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子どもの理系力をのばす、親にできる環境づくりとは

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公開: 最終更新日:2023年07月18日

お子さんの理系力を伸ばしていくのに、実は家庭環境が大きく影響しています。
親御さんの声かけや行動に、たくさんのポイントが隠されているのです。

とはいえ親御さん自身が
「理系が得意な子に育てないと!」
「子育てする中で間違いはしたくない」
など、空回りすることも避けたいですね。

お子さんへのプレッシャーや期待を押し付ける形にならず、効果的にお子さんの理系脳を育てるにはどのような方法があるのか、ここでは考えてみます。

子どもの学習習慣のおおもとになるのは「和やかな親子関係」

私は、理系に限らずお子さんの学習習慣を考えたときに最も大切なのは、「和やかな親子関係」だと思っています。

お子さんが好奇心いっぱいにのびのびと元気に過ごせることが、学習習慣のベースになっていきます。
お子さんにとっての安心と安全は、親御さんと過ごす時間の中で日々実感していくもの。
いつもゆったり落ち着いて、心配な事や不安な事があっても一緒に解決していけるという安心感は、親御さんとの関係性によってもたらされます。

両親が仲良くしているというだけで安心し、幸せな気持ちになります。
逆に親が喧嘩をしていたりすると、何も手につかないくらい不安の渦の中にいるような気持ちになるものですね。

多くのご家庭で、お母さんがお子さんと過ごす時間がいちばん長いのではないかと思います。
平日、お子さんのフォローをお母さんがするケースでは、お父さんはお母さんのフォローをしてあげたいですね。

助け合い、互いに役割分担をしながら、お子さんの成長を見守っていきましょう。

「なぜ?」「どうして?」という好奇心が理系の学力を高める

お子さんが理系科目が得意な子になるのに必要な事は「遺伝」だと思っておられる親御さんも少なくありません。
親御さんに理系の方がいる場合、もちろん考え方や生活の中でお子さんの理系力が養われるという側面はあると思います。
しかし一方で、遺伝がすべてを大きく左右する訳でもないと私は考えています。

では何が大切なのでしょうか。

それは、「なぜ?」「どうして?」と疑問を持ち、知りたい気持ちを養うことです。

幼い頃は、対象はそれぞれですが多くのお子さんが好奇心旺盛だと思います。
この興味や関心を、親御さんの力で大きく育ててあげればいいのです。

机の上での学習で「なぜ?」と疑問を持ち前向きに学ぶことができるお子さんは、幼いうちから沢山の経験や遊びの中で好奇心を養っている子が多いのです。

ただ幼いうちは、ことさら経験と学習を結びつけようとする必要はありません。
遊んだり楽しんだりする中で、自然に好奇心は養われていきます。

 子どもの好奇心との向き合い方

お子さんからの質問に、親御さんは必ずしも正解を答えなければいけない訳ではありません。

親御さんにもわからないことはあります。
そんなときは
「お母さんにもわからないから一緒に調べてみようか」
でいいですね。

家事やお仕事などで忙しい時間は、なかなか時間をとることが難しいですが、時間があるときに「何故だろう?→調べよう!→正解がわかった!」という経験をお子さんといっしょにできるといいですね。

こう考えると、お子さんの理系力を伸ばすのに、必ずしも親御さんが理系である必要はありませんね。
疑問やわからないことを、楽しく理解し発見していく環境づくりを親御さんは意識していただけるといいと思います。
それができれば、お子さんの好奇心は高まり、学ぶ事や知る事の面白さに気づいていきます。
そうした日々の積み重ねが、理系の力を養っていってくれるのです。

 子どもが集中力を伸ばす時

実はお子さんは、遊びや好きな事をしている時、さらにはだらだらと過ごしているように見える時にも学習し、成長していることがあります。
親から見ると無駄に過ごしているように見えることに興味を持ち、すごく真剣に取り組んでいることもありますね。

たとえばボールペンを分解して、バラバラにしているようなときです。
そのような様子を見ると、親御さんとしては「一体何をしているの?」「そんな事はいいから勉強してほしい!」と感じるかもしれません。

そのようなときこそ、一体何にそんなに集中しているのかお子さんをよく観察してみましょう。
お子さんの集中力をのばすヒントやチャンスが、そこにはあるかもしれません。

ノック式のボールペンをバラバラにすると、バネが出てきます。

「このバネはどんな働きをしているんだろう」
「ペン先を出すと戻らないようになるのには、どんな仕掛けがあるんだろう」
「うまく元通りにするには、どんな順序で組み立てればいいだろう」

こんなことを考えるとき、お子さんの思考力や想像力、集中力が鍛えられています。

ぜひ「何やってるの!?」と思ったときこそ、お子さんの様子を観察してみてください。

ご家庭の環境によって、なかなかお子さんとの時間がとれないなどとなると「時間を無駄にしたくない」というお気持ちになるのは仕方ないことだと思います。

いつもできることではなくていいと思いますので、上記のお話をヒントに、ぜひできる機会に試していただければと思います。

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