『2014年度 中学入試速報』2
第165回 2014年度入試 ~2~
「浦和明の星女子中学校 入試問題(第1回) 2014年度」
2014年度入試速報の第2回は浦和明の星女子中です。
募集人数120名に対し、1768名が応募しました。
2013年度の1804名(募集120人)より40名弱の減少ですが、
東京都や神奈川県の受験生が前受けする中学校としては、
相変わらずの激戦校だといえそうです。
今回はその浦和の星女子中の2014年度入試から、
問題を2問ご紹介します。
まずは、類題演習をしたことがあると思われる、1-(8)です。
2014年 浦和の星女子中 第1回 大問1
1-(8) 右の図は、正方形を9個組み合わせて、1つの大きな長方形ABCDを作ったもので、辺BCは辺ABより10cm長くなっています。
(ア) (あ)の正方形の1辺の長さを求めなさい。
(イ) (い)の正方形の1辺の長さを求めなさい。
大きさの異なる正方形を敷きつめて長方形や正方形を作るという問題は、
中級レベルの定番問題です。
大原則は「小さい正方形の1辺の長さを①とする」ですね。
(ア)は正方形(あ)の1辺の長さを求めるので、
(あ)に必要な部分だけを書いてみましょう。
このままでは問題文中にある
「辺BCは辺ABより10cm長い」
という条件が使えません。
そこで、2番目に大きい正方形の1辺の長さを〔1〕として書き込んでみます。
すると、
となります。
辺ABよりも辺BCの方が10cm長いということは、
正方形(う)の1辺よりも正方形(え)の1辺の方が10cm長いということですから、
②=10cm → ①=5cm となり、
(ア)の答え5cmが求められます。
正方形敷きつめ問題で①を使うときのコツは、
例えば、③-5cmのような「ひき算の式を使わない」ことです。
すると、「堂々めぐり」に陥る危険が少なくなります。
(イ)は、正方形(い)の1辺の長さです。
(ア)と同様に、最も小さい正方形(い)の1辺の長さを□1として図を書いてみます。
辺ADの長さ=辺CDの長さ+10cm なので、
〔1〕+□7=〔1〕+10cm+□2+10cm → □1=4cm が求められます。
定番問題は大原則に処理していくと、ほぼ1本道で解答にたどりつけます。
この問題は
受験生によっては(イ)の方が解きやすいと感じたお子さんもいたことでしょう。
前問の(ア)が解きにくかったしても、まだ大問1ですから、
次問の(イ)に取りかかってみると案外と易しいということもあります。
では、もう1問、大問5です。
中学入試の題材が身の回りから出題されるということの、一例です。
2012年度の開成中でも「Suica」や「PiTaPa」のような
交通ICカードの「チャージ(入金)」を題材にした出題されました。
今年は身の回りにある題材として、
岡山中で消費税問題が出題されていますが、
浦和の星女子中では
「金額(現金)の5%がポイントになるお店での買い物」
がテーマです。
5 ある店で買い物をすると,現金で払った金額の5%がポイントとしてもらえます。ただし,金額の5%が小数になるときは,小数点以下を切り捨ててポイントにします。このポイントは次の日から1ポイントを1円として使うことができます。星子さんは,この店のポイントを850ポイント持っていました。
ある日,星子さんが9800円のデジタルカメラと1050円のカメラケースを買いに行ったところ,2日後にすべてのポイントが使えなくなることを知りました。そこで,その日はデジタルカメラだけを買い,次の日にポイントだけでカメラケースを買い,ポイントを使い切ることを考えました。このとき,次の問いに答えなさい。ただし,消費税は考えないものとします。
(1)デジタルカメラを買うときに,ポイントを使わずに買ったときと,1ポイントだけ使って買ったとき,次回から使えるポイントはそれぞれ何ポイントになりますか。
(2)デジタルカメラを買うときに使うポイントを1,2,3,…と増やしていくことを考えます。このとき,現金で払った金額の5%が,初めて小数点以下が切り捨てにならずにポイントとしてもらえるのは,何ポイント使うときですか。
(3)次の日にポイントだけでカメラケースを買い,ポイントを使い切るためには,星子さんは何ポイントを使ってデジタルカメラを買えばよいですか。
(1)は「問題のルールを確認」するための、親切な1問です。
9800円×0.05=490ポイント…もらえるポイント
850ポイント+490ポイント=1340ポイント…ポイントを使わずに買ったとき
(9800円-1円)×0.05=489.95 → 489ポイント
850ポイント-1ポイント+489ポイント=1338ポイント…1ポイントだけ使って買ったとき
(2)は(1)の計算で「小数」がでたことから、
「初めて小数点以下が切り捨てにならないときがあることに気づきますね」
という、これも親切な問題です。
(9800円-□円)×0.05=整数 ということですから、
「分数を使う」
と良さそうです。
(9800円-□円)×1/20=整数 ですから、
9800円-□円 が20の倍数ならば計算結果が整数です。
「初めて」とありますから、20ポイントが答えです。
この問題は、
490ポイントより1ポイント少ない、
489÷0.05=9780円 から考えてもOKです。
(3)は、(2)から「20円が1周期」とわかりますので、これを利用します。
(2)のときに次回使えるポイントは、
850ポイント-20ポイント+489ポイント=1319ポイント ですから、
デジタルカメラを買うときにポイントを20ポイント使うと、
まったく使わないときの1340ポイントと比べて21ポイント減ります。
カメラケースは1050円ですから、
「次回使えるポイント=1050ポイント」
のときが答えです。
上の表から、
1340円-1050円=290円
290円÷21円=13周期あまり17円
(1)から、使うポイント1ポイントごとに次回使えるポイントが2ポイントずつ減るので、
「17円÷2円=8.5 …、あれ? わりきれないぞ…。」
「計算間違えたかな…?」
「問題集で練習した問題だったら、たいてい割り切れるのに…」
と、混乱しそうになります。
ここがこの問題の「山場」でした。
もう一度1ポイント使うごとに表を書いてみると、
のように、
20ポイントまでの減り方は、
「2減る、1減る、1減る、1減る…1減る」
となっています。
ポイントが2減るのは始めだけで、あとは1減っていくのです。
ですから、17=2+1×15 なので、
20ポイント×13周期+16ポイント=276ポイント使うとうまくいきます。
よく考えれば、
デジタルカメラに使うポイントが0ポイント~20ポイントまで変わっていくと、
次回使えるポイントが21ポイント減るのですから、
2ポイントずつ減るはずがありません。
それでも混乱してしまうとすれば、それが「入試本番」の恐ろしさでしょう。
受験生の皆さん。
しかし、心配しないでください。
この問題は最後の大問の最後の小問です。
その1問ができないからといって、当落に影響するなんて考えず、
「最後の1問が難しいのは当たり前。とばして、他の問題を確認しよう!」
のように、実戦的な行動が取れればきっとうまくいくはずです。
これまでに養ってきた「問題の取捨選択力」を使って、
入試を成功させましょう!
「浦和明の星女子中学校 入試問題(第1回) 2014年度」
2014年度入試速報の第2回は浦和明の星女子中です。
募集人数120名に対し、1768名が応募しました。
2013年度の1804名(募集120人)より40名弱の減少ですが、
東京都や神奈川県の受験生が前受けする中学校としては、
相変わらずの激戦校だといえそうです。
今回はその浦和の星女子中の2014年度入試から、
問題を2問ご紹介します。
まずは、類題演習をしたことがあると思われる、1-(8)です。
2014年 浦和の星女子中 第1回 大問1
1-(8) 右の図は、正方形を9個組み合わせて、1つの大きな長方形ABCDを作ったもので、辺BCは辺ABより10cm長くなっています。
(ア) (あ)の正方形の1辺の長さを求めなさい。
(イ) (い)の正方形の1辺の長さを求めなさい。
大きさの異なる正方形を敷きつめて長方形や正方形を作るという問題は、
中級レベルの定番問題です。
大原則は「小さい正方形の1辺の長さを①とする」ですね。
(ア)は正方形(あ)の1辺の長さを求めるので、
(あ)に必要な部分だけを書いてみましょう。
このままでは問題文中にある
「辺BCは辺ABより10cm長い」
という条件が使えません。
そこで、2番目に大きい正方形の1辺の長さを〔1〕として書き込んでみます。
すると、
となります。
辺ABよりも辺BCの方が10cm長いということは、
正方形(う)の1辺よりも正方形(え)の1辺の方が10cm長いということですから、
②=10cm → ①=5cm となり、
(ア)の答え5cmが求められます。
正方形敷きつめ問題で①を使うときのコツは、
例えば、③-5cmのような「ひき算の式を使わない」ことです。
すると、「堂々めぐり」に陥る危険が少なくなります。
(イ)は、正方形(い)の1辺の長さです。
(ア)と同様に、最も小さい正方形(い)の1辺の長さを□1として図を書いてみます。
辺ADの長さ=辺CDの長さ+10cm なので、
〔1〕+□7=〔1〕+10cm+□2+10cm → □1=4cm が求められます。
定番問題は大原則に処理していくと、ほぼ1本道で解答にたどりつけます。
この問題は
受験生によっては(イ)の方が解きやすいと感じたお子さんもいたことでしょう。
前問の(ア)が解きにくかったしても、まだ大問1ですから、
次問の(イ)に取りかかってみると案外と易しいということもあります。
では、もう1問、大問5です。
中学入試の題材が身の回りから出題されるということの、一例です。
2012年度の開成中でも「Suica」や「PiTaPa」のような
交通ICカードの「チャージ(入金)」を題材にした出題されました。
今年は身の回りにある題材として、
岡山中で消費税問題が出題されていますが、
浦和の星女子中では
「金額(現金)の5%がポイントになるお店での買い物」
がテーマです。
5 ある店で買い物をすると,現金で払った金額の5%がポイントとしてもらえます。ただし,金額の5%が小数になるときは,小数点以下を切り捨ててポイントにします。このポイントは次の日から1ポイントを1円として使うことができます。星子さんは,この店のポイントを850ポイント持っていました。
ある日,星子さんが9800円のデジタルカメラと1050円のカメラケースを買いに行ったところ,2日後にすべてのポイントが使えなくなることを知りました。そこで,その日はデジタルカメラだけを買い,次の日にポイントだけでカメラケースを買い,ポイントを使い切ることを考えました。このとき,次の問いに答えなさい。ただし,消費税は考えないものとします。
(1)デジタルカメラを買うときに,ポイントを使わずに買ったときと,1ポイントだけ使って買ったとき,次回から使えるポイントはそれぞれ何ポイントになりますか。
(2)デジタルカメラを買うときに使うポイントを1,2,3,…と増やしていくことを考えます。このとき,現金で払った金額の5%が,初めて小数点以下が切り捨てにならずにポイントとしてもらえるのは,何ポイント使うときですか。
(3)次の日にポイントだけでカメラケースを買い,ポイントを使い切るためには,星子さんは何ポイントを使ってデジタルカメラを買えばよいですか。
(1)は「問題のルールを確認」するための、親切な1問です。
9800円×0.05=490ポイント…もらえるポイント
850ポイント+490ポイント=1340ポイント…ポイントを使わずに買ったとき
(9800円-1円)×0.05=489.95 → 489ポイント
850ポイント-1ポイント+489ポイント=1338ポイント…1ポイントだけ使って買ったとき
(2)は(1)の計算で「小数」がでたことから、
「初めて小数点以下が切り捨てにならないときがあることに気づきますね」
という、これも親切な問題です。
(9800円-□円)×0.05=整数 ということですから、
「分数を使う」
と良さそうです。
(9800円-□円)×1/20=整数 ですから、
9800円-□円 が20の倍数ならば計算結果が整数です。
「初めて」とありますから、20ポイントが答えです。
この問題は、
490ポイントより1ポイント少ない、
489÷0.05=9780円 から考えてもOKです。
(3)は、(2)から「20円が1周期」とわかりますので、これを利用します。
(2)のときに次回使えるポイントは、
850ポイント-20ポイント+489ポイント=1319ポイント ですから、
デジタルカメラを買うときにポイントを20ポイント使うと、
まったく使わないときの1340ポイントと比べて21ポイント減ります。
カメラケースは1050円ですから、
「次回使えるポイント=1050ポイント」
のときが答えです。
上の表から、
1340円-1050円=290円
290円÷21円=13周期あまり17円
(1)から、使うポイント1ポイントごとに次回使えるポイントが2ポイントずつ減るので、
「17円÷2円=8.5 …、あれ? わりきれないぞ…。」
「計算間違えたかな…?」
「問題集で練習した問題だったら、たいてい割り切れるのに…」
と、混乱しそうになります。
ここがこの問題の「山場」でした。
もう一度1ポイント使うごとに表を書いてみると、
のように、
20ポイントまでの減り方は、
「2減る、1減る、1減る、1減る…1減る」
となっています。
ポイントが2減るのは始めだけで、あとは1減っていくのです。
ですから、17=2+1×15 なので、
20ポイント×13周期+16ポイント=276ポイント使うとうまくいきます。
よく考えれば、
デジタルカメラに使うポイントが0ポイント~20ポイントまで変わっていくと、
次回使えるポイントが21ポイント減るのですから、
2ポイントずつ減るはずがありません。
それでも混乱してしまうとすれば、それが「入試本番」の恐ろしさでしょう。
受験生の皆さん。
しかし、心配しないでください。
この問題は最後の大問の最後の小問です。
その1問ができないからといって、当落に影響するなんて考えず、
「最後の1問が難しいのは当たり前。とばして、他の問題を確認しよう!」
のように、実戦的な行動が取れればきっとうまくいくはずです。
これまでに養ってきた「問題の取捨選択力」を使って、
入試を成功させましょう!

