第785回 共学中の入試問題 場合の数 1
「第785回 共学中の入試問題 場合の数 1」
前回まで、近年に共学中の入試で出された「立体図形」の問題について考えました。
今回からは「場合の数」の問題を見ていきます。
1回目となる今回は「数字や文字を並べる一行問題」を取り扱います。
1問目は「カード並べ」の問題です。
【問題】1□、1□、2□、2□、3□、3□の数字がかかれた6枚のカードがあります。例のように、同じ数字のカードがとなり合わないように6枚のカードすべてを1列に並べます。同じ数字のかかれたカードを区別しないとき、このような並べ方は全部で何通りありますか。
例 1□ 2□ 3□ 1□ 2□ 3□
(筑波大学附属中学校 2025年 問題1-(6) 注:実物の入試問題では数字を□で囲んだ表記になっています。)
【考え方】
左端が 1 □の場合を樹形図をかきます。

左端から 1□ - 2□ となるようなカードの並べ方が5通りありますから、左から 1□ - 3□ となるようなカードの並べ方も5通りあるとわかります。
5通り×2=10通り… 左端が 1□ の場合
同じように、左端が 2□ の場合も10通り、3□ の場合も10通りありますから、全部で
10通り×3=30通り
あります。
答え 30通り
本問は、樹形図と計算を利用する問題です。
もし、樹形図をすべてかいているようでしたら、同じ形の樹形図ができる(=場合の数が同じ)ときに「かけ算」が利用できることを確認しましょう。
2問目は「条件のある数作り」の問題です。
【問題】次の[ ]にあてはまる数を答えなさい。
大小2つのサイコロをふって、大きいサイコロの目を十の位、小さいサイコロの目を一の位とする。この2けたの数が3の倍数になるのは[ ]通りである。
(慶應義塾湘南藤沢中等部 2025年 問題1-(3) 問題文一部変更)
【考え方】
「3の倍数」という条件を満たすように樹形図をかきます。

2通り×6=12通り
答え 12
本問も、樹形図を利用できる問題です。
解答例の他に、12、15、21、…、66 のように、2桁の3の倍数を書き並べ、その個数を求めてもかまいません。
なお、3の倍数は各位の数の和も3の倍数となることを利用すると、次のように考えることもできます。

3問目は「0を含む数作り」の問題です。
【問題】次の[ ]に適当な数を入れなさい。
0、2、5、7の4個の数字の中から、異なる3個の数字を選んで3けたの整数を作るとき、偶数は全部で[ ]個つくることができます。
(慶應義塾中等部 2026年 問題1-(3) 問題文一部変更)
【考え方】
「3けた」の「偶数」を作るときは、「偶数」という条件を先に考えます。
0、2、5、7の4つの数字から偶数を作るとき、一の位の数が0と一の位の数が2の2種類の偶数ができます。
はじめに、一の位の数が0の偶数について、百の位 → 十の位 の順にあてはまる数字を考えます。

次に、一の位の数が2の偶数について、百の位 → 十の位 の順にあてはまる数字を考えます。
よって、全部で
6個+4個=10個
の偶数ができます。
答え 10
本問は、「0」と「偶数」という2つの条件を含む問題です。
もし、正解できないようでしたら、先に「偶数」という条件を満たすような場合分けができることを確認しましょう。
4問目は「重複」の問題です。
【問題】K、A、I、C、H、Iの6文字すべてを1列に並べてできる文字列は全部で何通りですか。
(開智日本橋学園中学校 2026年 第1回 問題2-(7))
【考え方】
次のように、ア~カの6つのマス目を用意し、2つあるI以外の4つの文字の入れ方を考えます。

Kはア~カのいずれかのマス目に入りますから6通り、AはKの入っているマス目以外に入りますから5通り、CはKとAの入っているマス目以外に入りますから4通り、HはKとAとCの入っているマス目以外に入りますから3通りの入れ方があります。
残った2つのマス目にはIが自動的に入ることになります(=空いているマス目しか選ぶことができない)ので、2つのIの入れ方は1通りです。
6通り×5通り×4通り×3通り×1通り=360通り
答え 360通り
本問は同じ文字が2つある(=文字が重複している)ときの考え方を確認できる問題です。
もし、正解できないようでしたら、解答例のように、マス目を用意して解いてみましょう。
なお、解答例では「2つあるIを後回し」にしていますが、次のように「Iの入るマス目を先に決める」解き方もあります。
6マスの中からIを入れる2マスの選び方は
6通り×5通り÷2=15通り
です。
残った4マスにK、A、C、Hを入れるので、その入れ方は
4通り×3通り×2通り×1通り=24通り
あります。
15通り×24通り=360通り
5問目は、「0を含む」と「重複」が組み合わさった「数作り」の問題です。
【問題】5枚のカード 0□ 、1□ 、2□ 、2□ 、3□ があります。この中から3枚を取り出して3桁の整数を作るとき、全部で何通りの整数ができますか。
(早稲田実業学校中等部 2026年 問題1-(4) 注:実物の入試問題では数字を□で囲んだ表記になっています。)
【考え方】
2枚ある 2□ を必ず2枚とも取り出す場合とそれ以外に場合分けをします。
はじめに 2□ を必ず2枚とも取り出す場合を考えます。
残りの1枚が 0□ のときに作ることのできる3桁の整数は220、202の2通りです。
残りの1枚が 1□ のときに作ることのできる3桁の整数は122、212、221の3通り、残りの1枚が 3□ のときに作ることのできる3桁の整数は322、232、223の3通りです。

2通り+3通り×2=8通り
次に、5枚のカードから 2□ を1枚除いた4枚のカードで3桁の整数を作る場合を考えます。
百の位のカードは 0 □以外の3通り、十の位は百の位のカード以外の3通り、一の位は百の位と十の位のカード以外の2通りです。

3通り×3通り×2通り=18通り
よって、全部で
8通り+18通り=26通り
の整数ができます。
答え 26通り
本問は、「0」と「重複」の両方がある問題の考え方を確認できます。
重複についての場合分けを0についてよりも先にすること、重複が絶対に起きないように2枚ある 2 □うちの1枚を取り除くことがポイントになっています。
今回は、2025年度と2026年度に共学中で出された「数字や文字を並べる一行問題」をご紹介しました。
もし、場合の数が苦手なようでしたら、まずは上記のような問題を使って、樹形図をかく、同じ形の樹形図があるときはかけ算を利用する、数を作るとき着目する条件の順序を覚える&かけ算が利用できることを確かめることから始めるとよいと思います。
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