中学受験の国語に必要な力とは。「自分なりの考え」は必要ない!?

中学受験の国語に必要な力とは。「自分なりの考え」は必要ない!?
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中学受験の国語の入試問題で「主人公の考えはどのようなものか、述べなさい」という問題にどのように答えたらいいのでしょうか。
実は、受験国語に「自分なりの考え」は必要ない、というのが今回のお話です。
詳しく説明していきます。

入試は、人間性の審査ではない

夏目漱石の『草枕』という作品があります。
この作品は、小学生でも読むことができますが、小学生が読む場合と中学生が読む場合では、感じ方がまったくちがいます。
同じ大人でも、30代の人が読むのと70代の人が読むのでは、やはり感じ方は異なると思います。

文学作品に対する感受性は、時間の経過とともに変化し、磨かれていきます。
人の年齢や経験に応じて、自我や内面は成熟していきます。
作品との対話を通して、それを感じたり考えたりするところに、文学の真価があるのではないでしょうか。

しかし、入試問題でそれが問われることはありません。
入試は読解力や論理力などを問うものであって、人間性を見るものではないのです。
「この作品の著者は、ここでどんなことを感じていたと思いますか」と問われたとき、文芸評論や批評のように、独自の解釈を展開していく必要はないのです。
むしろ、そのように設問自体が作られていないということを知っておかねばなりません。

子どもの好みによる読書体験はあまり役に立たない?

中学入試の国語で求められるのは、情報理解力や問題解決力です。
逆に、学校の国語の授業で求められるような、俳句や詩を味わったり、朗読したり、実際に書いてみるというような創造力や芸術的・文学的感性は、あまり問われません。
もちろん、こうした経験が総合的な国語力を養うことにつながります。
でも、入試の国語の問題で問題が解けることに直接はつながらないのです。

一般的な「読書好きの小学生」が自分で好んで読書をしている場合も、その語彙力や漢字力が難関校の入試で直接役立つことはないでしょう。
これは、読書がまったく役に立たないという意味ではありません。
文章を読んで、そこから具体的に映像や情景などを想像する力は、本を読むことで高まり、好奇心の入り口にもなります。

この想像力は、国語はもちろんのこと、算数の文章問題でも、理科や社会でも求められる力です。
本を読むことで長い文章を読むことに対する抵抗感もなくなるでしょう。
だからといって、中学受験の国語の入試問題が解けるかどうかは、また別です。
「読書好きなら国語は得意」というのは、大きな誤解であることをまずは認識してください。

受験の国語には「共感力」より「知識」が必要

入試問題にはよく、「なぜ主人公はこう感じたのですか」「主人公の気持ちはどんなものですか」という問題が出ます。
国語の設問でこのような感情や感じ方が問われる場合、求められる解答は「解答者(受験生)独自の分析」ではありません。
言い方を少し変えると、主人公への「共感力」ではなく、「知識」が求められていることがほとんどなのです。

たとえば、「このとき、主人公の胸の内はどのようなものだったのでしょうか。あなたの考えを書きなさい」という問題に対して、「自分なりの考えを書けばいいんだな」と理解し、自分の想像のふくらむままに答えを書いてしまう子がいます。
その結果、不正解になってしまい、「がんばって想像して書いたのに...」と落ち込んだり怒ってしまったりするのは、国語が嫌いになってしまう流れです。

これは、受験国語というものを、しっかりと教えてない先生に責任があると言えるでしょう。
「あなたの考えを書きなさい」は「文章から読み取れる情報を元にして、適切な言葉を使って説明しなさい」ということなのです。その根底には、「同じ状況に置かれた場合、大半の人が持つはずの感情や考えがどのようなものなのかを、常識や知識にもとづいて、合理的に判断しなさい」というねらいがあります。
つまり、求められているのは、人間に関しての「知識」なのです。

学校と受験で求められる国語に関する力のちがい

受験国語で求められるのは、「情報整理力」や「問題解決力」、「語彙力」と「漢字力」、そして「映像化の力」や「論理的説明力」、さきほどご説明した「感情を判断する力」などです。
逆に学校の国語で習得しようとする「共感力・感情移入の力」はほとんど問われることはないでしょう。

また、自分の考えをみんなの前で発表するなどの「コミュニケーション力」「プレゼンテーション力」は、国語の入試問題で直接扱われることはありません。
ちなみに、学校と受験の両方で求められるのは「習俗・風習に関する知識」や「人文科学的な知識」などです。

これらのちがいを知り、何を問われているのかをしっかり理解することができたら、中学受験の国語の成績を上げる近道になります。
自分(解答者)なりの考えが求められているわけではないことを、親子ともに意識しておくといいでしょう。

この記事を書いた人
主任相談員 小川 大介主任相談員 小川 大介
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