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中学受験でも学校の勉強でも使える 家庭学習でじっくりと理科の素養を育む方法

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公開: 最終更新日:2021年07月13日

家庭学習において、どのように学ばせればよいのか不安になってしまいがちなのが、理科という科目。
親御さんにとっても、理科は馴染みの薄い科目であることが多いようです。
家庭学習で理科の力を伸ばすためには、どのような取り組みをすればよいのか、詳しく説明いたします。

理科の家庭学習には、教科書に連動した参考書や問題集を

家庭学習で理科の勉強を充実させるなら、学校の勉強なら教科書以外に参考書や問題集を使うとよいでしょう。
塾の学習でも、塾のテキスト以外に市販の参考書などを持っていると、わかりにくい部分を自分で読んで理解する助けになります。

教科書や塾のテキストは、学校や塾でクラスのみんなと一緒に考えて、先生に教えてもらうという使い方を想定して作られています。
そのため、家で教科書や塾のテキストだけを読んでもなかなか理解しにくいものです。
そのため家庭学習のサポートとして、参考書や問題集を使うのです。

ここで、基本的なことではありますが、参考書と問題集は違うということを再確認しておきましょう。
参考書には、丁寧な説明が書いてあります。勉強の参考に使う、つまり、理解の手助けをしてくれるものが参考書です。

そして、理解できたかどうか、今、この学習範囲のテストを受けたらどこまでできるのか、それを試すのに使うのが、問題集です。
ですから、問題集は教科書やテキストと連動したものが理想です。
塾の教材ならテキストと問題集はもちろん連動していますが、教科書の場合は書店で買う場合に注意しましょう。
啓林館とか東京書籍など、さまざまな出版社が教科書を出しています。
学校で使っている教科書に連動した問題集を使いましょう。

また、「この解説だったら私わかるかも」「これなら僕でも理解できる」と、お子さんが思えるものを選ぶことも大切です。
自宅学習となると、自分で解説を読んで理解するというところが非常に重要になります。

私もそうですが、参考書の著者は、この解説さえ読めば絶対にわかる」ということを目指しています。
きちんと読めばわかるように書いてあるので、とにかく隅々まで読んでみることが大切です。

目で見て理解するタイプ・耳で聞いて理解するタイプ

とはいえ、解説を読むことを面倒だと感じる子も多いもの。
読むのが苦手な子は、読むよりも耳で聞いたほうが頭に入ってくるタイプかもしれません。
大人の方も経験があると思いますが、英単語を覚えるとき、発音して覚えた方、書いて覚えた方、見て覚えた方、いろいろいらっしゃるでしょう。

お子さんをよく観察し、どうやると理解しやすいのか、覚えやすいのかを考えてみてください。
もし、読むより聞くほうが頭に入ってくるようであれば、「じゃあこの解説、お父さんが読んであげよう」とサポートしてあげましょう。
読むこと自体は嫌いじゃないけれど、解説を読んでもなかなか理解ができないケースもあります。
そんなときは、声に出して読んでみるのも有効です。
音読が効果的なのは、何も国語だけではありません。
理科の問題集や参考書も音読してみると、途端に理解が進むことが多いのです。

「調べもの」で理科の理解が一気に深まる

参考書や問題集の他にも一つ、ぜひ用意していただきたいのが図鑑です。
インターネットの閲覧でも構いませんが、手元に紙の図鑑を1冊用意しておくとよいでしょう。

索引をうまく利用することが、図鑑を使いこなすコツです。
たとえば問題集をやっているとき「この言葉なんだっけ?」と、聞いたことのない単語が出てきたら、索引を見る。
すると、その言葉が載っているページがあるので、「あ、こういうことか」と理解が進みます。

図鑑であれば、図や写真、文字などから多面的に理解することができます。
こういう学習が、非常に大切です。
学校と塾で授業を受けているだけでは、こういった丁寧な勉強の仕方は、なかなか身に付きません。
自分で調べて自分で納得する。

このような勉強のやり方を、ぜひ身につけてください。

インターネットも活用して、調べる習慣をもとう

理科というのは、この世の中で起こるあらゆることがテーマになる科目です。
「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」に行ったことからも学びはありますし、今この瞬間に、火星の表面でアメリカの探査機マーズ・ローバーが写真を撮り回っていることも学びの対象です。
こういったことについても、今はインターネットですぐに情報を入手することができます。

たとえば、日本であれば jaxa(ジャクサ:宇宙航空研究開発機構)のWEBサイト。
https://www.jaxa.jp/
ここでは、 jaxa がこれまでやってきたプロジェクトについて、写真や動画、テキストなどで詳細に解説されています。

また、国土地理院のWEBサイトもおすすめです。
https://www.gsi.go.jp/top.html
地図が好きな子でも、そうでない子でも、楽しくいろいろ調べることができます。
たとえば、「津波が来たらどうしよう。ここって海抜何メートルだっけ?」といったことも、国土地理院のウェブサイトに行けば調べることができます。

このように、図鑑の他にもインターネットも上手に使って、日頃から調べる習慣をもってほしいと思います。

調べものノートをつける

WEBサイトだけでなく、NHKのEテレやYouTubeなど、テレビ番組や動画共有サイトでも、学習に役立つコンテンツが充実しています。

このようなツールを使って勉強する際、ぜひ心がけていただきたいのが、「調べものノート」を作ることです。
ノートに、何について調べたのか、どのようなことを勉強したかを書いていきます。
まず日付を書き、次に、何を見るのか、何を調べるのかを書きます。
「インターネットで○○を調べる」「Eテレで○○という番組を見る」といった感じです。

そして、実際に調べたり番組を見たりする前に、予想を立て、ノートに書いておきます。1行でも構いません。
これは仮説を立てる練習です。
自分なりに仮説を立てる。つまり、「こうなんじゃないか」という予想をしたうえで、それが正しいかどうかを調べるのです。

そして、調べた結果がどうであったかを検証する。最後に、結果と感想も書いておきましょう。

これが、理科の実験や観察の基本です。

自分の言葉で誰かに説明する

もう一つ大事なことがあります。それは、「こんなことを学んで、こんなことが分かった」ということを、自分の言葉で誰かに説明することです。
家庭学習においては、親御さんが聞き役になると思います。お仕事から帰ってきた後に大変だとは思いますが、ぜひ、しっかりと聞いてあげてください。

仮説を立てる、検証する、誰かに説明する。

これを繰り返すうちに、どんどん理科の素養が養われていきます。

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