3」など、5本の指を使ってもいいですし、幼児期の遊びなどで身につけておくと算数力の土台になります。

もし幼児期のそういった体験が少なくて、小学校に上がっても理解度が低いと感じても心配する必要はありません。
低学年のうちに一緒に教科書を読みながら、算数セットを使って遊びながら、理解をサポートしてあげたらいいのです。

「5」の概念をしっかり身につけてから、十進法、たし算、ひき算、さらに繰り上がり、繰り下がりなど順を追って進んでいくことで、算数の理解もスムーズになるでしょう。

 10以上の計算の考え方

1年生の2学期には、「9+3」というような、10以上になるたし算が出てきます。
両手の指以上になるので「指折り数える」というやり方では対応できなくなります。
このときにわかっておかなければならないポイントは2つ。

・9はあと1で10になること
・3は1と2に分解できること

学校の教科書には、「10個入る卵のパックに、片方には9個、もうひとつのパックには3個の卵が入っているイラスト」が載っています。
ここで教えたいのは「9+3」というたし算の考え方なのですが、「9個入っているパックは、あと1つ分空いている」ので、「3個入っているパックから1つ、卵を移す」ということ。

すると片方のパックは1つ増えて10個になり、もう片方は1つ減って2個になります。
これで、一目見て「12個ある」ということがわかります。

こうしたことを繰り返し、何度も習うことで、子どもは十進法を理解していきます。
授業で初めてこの考え方に触れたとき、最初は戸惑うことがあるかもしれません。
だからこそ、小学校入学前に、実際に卵のパックを見たり、触ったことがあればわかりやすいと思います。

お母さんのお手伝いもどんどんさせてあげてください。
卵なら、スーパーから買ってきたパックから、冷蔵庫の卵ポケットに移すというお手伝いでいいのです。
「卵を割らないようにそーっとね!」と遊び感覚で声をかけてあげると、子どもはそれだけで楽しそうに卵をそっと持って移動させます。
そんな日常の生活体験をたくさんさせてあげることが算数の基礎力になるのです。

ひき算の解き方もいろいろある

ひとつの問題にもいくつかの解き方があることを知るのも、子どもの算数力につながります。たとえば、以下のような問題。

質問
Aくんは35円持っています。19円買い物をしたら、残りはいくらでしょうか。


35−19=16

答え
16円

とてもシンプルな問題ですが、計算方法はいろいろあるのです。
これは実際に子どもと一緒に硬貨を使って、数えてみてもいいでしょう。

まずひとつめは、35円を10円玉2枚と1円玉15枚と考えて、そこから10円玉1枚と1円玉9枚をひく方法。
ほかには、35円を10円玉2枚、5円玉2枚、1円玉5枚と考えて、そこから19円をひく方法、また、1円玉20枚から19枚を取り除いて、あまっていた15枚を合わせるという考え方もできます。

このような考え方は、机の上に座っているだけでなく、実際に硬貨を使って経験することで鍛えられていきます。

身近なもので数字に対する感覚を養う

このように硬貨など身近にあるもので、実際に数を数えたり、比べたり、足したり引いたりすることで、子どもの数字感覚が養われます。
一緒にスーパーの買い物に行ったとき、レジでのおつりのやりとりを子どもにやらせてみてもいいですね。

「できるだけ小銭を減らすような工夫をしてね」とお題を出すと、子どもは一生懸命考えるでしょう。
小学生になったら、ひとりでスーパーやコンビニにおつかいに行かせてもいいかもしれません。
いくら渡して、おつりがいくらだったのかを帰ってきてから子どもに説明させましょう。

お金のやりとりだけでなく、たとえばボードゲームなどで数字感覚を育むこともできます。
「サイコロを2回ふって、出た目の合計分だけ進める」など、遊びの中で数を足したり引いたりするので、子どもも楽しめるでしょう。

「算数の勉強になるから」だけでなく、子どもが楽しみながら自然に数を学べるような身体感覚を使った体験を、たくさんさせてあげてくださいね。

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