中学受験情報局『かしこい塾の使い方』

4年生の家庭学習は「1週間のサイクル」で考える

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公開: 最終更新日:2026年10月20日

こんにちは!
中学受験情報局 主任相談員の辻義夫です。

「塾の曜日も、宿題の量も分かっているんです。それなのに、前回の復習が終わらないうちに次の授業が来てしまって……。結局、週末に残った宿題をまとめて片付けるだけの毎日です」

4年生になって塾通いが始まったご家庭から、このようなご相談をよくいただきます。

塾のない日に何をやるかは、その日の気分や宿題の残り具合で毎回変わる。分からなかった単元は、そのまま次の単元へ進んでしまう。月例テストや組分けテストになると、前に習ったはずの内容がすっかり抜けている。

お子さんは毎日机に向かっているのに、習ったことが積み上がっていかない。そんなもどかしさを感じている親御さんは少なくありません。

こうしたご家庭の多くは、「きちんとした計画表がないからだ」と考えて、時刻入りの細かいスケジュールを作ろうとされます。しかし私は、問題は計画表がないことではなく、1週間の中で学習どうしがつながっていないことにあるのではないかと考えています。

今日は、4年生の家庭学習を「1週間の学習サイクル」として組み立てる考え方をお伝えしたいと思います。

この記事の執筆者

辻義夫近影

辻義夫 主任相談員

「わくわく系中学受験」を提唱する理科のスペシャリスト。
これまでに指導してきた生徒は数千人にのぼり、多くの逆転合格を生み出してきた。難解な理科の概念を、身近な例えを用いて「見える化」する授業スタイルは、子どもたちだけでなく保護者からも絶大な信頼を寄せられている。


QUESTION

1週間の家庭学習で、今いちばん困っていることは何ですか?

今、一番困っているものを1つ選んでください。回答後に、ほかの親御さんの回答結果をご覧いただけます。

1週間の家庭学習で、今いちばん困っていることは何ですか?

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4年生は「塾のある生活」に慣れ、基礎を身につける時期

1週間の組み立て方をお話しする前に、4年生という学年をどう捉えるかを確認しておきたいと思います。

私は4年生を、塾のある生活に慣れながら、各教科の基礎を身につける時期だと考えています。週に何回か塾へ通い、宿題をこなし、テストを受ける。この生活のリズムそのものに慣れることが、4年生の大切な課題の一つです。

この時期にしっかり基礎を身につけ、塾のある生活を無理なく回せるようになっておくことが、学習量も難度も一気に上がる5年生、6年生への土台になります。

一方で、気をつけていただきたいことがあります。4年生のうちから結果ばかりを求め、反復や暗記で学習を詰め込みすぎると、勉強そのものが苦しいものになってしまうのです。「周りに置いていかれないように」と5年生並みの勉強量を課した結果、5年生になる前に勉強が嫌いになってしまったお子さんを、私はたくさん見てきました。

ですから、この記事は「今から勉強量を増やしましょう」という話ではありません。塾の日、家庭学習の日、休む時間、遊ぶ時間、そして十分な睡眠。これらが共存できる生活の中で、学習がつながっていく形を作ることを目指します。

「1週間の予定表」より「学習サイクル」を作る

では、1週間をどう組み立てればよいのでしょうか。

ここで大切なのは、予定表をきれいに埋めることより、授業で習ったことが次の学習につながっていく流れを作ることです。私はこれを「学習サイクル」と呼んでいます。

基本となる流れは、次のとおりです。

  1. 授業を受ける
  2. 家庭学習で、習ったことを使ってみる(宿題に取り組む、覚えたことを書き出す、など)
  3. 週テストで確かめる
  4. できなかったものを把握しておく
  5. 月例テストや組分けテストまでに回収する

ただし、この流れは教科によって回り方が違います。

例えば、四谷大塚の4年生では、火曜と木曜に授業があり、金曜に週テストがある、という日程のご家庭がありました。国語と算数は週に2回授業があるため、授業と授業の間に家庭学習をはさみやすく、サイクルを組み立てやすい教科です。一方で理科は、授業の翌日がすぐ週テストという日程で、テスト前に十分な復習をする時間がとれません。

さらに家庭学習の中身も、教科によってさまざまです。算数の宿題、国語の読解や漢字、理科・社会の暗記もの。毎日算数とだけ向き合うわけにはいきません。

ですから、すべての教科を同じリズムで回すことを目指す必要はありません。教科ごとに、授業から家庭学習、テストへとつながる流れが、1週間のどこかに入っているか。まずはそこを確認してみてください。

まず、動かせない予定から置く

1週間のスケジュールを考えるとき、多くのご家庭がまず「勉強時間」から書き込もうとされます。しかし、私がおすすめしたいのは順番が逆です。

最初に置くのは、動かせない予定です。

  • 塾
  • 学校
  • 習い事
  • 食事・入浴
  • 就寝時間
  • 家族の予定

これらを先に書き込んでから、残った時間に家庭学習を配置していきます。

このとき、すべての空き時間を勉強で埋めないでください。平日に少しでも自由に過ごせる時間、土日に思いきり遊べる時間、そして十分な睡眠時間は、最初から残しておきます。最初から詰め込みすぎないことが、4年生のスケジュールづくりではとても大切です。

理想のスケジュールをお子さんの生活に押し込むのではなく、実際の生活の中で無理なく回るスケジュールを作る。それが、1年間続けられる家庭学習の第一歩になります。

毎日同じ時間に勉強させた方がいいですか?

辻義夫の回答

毎日同じ時刻に始められれば理想的ですけど、塾の日とそうでない日では、帰ってくる時間も疲れ方もまったく違うんですよ。だから僕は、時刻を固定することにはあまりこだわらなくていいと思っています。それより大事なのは、「塾から帰ったら、まず今日習ったことを思い出す」「塾のない日は、夕食の前に理科や社会の暗記をする」というふうに、何をどのタイミングでやるかを安定させることなんです。やることの順番が決まっていれば、子どもは迷わずに机に向かえるんですよ。

それから、僕がぜひおすすめしたいのが朝学習なんですよ。朝は、寝ている間に前の日に習ったことが整理されて、頭がすっきりしている時間です。漢字や計算、理科・社会の語句の確認のように、決まった作業を速く正確にこなす勉強にぴったりなんですよ。10分、15分でも、毎朝やることが決まっていれば、それが1週間のリズムの軸になってくれます。ただし、睡眠を削って早起きさせるのは逆効果なので、そこだけは気をつけてくださいね。前の晩に「明日の朝はこれをやろうね」と決めておくと、朝起きてから迷わずに取りかかれるんですよ。

朝学習の効果や、無理なく続けるためのコツについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

西村則康式「朝学習」のススメ|難関校合格へと導く、脳を味方につけた最強の学習習慣と成功の秘訣

授業当日は「全部終わらせる日」にしない

塾から帰ってきたあと、その日の宿題を一気に片付けようとするご家庭は少なくありません。「記憶が新しいうちに」というお気持ちはよく分かります。

しかし、塾で何時間も授業を受けてきたお子さんは、想像以上に疲れています。その状態で宿題をすべて終わらせることを目標にすると、答えを埋めることだけが目的になり、かえって中身が残らなくなってしまいます。

授業当日に最低限やっていただきたいのは、今日何を習ったかを思い出すことです。

テキストやノートを見る前に、「今日は何の単元だった?」「先生はどんな話をしていた?」と、お子さん自身の頭から授業の内容を取り出してもらう。時間にすれば10分、15分で構いません。この「思い出す」時間があるだけで、翌日以降の宿題や復習の質が大きく変わります。

思い出す復習の具体的なやり方については、こちらの記事で詳しくお伝えしています。

宿題の前に「思い出す」復習を

宿題が終わらないまま次の授業になってしまいます。全部終わらせるべきですか?

西村則康の回答

宿題が終わらないと、親御さんは焦りますよね。でも、まずは「なぜ終わらないのか」を見てあげてください。そもそも時間が足りないのか、内容が分からなくて手が止まっているのか、取りかかるまでに時間がかかっているのか。原因によって、打つ手はまったく違います。4年生のうちは、睡眠を削ってまで全部を終わらせる必要はありません。大丈夫。終わらなかった問題に印をつけておいて、どこで止まったのかが分かっていれば、それは次の学習につながっていきますよ。

テストは「点数を取る日」だけでなく、1週間を確認する日

週テストや確認テストが返ってくると、どうしても点数に目が行きます。もちろん点数も大切ですが、学習サイクルの中でのテストには、もう一つ大事な役割があります。

それは、この1週間の学習で何が残ったかを確かめることです。

授業で習い、思い出し、宿題で練習してきた内容が、テストの場面で本当に使えたのか。どの単元は身についていて、どこがまだ抜けているのか。テストは、1週間の学習サイクルがうまく回っていたかを映し出す鏡のようなものです。

そして、間違いが見つかったら、そこで終わりにしないでください。その問題を、次の1週間や、次の月例テスト・組分けテストまでの学習に戻す。これで、学習サイクルが一周してつながります。

テストで見つかった間違いの原因の見つけ方や、直す問題の選び方については、こちらの記事で詳しく解説しています。

中学受験、もう点数に一喜一憂しない!プロが教える「最強のテスト直し」戦略

1週間で全部終わらなくてもいい

ここまで1週間の学習サイクルについてお話ししてきましたが、ぜひお伝えしておきたいことがあります。

それは、1週間ですべてを完璧に終わらせる必要はないということです。

毎週、習ったことをすべて完璧に理解してから次へ進む。そう考えて家庭学習を組み立てると、とても窮屈になります。実際、塾によっては授業の翌日にテストがあるなど、そもそも1週間の中で十分な復習時間をとれない日程になっていることもあります。

ですから、今週できなかったことがあっても、それは失敗ではありません。

その代わりに、一つだけ大切にしていただきたいことがあります。それは、何ができなかったのかが分かっている状態にしておくことです。○△×学習法の△や×、テストで間違えた問題。こうした「まだ残っているもの」が見えていれば、あとから必ず戻ってくることができます。

そこで、1週間のサイクルとは別に、もう一つ大きなサイクルを持っておきましょう。

  1. 週テストで取りこぼしを見つける
  2. 翌週の塾のない日や休日に確認する
  3. 月例テストや組分けテストまでに回収する

家庭学習の時間軸を、1日・1週間・1か月の3つで考えるイメージです。1日では「今日習ったことを思い出す」、1週間では「宿題やテストで確かめる」、1か月では「取りこぼしを回収する」。こう考えると、毎週すべてを終わらせなければという焦りから、親御さんもお子さんも解放されるはずです。

それに、4年生で習った内容に少しくらい取りこぼしがあっても、5年生以降に同じ内容をより詳しく学ぶ機会は何度もあります。すぐには解決しないものについては、ひとまず「いずれ解決する必要がある」と把握しておくだけでも十分です。

週テストでできなかった問題は、その週のうちに全部直すべきですか?

西村則康の回答

その週のうちに全部直せたら、それに越したことはありません。でも、日程によってはどうしても時間が足りない週もありますよね。そんなときは、無理にその週で終わらせようとしなくて大丈夫です。どの問題がまだ直せていないのかだけは、はっきりさせておいてください。そして、月例テストや組分けテストまでの1か月の中で戻ってくればいいんです。週テストのためだけに勉強するのではなく、1か月かけて身につけていく。そのくらいの気持ちで見守ってあげてください。

学習サイクルが見える1週間の例

最後に、ここまでの考え方を1週間に並べた例をご紹介します。先ほどの四谷大塚の例と同じく、火曜と木曜に塾があり、金曜に週テストがあるご家庭を想定しています。

曜日塾家庭学習で意識すること
月なし前の週の取りこぼしの確認、理科・社会の暗記
火あり帰宅後、今日習ったことを思い出す
水なし国語・算数の宿題、理科・社会の書き出し
木あり帰宅後、今日習ったことを思い出す
金週テストテスト前に漢字・計算・暗記ものを軽く確認
土なしテスト直し(家なら解ける問題を中心に)、残った宿題
日なし1週間で残ったものの把握と、しっかり休む

あくまで「学習サイクルが見える例」であって、この時間割が正解というわけではありません。塾によって授業の曜日もテストの曜日も違いますし、習い事やご家族の予定もご家庭ごとに異なります。

大切なのは、表の形をまねることではなく、「授業の日には思い出す」「家庭学習で使ってみる」「テストのあとは取りこぼしを把握して戻す」という流れが、教科ごとにご家庭の1週間の中に入っているかどうかです。理科のように、1週間の中ではテスト前の復習が間に合わない教科は、組分けテストまでの1か月で回収すればよいのです。

実際の塾の日程の中でどう組み立てればよいか、具体的な事例を知りたい方は、四谷大塚に通う4年生のご家庭のご相談にお答えしたこちらの記事もご覧ください。

【お悩み】四谷大塚4年生 1週間の家庭学習の組み立てがうまくいきません

まとめ:予定表を埋めるより、学習がつながる1週間を

「勉強はしているのに、前に習ったことが残っていない」。その原因は、計画表がないことよりも、1週間の中で学習どうしがつながっていないことにあるのかもしれません。

  • 4年生は、塾のある生活に慣れ、基礎を身につける時期。詰め込みすぎない
  • 動かせない予定を先に置き、遊びや睡眠を残したうえで家庭学習を配置する
  • 教科ごとに、授業→家庭学習→テストの流れが1週間のどこかに入っているかを見る
  • 授業の日は全部終わらせようとせず、まず今日習ったことを思い出す
  • テストは1週間の学習で何が残ったかを確かめ、取りこぼしを次の学習へ戻す
  • 1週間で全部終わらなくてもいい。できなかったことを把握し、組分けテストまでの1か月で回収する

4年生の1年間は、この学習サイクルを親子で少しずつ回せるようにしていく期間です。最初からうまくいかなくても大丈夫です。ご家庭の生活に合った1週間の形を、焦らず一緒に作っていきましょう。

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