
第797回 男子中の入試問題 速さ 2
「第797回 男子中の入試問題 速さ 2」
前回から、2026年度に男子中の入試で出された「速さ」の問題について見ています。
2回目となる今回のテーマは「旅人算」です。
1問目は「旅人算とグラフ」の問題です。
【問題】兄と弟は祖母の家に遊びに来ています。2人は祖母の家から10.5kmはなれた映画館に行くことにしました。祖母の家から映画館に行く途中に自宅があり、兄はバイクを、弟は自転車を自宅にとめてあります。まず、2人は祖母の家から歩いて自宅まで行き、弟は自転車に乗って9時に自宅を出発しました。兄はその3分後にバイクに乗って自宅を出発し、1.5km走った地点で弟に追いつきました。その後、自宅から5.25km走った地点で祖母の家に忘れ物をしたことに気づき、すぐに引き返しました。祖母の家に着いてからすぐにバイクで出発し、弟の10分後に映画館に着きました。もしも、弟に追いついた地点で引き返していたならば、2人は同時に映画館に着いていました。次の図は、兄と弟について、弟が自宅を出発してからの時間と、祖母の家からの距離の関係を表したものです。破線は、兄が弟に追いついた地点で忘れ物を取りに引き返していた場合の兄の移動する様子です。バイクと自転車の速さはどちらも一定であるとします。

次の[ ]にあてはまる数を求めなさい。
(1) 兄のバイクの速さは分速[ ]mです。
(2) 弟の自転車の速さは分速[ ]mです。
(3) 兄が映画館に着いた時刻は[ ]時[ ]分です。
(4) 祖母の家から自宅までの距離は[ ]mです。
(城北中学校 2026年 第1回 問題4 問題文一部変更)
【考え方】
(1)
グラフに、「1.5km走った地点」「自宅から5.25km走った地点」と「弟の10分後に映画館に着きました」を書き込みます。

赤線の四角形、水色の四角形はどちらも平行四辺形ですから、赤色の二等辺三角形に着目すると、兄のバイクは□kmを往復するのに10分かかるとわかります。
□km=5.25km-1.5km=3.75km=3750m
3750m×2÷10分=750m/分
答え 750
(2)
兄のバイクは1.5km(=1500m)を
1500m÷750m/分=2分
で走って弟に追いつきますから、弟の自転車は1500mを走るのに
3分+2分=5分
かかります。

1500m÷5分=300m/分
答え 300
(3)
兄が弟に追いついた地点で忘れ物に気づいた場合に2人が移動する様子は、次のような線分図に整理できます。

兄が弟に追いついた地点から映画館に着くまでの2人が移動する様子に着目すると、弟が移動した距離(赤色太線の矢印)と兄が移動した距離(青色太線の矢印)の和が
10.5km×2=10500m×2=21000m
とわかります。
21000m÷(750m/分+300m/分)=20分 … ■~□の時間
弟が映画館に着いた時刻が
9時5分+20分=9時25分
ですから、実際に兄が映画館に着いた時刻は10分後の9時35分です。
答え (順に)9、35
(4)
弟に着目します。
300m/分×(9時25分-9時)=7500m … 自宅から映画館までの距離
10500m-7500m=3000m
答え 3000
本問の(1)は進行グラフ(ダイヤグラム)の読み取り、(3)は線分図からの旅人算の読み取りを確認できる問題です。
もし、グラフから(3)を解こうとして上手くいかないようでしたら、線分図にかき直せることを確かめましょう。
2問目は「周回するの旅人算」の問題です。
【問題】図のように、池の周りにある長さ360mのジョギングコースを3等分した地点P、Q、Rがあります。父は毎分150m、兄は毎分90m、弟は毎分75mの速さでジョギングコースを時計回りに進み続けます。父、兄、弟はそれぞれP、Q、Rを同時に出発しました。次の問いに答えなさい。

(1) 父が弟を3回追いぬくには、出発してから何分何秒かかりますか。
(2) 父がPを、兄がQを、弟がRを初めて同時に通過するのは、出発してから何分後ですか。
(3) 父と兄が弟を同時に追いぬき、3人が横並びになることがありました。2回目に3人が横並びになるのは、出発してから何分後ですか。
(早稲田中学校 2026年 第1回 問題3)
【考え方】
(1)
360m÷3=120m … ジョギングコースの1/3の道のり
父が初めて弟を追いぬくのは、父が弟よりも
120m×2=240m
多く走ったときです。
240m÷(150m/分-75m/分)=3.2分
その後、父が弟よりも1周多く走るごとに、弟を追いぬきます。
360m÷(150m/分-75m/分)=4.8分
ですから、父が弟を3回追いぬくには
3.2分+4.8分×(3回-1回)=12.8分
かかります。
答え 12分48秒
(2)
360m÷150m/分=2.4分=144秒 … 父がジョギングコースを1周する時間
360m÷90m/分=4分=240秒 … 兄がジョギングコースを1周する時間
360m÷75m/分=4.8分=288秒 … 弟がジョギングコースを1周する時間

2×2×2×2×3×3×1×5×2=1440 … 144と240と288の最小公倍数
父、兄、弟がそれぞれ1周する時間の最小公倍数が
1440秒÷60秒=24分
ですから、父がPを、兄がQを、弟がRを初めて同時に通過するのは24分後です。
答え 24分後
(3)
兄が初めて弟を追いぬくのは、兄が弟よりも120m多く走ったときです。
120m÷(90m/分-75m/分)=8分
その後、兄が弟よりも1周多く走るごとに、兄を追いぬきます。
360m÷(90m/分-75m/分)=24分
よって、兄が弟を追いぬくのは(8+24×□)分後です。
また、(1)より、父が弟を追いぬくのは(3.2+4.8×■)分後です。
初めて
8+24×□=3.2+4.8×■
となるのは、□=0、■=1のときです。
8+24×0=3.2+4.8×1=8
8分後に父と兄が弟を同時に追いぬいて3人が初めて横並びになり、その後、父は弟を4.8分(=288秒)ごとに、兄は弟を24分(=1440秒)ごとに、追いぬきます。

2×2×2×2×2×3×3×1×5=1440 … 1440と288の最小公倍数
1440秒÷60秒=24分
ですから、父と兄が弟を同時に追いぬいて2回目に3人が横並びになるのは
8分+24分=32分後
です。
答え 32分後
本問は、周回する旅人算の考え方を確認できる問題です。
また、(3)の「3人が横並びになる」を、「父が弟を追いぬく」と「兄が弟を追いぬく」のように、「3人」を2人ずつに分けることが考え方の基本です。
今回は、2026年度に男子中で出された「旅人算」の問題をご紹介しました。
もし、正解できない問題があれば、出会いやすれ違いの(2人の速さの和)×(時間)=(2人の進む道のりの和)や、追い抜きや追い越しの(2人の速さの差)×(時間)=(2人の進む道のりの差)という速さの3公式の利用、進行グラフ(ダイヤグラム)の読み取り、周回するときや3人についての旅人算の考え方などに分けて弱点を見つけ、練習問題に取り組みましょう。
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