中学受験情報局『かしこい塾の使い方』

新型コロナウィルスによる一斉休校、ピンチをチャンスに変える家庭での過ごし方

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公開: 最終更新日:2021年07月13日

新型コロナウイルスの感染拡大で学校が休みになって、本当にお困りのご家庭は多いと思います。
この時間に、どういうことをご家庭でお子さんやらせればいいのか、というご質問もたくさんいただいています。

ここでは、そのお話をしていきたいと思います。

学校、塾が休みになって、ホッとしている子も多い

子どもにとっては、学校が休校になり塾も休みになって、たくさん時間ができます。
これまでできなかったことがあり、宿題でアップアップだったのが、なんとかなりそう、と実はホッとしている子も多いでしょう。

ふだんは、やはり通塾と塾の宿題で(特に6年生は)かなり多忙な状態でしょうから、この時間を上手に利用してお子さんの家庭学習を充実させる方に持っていくのがいいですね。

そこで注意したいのは、時間があるからとふだんできないゲームなどに時間を費やしてしまうことです。

いちばん重要なことは、生活のリズムをこれまで通りにすること。
朝はちゃんと早く起きる、寝る時間がきたらちゃんと寝る、そういったことです。

親としては、やはり勉強のことが気になる

お母さんとしては、お子さんの学習が気にかかることと思います。
でも、プリントをたくさん渡して問題をたくさん解かせる、というのもちょっと違うかなと感じておられる方も多いのではないでしょうか。

学校や塾の授業がない(塾の方は映像授業を配信している場合もありますが、やはりライブでの授業とは大きく子どもの感じ方が違うようです)ので、解説を聞くチャンスがなかなかありません。

だから、お子さんが自力で解ける範囲、レベルがどのくらいか見極め「ちょっと頑張ればできる」くらいの問題を解かせるのがポイントです。
また、まとまった量をドサッと与えると、思うように進まないと思います。

アプリ、映像授業… さまざまな学習ツールを上手に利用しましょう

今は無料で使えるタブレット用の教材、無料で提供されるpdfファイルの問題やアプリなども多く、この突然の休校に対応するために出版社が無料でテキストや問題集の一部を公開しているものもあります。

私たちが「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」の企画や出版のキャンペーンなどで撮影した学習用のさまざまな動画も公開していますから、ぜひ利用してみてください。

テキストを読んで問題集に取り組むという勉強も、もちろん大切で有効です。
この休校を、自分で勉強する練習のいい機会と捉えてチャレンジするというご家庭もあると思います。

ぜひ、いろんな問題集、参考書などをお子さんと一緒に書店で選んでみてください。

(主任相談員 辻義夫先生による問題集選びの動画はこちら

新中1生が気をつけたいこと

新中1生、つまり今の6年生はちょっと注意が必要です。

6年生は、まさに卒業式前の時期でした。
この時期に小学この授業で行われる内容の中に、もしかしたら中学校の内容に関連するものがあるかもしれません。
春休みまで休校になってしまうと、これが小学校で行われない危険性があります。

具体的には、文字を使った式(xや yを使った式で表すもの)など、中学校の「文字式」のさわりにあたるものです。

これをまったく経験せずに中学校に上がると、思わぬところで足をすくわれかねません。
小学校で習う算数と中学校以降で習う数学では、ちょっと頭の使い方が違うのです。

小学生に多いのが「りんご・みかん」で書かれている問題なら解けるのに、それが別のものに変わると解けなくなってしまう子です。
そこまでではなくても、数学では「りんご・みかん」がいきなり「x ・ y」に変わってしまいますから「数学は算数の延長線上の科目」を思っている子はつまずきやすいのです。

ぜひ中学校が始まるまでの期間に「文字を使った式」の単元を学習しておくことをおすすめします。

子どもへの「関わりすぎ」に注意

専業主婦のお母さんは、思わぬ時期にお子さんと長時間家で過ごすことになりました。
親というのはどうしても、子どもを見ていると欠点が目についてしまうものです。
ふだんは学校に行って「見えない」時間までお子さんと一緒にいるとなると、どうしても口うるさくなってしまいがちです。

意識的に、親が関わる時間と子どもに任せる時間を分け、ちょっと気持ちが苦しくなったら物理的にお子さんから距離を置く、といった工夫が必要かもしれませんね。

よく言われる「6秒ルール」というものを実践するのもいいでしょう。
お子さんと接していて、怒りの感情が出てきたら「とにかく6秒待つ」というものです。
正確に6秒でなくてももちろんいいのですが、ひとまず数秒間黙ってみることで気持ちが落ち着き、感情任せに接してしまうことを防ぐことができます。

このように、お子さんが家に長くいる期間を、子どもの自立を促すチャンスだととらえて
みるようにしましょう。

共働きのご家庭も、子どもと話をするチャンス

一方で、共働きで仕事を休むわけにもいかないというご家庭もたくさんあると思います。
子どもだけで過ごす時間が長くなり、心配や不安もあるでしょう。

お子さんにしても、なんとなく刺激のない一日を過ごしてしまいがちです。
かといってむやみに外出するわけにもいかず、お子さんもストレスを感じると思います。

それを解消するために、夕食時間などにふだんよりも話す時間を意識的に長くしてみてはいかがでしょう。
その日あったことを、お子さんにたくさん喋ってもらうのです。

また親御さんが留守の間は、スマホのコミュニケーションツールやメールなどで連絡をするなど、いろいろ工夫は考えられそうです。

この記事が配信されるころには、ご家庭ごとに様々な工夫を実践されていると思います。
ママ友などと連絡を取り合う習慣がある方は、ぜひそのような情報交換もしてみるといいかもしれません。

休み期間中の塾の宿題は

塾の休講期間中、宿題が出ているケースも多いと思います。
塾としては、年間カリキュラムを止めてしまうと指導予定が崩れてしまいます。
だから映像授業などで、休み期間の授業を補完する塾もあります。

ただ、やはりどうしても映像授業だけで理解するのは難しいケースもあると思います。

そこで解けなかった問題、わからなかった問題にチェックを入れておくことが大切になります。
塾が始まったら、忘れずに先生に質問するためです。
家庭教師や個別指導教室を併用されている方はそこで質問し、必ず解決しておくようにしましょう。

新小6のお子さんは、これまでに積み残した単元や理解が不十分と感じている分野について、しっかり復習できる絶好のチャンスともいえます。

動画を参考に、この休み期間をチャンスできるよう、ぜひ実践してください。

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