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中学受験 「整理感覚」を身につけて、子どもの思考力を伸ばそう

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公開: 最終更新日:2021年07月21日

中学受験の勉強に限らないことですが、学習を効率的に進めて学びの結果を最大限にするには、整理整頓の感覚が必要といわれています。

今回の記事では、子どもの整理整頓をする力、すなわち「整理感覚」が、思考力につながることについてご説明します。
子どもが小さいころから整理整頓の習慣をつけることによって、どんなメリットがあるのでしょうか。

整理整頓のルールづくりを

子どもが小さい家庭では特に、リビングも子ども部屋も放っておくとすぐに散らかってしまうとお悩みの方が多いと思います。
また、子どもが後片付けをいやがり、「大人がやったほうが早い」とお母さんやお父さんが片付けることになる場合もあるのではないでしょうか。

もちろん、親が手本を示すことはとても大事なのですが、子どもが自分で考えながら身のまわりを整理整頓する習慣は、思考力を育むいい機会にもなります。
「子どもにやらせると時間がかかる」と感じる方もいるかもしれません。
それでも、子どもの片付けを大人が一緒になってフォローしてあげるようにしましょう。
ただ単に「見た目をすっきりさせる」のを目的とせず、子どもなりのルールを設けて、整理整頓する習慣をぜひつけさせてあげてください。

ふだんあまり使わないおもちゃは、多少出しにくくても箱の中にしまう。
そのかわり、よく使うオモチャは出しやすい場所に片付ける。
絵本は大きさをそろえて本棚にしまう。
シリーズになっている本は順番に並べる。お気に入りの絵本は取り出しやすいように手前に置く。
作りかけのレゴブロックはディスプレイを兼ねた置き場所を決めておき、続きにすぐにとりかかれるようにする。

こうした「ルール」を子どもと一緒に考えて決めていくことで、考えながら整理整頓する習慣につながっていきます。
チリひとつ落ちていない状態にするための完璧な掃除を目指すのではなく、散らかした本人が考えながら片付けることで、整理整頓自体が楽しくなるのではないでしょうか。

思考の整理整頓につながる

なぜそこに片付けるのか、ということを考えながら整理整頓する感覚は、思考の整理にも役立ちます。
たとえば内容が近い本同士を近くに置くように、人の記憶も内容が近いものが関連づけられていることがあります。
これは、子どものころから習慣にすることで、思考力や記憶力を育むいいトレーニングになります。
受験のときに、出題された問題を見て「これはどこかでやったような気がする」と感じ、その教科の先生の顔や黒板に書かれた文字、それを写したノートを思い出していくうちに、解法を思いつくということにもつながります。

受験勉強においては、国語でも算数でも、出題の意図を読み解くために問題文を整理して理解する能力求がめられます。
国語の論説文で著者が主張していることを理解するためには、内容を整理整頓しながら読むと、読み間違いが少なくなります。
算数でもひとつの問題で複数のプロセスを経て解答を導くタイプの問題は、思考を整理する必要があります。

そのためにも、部屋の片付けをするときに、「ただきれいにするため」に整理整頓するのではなく、「なにがどこにあるにかを把握する」「なぜそこに片付けるのかを子どもと一緒に考えて、ルール化していく」ということを心がけてみてはいかがでしょうか。

お子さんが小さい場合は小さいうちから、またもうすでに高学年であっても、上記のようなことを試してみる効果はあります。

お子さんの「整理感覚」を育めるよう、ぜひ親子で取り組んでみてくださいね。

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