算数で代表的な心配なつまずき分野を家庭学習で克服するには

算数で代表的な心配なつまずき分野を家庭学習で克服するには
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小学生の高学年になると小学校算数最大の難関が出てきます。
5年生では「割合」、6年生では「比」と「速さ」、これらが算数の「三大つまずき領域」です。
その後の中学・高校、全ての理数系の単元に対して必要不可欠なこれらの単元は、数字だけではなく感覚でとらえるかどうかが肝になります。
ここではその中で「速さ」「比」の感覚を育てるための家庭での取り組み方法について紹介します。

速さの感覚を家庭で養う

「速さ」に関しては時間を感覚的にとらえられているかどうか、ということが重要になります。
例えば「速さ」が苦手な子は、どのくらい早く歩いたら短い時間で目的地につけるか、という感覚がほとんどありません。
また、60分は1時間という60分単位の原則がわかっていても、15分と聞いて「4分の1時間」と即答できない子も時間を感覚的にとらえられていない子が多いです。

これらは日頃から時計の文字盤を見ているかどうか、ということが大きな要因になっています。
今では携帯電話やスマホなどもそうですが、家庭のあらゆる電化製品に時間がデジタル表示されていて、アナログ時計を見る機会がずいぶんと減りました。
アナログの腕時計をつける人もかなり減ったように思います。

もしも15分と聞いて時計の文字盤を四等分したひとつ、というビジュアルをイメージできたら、60分の単位で計算するよりも確実で早いです。
そのような感覚を養うにはアナログ時計を見ることが必須になります。
ですので、まずはリビングの時計をアナログ時計に変えてみてはいかがでしょうか。

日常的にアナログ時計を使うことによって、「15分後の8時に出かける」「あと30分、20時になったらお風呂に入る」「21時まで45分間で問題集を解いてみよう」など、時間とともに文字盤が何分の1を指しているか、というビジュアルでのイメージが感覚として身につきます。

アナログ時計で天体の感覚もつかむ

アナログ時計を使うことによって「速さ」の感覚だけではなく、天体の学習にもその感覚を活用することができます。

春分・秋分・夏至・冬至がそれぞれ何月かわからない、という大人も子どもも増えています。
しかし時計の文字盤をイメージできればすぐに覚えられます。
12時(12月)の冬至、3時(3月)の春分、6時(6月)の夏至、9時(9月)の秋分と時計と結びつければ数字ではなく、ビジュアルとして感覚でつかむことができますね。

また12星座の場合も同じようにこの感覚を使うことができます。
文字盤の中心に地球があると仮定して、12星座を分配すれば、星座の位置関係が理解しやすくなります。

このように数字で覚えたり計算したりしようとするよりも、ビジュアル的なイメージでとらえた方が全体像を理解しやすくなります。

比の感覚を家庭で育てる

「比」に関しては「割合」「速さ」に比べると、子どもにとって抵抗感が少ないようです。
これは小学生の「比」は基本的に「こっちの方が大きい、小さい」というだいたいの感覚があればつかめるからです。

中学・高校になると「比」は「濃度計算」としても出てきます。
その中でも代表的なものが高校の化学で出てくる化学反応の質量計算や気体反応の体積比計算の計算式です。
この辺りの計算で苦労するときは、たいてい「比」についての理解があやふやな場合が多いです。

この「比」に関しての感覚を家庭で育てるチャンスが多い場はキッチンでしょう。
ホットケーキを作ったり、ココアを作ったり、という普通のクッキングの場でも比が必要になります。
例えばココアの作り方で「1人分はスプーン3杯のココアパウダーに牛乳200mlを加える」とあったとします。
しかし親の分も入れて2人分作ろう、家族全員の4人分作ろう、という場合にはココアパウダーを何杯入れればいいのか、そして牛乳は何mlにすればいいのか、と考えることになります。これは「比」の問題になります。

ミルクコーヒを作る場合などに「牛乳とコーヒーを3対1の割合で混ぜよう」というのもわかりやすい「比」の問題です。
ほかにも料理で「しょう油、砂糖、酢を2:2:1の割合で混ぜる」など合わせ調味料を作ることもあります。
これら調理で実際にものを使った「比」の計算は学校や塾ではできない、家庭ならではの感覚を育てる場となります。

小学生高学年でぶつかる算数の「三大つまずき領域」である「割合」「比」「速さ」はその後、中高でも理数系につながるとても重要な単元になります。
しかし「速さ」も「比」に関しても計算だけではなく、日常の習慣でアナログ時計やキッチンでの経験を使い、これらの感覚をつかむ習慣を加えていけば、子どもにとって数字だけではない、早くて確実なイメージを持たせることができます。

ぜひ家庭にアナログ時計を取り入れ「速さ」と時間の感覚を育てるとともに、「比」に関してもキッチンでの調理で実践してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人
主任相談員 辻 義夫 主任相談員 辻 義夫
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