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中学受験 子どものやる気を引き出す「学習メモ」の作り方

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公開: 最終更新日:2021年07月20日

小学生の学習は親のサポートが必要です。その日の学習項目を書き出した「学習メモ」があると、学校から帰ってきてすぐに学習に取り組めるようになります。
今回の記事では、1日10分でできる学習メモの作り方を説明します。

子どもに適した『勉強量』を知る

親が「勉強しなさい」と言うからやるのではなく、子どもが自主的に学習してくれるといいですよね。
子どもは具体的にどんな勉強をすればいいのかがわからないと、「こなすべき勉強量が多すぎる」と感じてしまいます。
そうならないためにも親が子どもの適切な「勉強量」を把握することが大切です。
まず学校や塾で学んでいる単元、与えられている宿題などの量を確認したうえで、学習計画を立てたほうが子どもは実践しやすいでしょう。

子どもの勉強の適量を見極める際には、学校や塾からの課題をこなす時間がどれくらいかかっているかをみます。
あまりにも時間がかかっているようであれば、その原因は勉強量が多いからなのか、内容がむずかしいからなのかを大人が一度確認しましょう。

単に勉強量を増やすのではなく、その日にするべき勉強の内容をきちんと理解してクリアしていくことを優先しましょう。
反対に課題をこなす時間が早い場合には、量が物足りないのかもしれません。ほかに何か家庭でできる学習がないか探すといいでしょう。

継続できる問題集を選ぶ

子どもの適切な勉強量を把握したら、それに見合った家庭学習で使う問題集を探しましょう。
成績を上げるために、公立小学校なら各教科につき1冊ずつ、教科書の内容にあった問題集を揃えましょう。

問題集にはさまざまな種類がありますが、親の感覚で自分の子どもに合いそうなもの、これならば続けられそうだ、というものを選びます。
問題集を進めながら子どもに合った適量を見極めていってください。
一度にたくさんの勉強をするより、毎日コツコツと継続していくことが大切です。家庭学習が毎日の習慣として身につくといいですね。

やるべきことがひと目でわかる学習メモ作り

子どもの適切な勉強量がわかったところで、次に実際に「学習メモ」を作成していきましょう。
メモにはそれぞれの教科の学習項目をすべて書き出します。

この学習メモは親が作って「今日はこれをやりなさい」と指示して渡すよりも、「今日は何をやればいいと思う?」「今日はどの勉強がやりたい?」など、子どもの意見を聞きながら作っていく方が子どものやる気を引き出しやすいです。
子どもに学習メモの項目を書き出させてみると、意外と書いてくれるものです。
その時には子どものやる気を誘導するように前の週の学習メモを参考にするように言ってみましょう。大抵の場合は前の週にやった課題と同じものにプラスしてがんばろうとします。

もし「ちょっと学習項目が多すぎるかな」と感じても、それを指摘するより励ましてあげるといいですね。
「すごい!がんばってね」
「応援してるからね」
と子どものやる気をひと押しして、やり切れるように声かけしてあげてください。

毎日の学習の中でメモ通りに行くこともあれば、そうはいかない場合もあるかもしれません。
どこで切り上げるか、その判断も子どもに委ねましょう。
子どもが自ら考えた学習メモのメニューは、あくまでも子どもに責任を持たせるようにします。
子どもが自立し、「やらされ感」を感じないためにも、親は「〜しなさい」という言葉をできるだけ使わないようにし、そっと見守ることが大切です。

達成感を感じる学習メモの使い方

子どものやる気をより引き出すために、学習メモには達成感を感じられるようなルールを決めておきましょう。
例えばやり終わった項目は蛍光ペンでラインを入れる、チェックマークを入れる、スタンプ、シールなどを使うなど、ゲームをクリアするような楽しい感覚で進めていくのが理想的です。

子どもはメモを見れば何をやり終えたかがすぐに確認できます。

もしかしたら、メモの項目が多すぎてやり残してしまうことが出てくるかもしれません。
その場合は残った項目に目を向けるのではなく、やり遂げた項目に対してほめてあげましょう。
そして次の日の学習は、その持ち越した項目から始めるようにします。

このメモ作りを繰り返していくと、自分でペース配分がわかってくるようになります。テスト前やちょっとがんばりたい時など、その時の状況や気分で量も調整できるようになるでしょう。

また学習メモには日にちをきちんと書いて保管し、いつでも振り返れるようにしておくと、学習メモ作成に迷った時に役立ちます。

学習メモの作成では実際には子どもが項目を書き出しますが、その時に親が見守ってあげることが大切です。

共働きの家庭の場合など、10分を捻出するのが難しい場合もありますが、朝の支度の時などを使って行ってはいかがでしょうか。
子どもが学習メモを作った後に「宿題がある時は付け足してね」と言うこと、あとはがんばれるように励ましの言葉を言うことだけで基本的に大丈夫です。

学習メモは子どもの達成感ややる気を育てることができます。
やり残しが出ても構わないので、「がんばったね」とその日は気持ちよく子どもを寝かせてあげてください。翌日に持ち越した学習から始めれば、やるべき項目をきちんとこなしていけます。

この作業を繰り返し行えば子どもが自主的に家庭学習に取り組めるようになるでしょう。
親子で学習メモを作ることを習慣化し、毎日の勉強量をこなしていけるようになるといいですね。

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