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「算数頭」「理系頭」を育てる身近で簡単な方法3選

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更新: 2017年05月11日 公開:

「算数頭」や「理系頭」など、理系の能力や感覚は持っているにこしたことはありませんが、なぜか「持って生まれた才能」などと思われがちです。
お母さんによっては「私が文系だから、この子も算数が苦手なのかも」と悩むこともあるようです。
ここでは、簡単な日常の心がけによって理系の感覚を伸ばし、算数を得意にする方法を3つ、ご紹介します。

1. ある、なしで大きく違いが出る「補数の感覚」

はじめて繰り上がりのある計算を習うとき、数を分解するという方法を学びます。
具体的には、

6 + 8 =

という計算をするとき、8を「4+4」と分解し、

6 + 4 + 4 = 14

と計算することを学ぶのです。これは、数を指折り数えるのではなく、「6とあわせて10になる数は何か」ということに注目して、8を4+4に分解して計算しているのですね。
大人なら無意識に行っていることですが、はじめて繰り上がりのある計算を経験する子どもたちにとっては、この感覚を習得することはとても重要なことです。この「あわせて10になる」数を「補数」といいます。
6の補数は4、3の補数は7ということになります。

この「補数」の感覚を、10だけではなく100や1000についても身につけておくと、お子さんは繰り上がりや繰り下がりの計算を弱点とすることがなくなります。

たとえば「37+88」という繰り上がりのある計算をするとき、37と63を合計すると100になるということに注目し、「88=63+25」と分解すれば、筆算などをしなくても、答えは125と、暗算で速く正確に計算できるわけです。

この感覚は、ことさら机の上で「勉強」としてではなくても、日常の中で鍛えられると主任相談員の辻義夫先生は言います。塾の行き帰り、散歩中、ご家庭で団欒のとき、お母さんが「43は?」といえば「57!」とお子さんが答える、といった「ちょっとしたコミュニケーション」の中で鍛えることができるというわけです。

2. 割引、セールで割合の感覚を

割合というと、苦手とするお子さんが多い単元です。
割合が苦手だと、関連して出てくる比の単元でもつまずきがちですし、さらに文章題の単元でも割合の感覚を使うものが数多く出てきますから、しっかりその「感覚」を身につけておきたいものです。

昔からある割合の教え方、考え方として「割合の三公式」というものがあります。

「もとになる数・くらべる数・割合」

ということばで公式を習うのですが、はっきり言って子どもたちには馴染みがないことばで、この言葉によって「わからない」と感じてしまうお子さんも多いものです。

算数を教えるのが上手な先生に中には「割合は『◯◯倍』のことだ」と教える先生がいます。
9割なら0.9倍、75%なら0.75倍と考えるわけです。

1500円の3割引きは、と問われたら、「3割は0.3のこと。1500の1倍だと、割引きしたことにならないから、3割引きということは、1500×(1-0.3)、1500の0.7倍のことだよね、と教えられると、子どもたちにスッと入っていきます。
この「感覚」にしっかり慣れていくと、売買の計算や食塩水の文章題が出てきても、そうそう簡単につまずくことはなく、「割合が苦手」ということにもなりません。

お買い物に行ったときに、スーパーの黄色いシールを見ながら、「20%引きってことは、×0.8ってことだよね」といった会話があると、日常的に割引の感覚が身につきそうです。実際、大人になっても役立つ感覚ですね。

3. 身近なものに置き換えて、速さの感覚を身につける

速さも、割合と並んで子どもたちからは「不人気」の単元です。
目に見えないものでもあり、計算・公式に実感が伴わないのです。

速さにも割合と同じように「速さの三公式」というものがあります。
割合にくらべると覚えやすく(速さ×時間=距離、を『は・じ・き』と覚えるなど)、基本問題の正答率は割合より高めですが、ことばで『は・じ・き』と覚えてはいるけれど実感が無い、というお子さんも多いのです。

速さの基本的な感覚を身につけるには、身近な体験に結びつけて「実感」することです。
時速100kmとは、一体どれくらいの速さなのか。日本の高速道路の制限速度は、多くの場所で時速100kmです。
ですからそれくらいの速さで、おうちの車で走行することもあるかと思います。
でもそのとき「これが時速100kmだよ」といっても、なかなか実感がわかないものです。

「たとえば時速108kmだと、秒速になおすと30mなんだ。いま、『いち』とゆっくり数える間に、学校のプールの端から端までより長く進んでしまうんだね。」と説明してあげれば、「たった1秒間でプールの端から端まで?」と強く実感できますね。

このあたりの説明は、プロの先生のほうが上手かも知れませんが、お父さん、お母さんの得意分野があれば、身近な問題に置き換えて同じように説明してあげることを意識的に行なうと、お子さんの算数の力につながっていきます。

工夫しだいでお子さんの「算数頭」「理系頭」を日常から育てていくことは可能です。
今回あげた3つの方法は、そんな中のほんの一部ですが、いかがだったでしょうか。

高学年のお子さんに「補数」の訓練をしてもらっても構いません(意外にこの「あわせて10」「あわせて100」の感覚があやふやなお子さんは多いものです)し、低学年のうちから少しずつ割合や速さの感覚を「実感」で育てていく、ということもできそうですね。

ぜひ試してみてくださいね。

この記事を書いた人
主任相談員 西村 則康主任相談員 西村 則康
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