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夏休みに取り組んで欲しいこと3選-お子さんのモチベーションを上げながら、理解を促進する方法-

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公開: 最終更新日:2025年07月17日

今回の動画では、中学受験を目指す忙しいお子さんとそのご家庭にもぜひ取り組んでいただきたい、夏のイベントや取り組み方について中学受験情報局の主任相談員の辻義夫がお話ししています。

夏休みに取り組んでいきながら、お子さんのモチベーションを上げ、学習内容への理解の促進をすることができる方法について触れていますので、ぜひご覧下さい。

1. 自由研究や読書感想文に取り組みながら身につけられること

自由研究への取り組み方

特に5年生までのお子さんは、自由研究が宿題でなくても、ぜひ取り組んでいただければと思います。受験生である小学6年生は忙しいため、1日でできる自由研究がいいでしょう。

例えば、アサガオを育てて毎日観察日記をつけるといったものではなく、育ったアサガオの鉢植えを購入し、それを観察してレポートを作成するなどです。

合弁花ですが、花びらの筋や模様を見れば5枚に分かれていることがわかります。またつるは上から見たときに、支柱に反時計回りに回転するように巻き付いて伸びること、つぼみは時計回りにねじれていて、上から見ると、やはり反時計回りに回るようにして開花することなどを観察していきます。

レポートには、写真やイラストをたくさん含めると良いでしょう。

研究報告のまとめ方(思考の手順)は小学校の自由研究だけでなく、中学校、高校、大学の理系の実験にも通じる基本的な思考の手順として、ぜひ身につけておくとよいと思います。

【実験・観察レポートに書くべきこと】

■ 動機: なぜその実験・観察をしようと思ったのか。

■ 準備物: 何を準備したのか。

■ 仮説: どのような結果になると予想したのか。

■ 実験・観察方法: どのように実験を行ったのか(写真やイラストを多く使うと良い)。

■ 結果: 実際どうだったのか、仮説との比較も含む。

■ 今後の展望: 次に何をしたいか。

読書感想文の取り組み方

一方で、自由研究が好きなお子さんやその御家庭から「自由研究はいいんだけど、読書感想文は何を書いていいかわかりません」というご相談をいただくのですが、基本的には自由研究と同じ思考の手順で考えればよいとお伝えしています。

まとめ方も自由研究と同様に構成するとシンプルです。

【読書感想文に書くべきこと】

■ 動機: なぜその本を読もうと思ったのか。

■ 予測: どんな話だと予想したのか。

■ 内容: 本の中で面白かった部分はどこか。

■ 予測との比較・今後の展望: 自分の予測と違った点や、次に読みたい本は何か。

この手順に従うことで、漫然と書くことを避け「字数を埋めるために文章を長くする」といった手段を取らなくてよくなりますね。

この手順で進めて書くことになれることで、説明文や随筆の構成をお子さん自身で感じながら感想文を書くことができるとより良いですね。

2. 親子で何かに取り組みモチベーションを上げる

お子さんと過ごす時間が長くなる夏休みこそ、親子でなにかに取り組んでみてください。大それたことでなくてもいいので、テーマを決めて取り組む時間があればいいと思います。

たとえば、親が子どもに「本を読みなさい」と言うだけは、子どもは本を読むようになりません。私自身の経験では、高い確率で読書好きのお子さんの親御さんは本を読む習慣がある方です。そこで夏休み(を機に)、親自身が本を読む姿を見せるなど、「親の背中を見せる時間」を作るのです。

必ずしも、同じ本を一緒に読む必要はありません(もちろんそういう時間にしてもかまいません)。同じ時間に、同じ空間を共有するのがいいのです。親御さんが机に向かってなにかしていたら、お子さんがそばに来て勉強し始める、といったことはよくあります。

だから読書以外にも、親が資格に挑戦したり、子どもと同じように何か勉強対象を見つけたりすることも良いと思います。

親子で一緒に勉強する時間を設けることは、子どもに「勉強しなさい」と言いつけるよりはるかに効果があります。

3. できるだけたくさんのことを経験する。勉強以外のことが理解を促進する

勉強に限らず、夏は様々な経験を親子で共有するいい機会になります。経験が豊富なお子さんほど、特に算数や理科などの理系科目においては、授業内容が実体験とつながり納得感がえられやすいのです。

ある小学校の水泳の授業でプールサイドが非常に熱くなり、小学生が授業中に軽いやけどをしたというニュースがありましたが、これは水よりも陸の方が温まりやすく冷えやすいという理科の学習内容と結びついています。やけどしないまでも、海での砂浜の熱さや水の冷たさといった経験が、理科の概念理解において役立つのです。

特に「暑い」「寒い」「熱い」「冷たい」「重い」「軽い」「速い」「遅い」といった感覚を伴う経験が特に重要だと私は感じています。

遊園地に行く、走る、滑り台をすべる、自転車に乗るなど、身近な活動でもかまいません。動く、体を動かす、それによって感じるという経験値が、後に学習につながっていくのです。
夏はこれらの経験をするのに最適な時期です。

ぜひお子さんと多くの経験を共有していただき、いい夏にしていただければと思います。

中学受験に取り組む中で、夏休みの過ごし方はとても重要です。この時期をう膜ゴツ用していただくために、「2025年度版 中学受験ハンドブック」をご活用いただき、よりお子さんにとってよい中学受験にしていただければと思います。

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