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中学受験する子どもが低学年のとき親がすべきこと

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公開: 最終更新日:2023年11月05日

中学受験に挑戦しようという場合、ご家庭での協力体制や学習環境などがとても重要になってきます。
親子関係や生活習慣も少なからず影響しているともいえるでしょう。
ここでは、中学受験の塾に通い始める小学校4年生までのあいだに、親ができる心構えについて考えてみたいと思います。

塾の講師、家庭教師の経験から感じること

 

私は35年以上、中学受験の専門家としてさまざまな家庭の子どもと関わっています。
最初は進学塾で子どもたちと向き合い、お母さん方の相談を受けながら、受験には家庭環境がとても大切だということに気づきました。

また、せっかく中学受験をするなら、ただ無味乾燥な受験勉強をするのではなく、子どもの今後の人生に役立つような学びに対する意欲や考える力を引き出したいと思い、進学塾の講師から独立し「名門指導会」という家庭教師グループを主宰するようになりました。
子どもたちの家庭に近づき、親御さんと一緒に家庭環境を高めるための取り組みをしていきたいという考えからです。

むずかしい問題を目の前にしたときの反応で家庭での日常が見えてくる

そうして家庭教師として接していくうちに、子どもの家庭の生活週間や環境などがリアルに見えてきました。
たとえば、少しむずかしい問題を目の前にしたとき、子どもの反応はだいたい3つのタイプにわかれます。

①解けなくてもなんとかしようと粘り強く考えるタイプ
②考えている途中で力尽きてしまい、解説や解答を待つタイプ
③すぐに「とりあえずの答え」を書くタイプ

①のタイプは、時間がかかっても、自分で考えて答えを導くよろこびを経験的に知っている子どもです。
親御さんから暖かく見守られ、また結果だけではなくそのプロセスが大事だということを家庭で教えられているともいえるでしょう。
もし現時点での成績があまりよくなくても、確実に伸びていくと思います。

②のお子さんは、自分で考える習慣がまだついていないのかもしれません。
そもそも意欲に欠けている場合もあるので少し注意深く見守ってあげてください。
もしかしたら「あれがしたい」と、家庭内で自分から主張する機会が少なかったのかもしれません。
教育熱心な親御さんであることも多いのですが、残念ながらプロセスより結果を重視しているところがあり、お子さんにもその考え方が伝わっているのかもしれません。

③のタイプのお子さんは、理解が早いともいえますが、本当の意味で考える力を求められたときに、うまく進まなくなってしまいます。
要領がよく器用で、受験のテクニックをうまく身につけて中学受験を突破してしまうこともありますが、実は、家庭の雰囲気に余裕がないケースもあります。
あまり考えずに「とりあえず」でやってしまう癖を、どこかで軌道修正する必要がありそうです。

大切なのは、結果よりプロセス

むずかしい問題があるとすぐに考えることを放棄してしまったり、とりあえずの答えを書いてミスが多くなることを避けるためには、やはり家庭での教育方針のようなものが重要になってきます。
小学校低学年までにぜひ「頭の使い方と考え方」が培えるように意識してみてください。

大切なのは結果ではなくプロセスだということも伝え続けましょう。
中学受験では、思考の筋道を立て、論理的に導いて答えを出せるような力をつけることが必要になります。
そのためには、子どもの学習意欲を引き出すような接し方や生活習慣など、「家庭での学習環境の質を高めること」を親が意識することが大切です。

「受験は結果」と思われるかもしれませんが、その結果を引き出すために、実はプロセスを重視して学習を進めることがとても大切なのです。

これからお子さんの中学受験を検討していきたいというご家庭は、ぜひお子さんが「考えるのが大好き」になるような環境を整えてあげていただければと思います。

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