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子どもが本来持っている力を引き出すのは「完璧な親」ではない

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公開: 最終更新日:2021年07月19日

「完璧な親でいなければ」
「習い事はたくさんさせたほうがいい」
「よりよい教育を」

と、真剣に子育てを考えるあまり、「正直、子育てがしんどい」と感じた経験がある方は、意外に多いものです。
でも、少し肩の力を抜くだけで、親が楽になるだけでなく、それぞれの子どもが本来持っている力を最大限に引き出すことができます。
それはどういうことなのでしょうか。

パーフェクトな親はいない

長年、たくさんのお父さん、お母さんと出会ってきましたが、どの方もみんな一生懸命で、真面目だという印象を受けます。
特に子育てに関して、よりよい親を目指しているからこそ、なかなかうまくいかない、という悩みを持っている方が多いようです。

子どものころから激しい競争をくぐり抜け、がんばってきたからこそ、自分に厳しい人が多いとも感じます。
きっとたくさんの努力をして、結果を出してきたのでしょう。
子育てに対しても同じで、わが子を取り巻く環境を万全にしたい、という思いを持っておられる方が多いようです。

すべての経験が子どもの栄養になっていく、という考え方

でも、よりよい子育て、よりよい教育をと親が「理想的な環境」を整えすぎてしまうと、子どもは想定外の出来事に対応できなくなってしまいます。
子どものためを思ってやっていることが逆効果になってしまったり、子どもが窮屈に感じてしまうこともあります。

そこで、少しくらい親として至らないと思うことがあっても、「それがその子の人生をより豊かなものにするためのエッセンスになることもある」と考えてみることをおすすめします。
いい経験、悪い経験、どちらも含め、すべての経験が子どもの人生にとって「栄養」になっていくということを、常に心の片隅に持っておいていただきたいのです。

子育てが思い通りにいかないと感じる日もある。
親として、うまくやれていないと感じることもある。
でも、毎日少しずつ、ほんの一歩ずつでもよいほうに変えていけたらそれでいい、とちょっとだけ肩の力を抜いてみましょう。

「ま、いっか。」で済ませることもあっていいのです。
いつもパーフェクトな親でいる必要はありません。

どの子にも「伸びるプログラム」が備わっている

これまでたくさんのお子さんを見てきましたが、どの子にも、順調に育ち、よい方向に伸びるプログラミングが備わっているという強い実感が私にはあります。
「親がなくても子は育つ」と昔から言われていますね。
しかし、親なら誰しも「そうは言っても、子どもが勝手に育つとは思えない」「親が教えてあげないと、子どもはなにもできるようにならない」と感じていると思います。

それが強すぎると、子育てへの焦りや不安が倍増し、つい子どもに対して支配的になってしまいます。
でも本当は、それぞれの子どもの性格に合ったやり方やタイミングを見極め、その子にとって適切な質と量の教育をするほうがいいのです。

「順調に育っていくはずだ」という子どもへの信頼

最近は、習い事の種類も多く、幼児期からたくさんの習い事をしている子どももいます。
習い事も勉強も、とにかく早く始めるほどいい、たくさんやらせるほどいい、という情報もあふれています。でも本当にそうなのでしょうか。

そんな情報に振り回されて親が焦ってしまうと、あれもこれも、早めに、もっともっと…とエスカレートしてしまいがちです。
その結果、子どもに合っていない習い事を無理にさせることになってしまったり、たくさんの刺激を子どもに与えることによって混乱し、本来その子が持っていたはずのたくましさやしなやかさが、息をひそめてしまいます。

その結果、「やる気のない子ども」「過剰に反応する子ども」を作ってしまうことがあります。
親がよかれと思ってやったことが、逆効果になってしまうのです。

もちろん、親が子どもにたくさんの選択肢を与えたい、さまざまなチャンスを用意してあげたい、と考えるのは自然なことです。
でもその大前提として、「順調に育っていくはずだ」という子どもへの信頼を忘れないでください。

親にできることは、子どもの声に耳をかたむけて、必要なときにサポートすることくらいだと考えるくらいで、ちょうどよいのではないかと思います。

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