「大テストの振り返り」をしましょう2 続・SAPIX編
「第244回 大テストの振り返りをしましょう 続・サピックス編」
夏期講習が始まって約1週間です。
それぞれの目標を持って受講されていると思いますが、
予定通りはかどっていますでしょうか。
夏期第1週の予定を振り返り、
状況に応じて計画の前倒しや
消化不良の場合は計画の見直しなどを
早めにしておきましょう。
さて前回は、次の「大テスト」で好成績を収めるためにしておきたい、
「テストの振り返り 5つの確認事項」について、
サピックスの「6年 7月度(夏期) 入室・組分けテスト」を例に、
「計算」「知識」「問題選択」の3つの確認事項までみてきました。
今回は残り2つの確認事項についてみていきます。
確認事項の4つ目は、
問題を解く方針の確認です。
問題を解く方針は、
文章が長めの問題やややレベルの高い問題を解くときに必要です。
方針を立てることができれば途中で迷うことがないので、
短い時間で、正確な答えを求めることが可能です。
今回のテストでいえば、
大問2-(4)(5)、大問3-(3)(5)、大問4、大問5-(2)、大問6-(2) などが
これにあたります。
一部をご紹介しますと、次のような確認です。
大問2-(4) 7月1日から8月31日までの期間に、A君は7月1日から4日、7日、…と3日ごとに、B君は7月6日から10日、14日、…と4日ごとにプールに行くことにしました。このとき、最後に2人が同じ日にプールに行くのは、8月何日ですか。(一部改題)
【方針1】2ヶ月間なので書き出す。

「3日ごとと4日ごとだから、最小公倍数の12日が1周期」という「知識」があれば、
書き出しやすくなりますし、書いている途中で規則を発見することもできます。
【方針2】月をまたぐので「お化け日暦」を使う
「7月1日~8月31日」を「7月1日~7月62日」のように「お化け日暦」を使うと、
「日」だけに着目すれば良いようになります。
A君 1、4、7、10、…
B君 6、10、…
ここまで書き出すと、
はじめて一緒に行くのは「7月10日」で、
以降は最小公倍数の12日ごとですから 10+12×□≒62 となり、
□=4のときが最後の日です。
7/10+12×4=7/58=8/27
大問2-(5) P地、Q地の間を太郎君はP地から、次郎君はQ地から向かい合って同時に出発し、それぞれ一定の速さで歩きました。出発してから12分後に2人はP地とQ地のちょうど真ん中から60mだけQ地に近いところですれ違い、それから10分後に太郎君はQ地に着きました。このとき、太郎君と次郎君の速さの比を最も簡単な整数の比で求めなさい。また、P地とQ地の間の距離は何mですか。(一部改題)
【方針1】時間条件が2つあるのでダイヤグラムに整理する

【方針2】距離条件が1つあるので線分図に整理する

どちらの整理方法を選んでも、
「太郎君が10分で歩くところを次郎君は12分で歩く」が見つかりますから、
太郎君と次郎君の速さの比は 6:5 です。
速さの比がわかれば、
後半の答えの出し方はいくつかありますが、
「距離」を求めるので「線分図」がお勧めです。

0.5○=60m ですから、60m×11/0.5=1320m がPQ間の距離です。
大問4 下の図の台形ABCDで、ADとBCとEFは平行です。三角形AHDの面積が18cm2のとき、次の問いに答えなさい。
(1) AEとEBの長さの比を最も簡単な整数の比で答えなさい。
(2) 四角形EBGHの面積は何cm2ですか。
【方針1】小問ごとに必要な部分だけを図にする
図は、問題文の条件のでてくる順に書いていくと、問題も解きやすくなります。
【方針2】四角形は三角形に分割する(台形の場合は上底+下底の比を利用してもOK)

18cm2×(15+24)/20=35.1cm2
ここまで、
「計算」「知識」「問題選択」「方針」の確認について、
優先順位の高いものから順にみてきました。
塾の一般的な大テストの場合、
「計算」「知識」にあたる問題が全問正解できれば、
配点の約50%になります。
さらに
「方針」に該当する問題が40%くらいありますので、
偏差値50以上の学校を目指す場合、
この40%のうち何点取れるかで、
目標をクリアできるかどうかが決まるといえます。
残りのおよそ10%の問題は、
長文の大作であったり、
初見の問題だったりします。
5つ目の確認が、
この「残り10%の問題」です。
そのテストの中で正答率の低い問題が多いので、
正解できていれば解法の過程を問わずに、
「スゴイね」と褒めてあげましょう。
今回のテストでいえば、大問7です。
大問7 右の図のように、3つの頂点に1、2、3と数の書かれている三角形があります。この三角形に、順に次のような操作をします。
(操作ア) 1つの三角形の内部(頂点と辺の上ではない)に1つの点をとり、各頂点と結んで三角形を分割する。
(操作イ) 内部の点に、外側の三角形の頂点に書かれた3つの数の和を書き入れる。

この操作を1回とかぞえ、何回もくり返していきます。
この操作を2回目まで行うと、上の図のようになり、2回目に書き入れた数のうち最大のものは11、最小のものは9となります。これについて、次の問いに答えなさい。
(1) この操作をくり返し行うとき、3回目に書き入れる数のうち、最大のものと最小のものを答えなさい。
(2) この操作をくり返し行うとき、8回目に書き入れる数のうち、最大のものと最小のものを答えなさい。
【解き方】
このテストの最終問題です。
テストの残り時間が少なくなって取りかかると、
問題文が長く、また「操作」を理解しなければいけないため、
少し大変です。
(1) 与えられた2回目の図から、
最大は11+6+3=20、
最小は1+2+9=12 とわかります。
(2) (1)の図を書くと、3回目の操作でさえ書込みにくいことから、
「8回目なんてムリ…、ということは規則かな?」
と考えることができれば素晴らしいです。
規則を見つけるためには
表を作ったり、式を見やすく並べたりするとよいです。
また、
この問題ではできる三角形すべてについて調べることはできませんから、
3回目の操作までで、
ある程度の「割り切り(可能性の高い○○と□□だけを調べてみよう)」も必要です。
最小の数は1+2+□(□は1回目の操作で書き入れた1+2+□の値)ですから、
1回目…(1、2、3)の三角形に書き入れる6
2回目…(1、2、6)の三角形に書き入れる9
3回目…(1、2、9)の三角形に書き入れる12
4回目…(1、2、12)の三角形に書き入れる15
のように、3ずつ増えていきますので、
6+3×(8-1)=27 が8回目に書き入れる最小の数です。
一方、最大の数は、
1回目…(1、2、3)の三角形に書き入れる6
2回目…(2、3、6)の三角形に書き入れる11
3回目…(3、6、11)の三角形に書き入れる20
のように、
1回前の三角形に書かれている最大の数と2番目の数、
それと操作によって書き入れた数の和になっていますから、
4回目…(6、11、20)の三角形に書き入れる37
5回目…(11、20、37)の三角形に書き入れる68
6回目…(20、37、68)の三角形に書き入れる125
7回目…(37、68、125)の三角形に書き入れる230
8回目…(68、125、230)の三角形に書き入れる423
と求められます。
ここまで、次の「大テスト」で好成績を収めるためにしておきたい、
「テストの振り返り 5つの確認事項」
=「計算」「知識」「問題選択」「方針」「残り10%の問題」
についてみてきました。
「計算」「知識」「問題選択」の振り返りができていなければその確認を、
終えていれば「方針」「残り10%の問題」について確認をし、
そこで見つけた課題を、
夏期講習の問題演習を通して、
少しずつ解消していけるといいですね。

