第798回 男子中の入試問題 速さ 3
「第798回 男子中の入試問題 速さ 3」
これまで、2026年度に男子中の入試で出された「速さ」の問題について考えています。
今回は「通過算」の問題を取り扱います。
1問目は、通過算の基本問題です。
【問題】次の[ ]にあてはまる数を求めなさい。
長さ[ ]mの列車が、時速54kmの速さで鉄橋とトンネルを通過しました。鉄橋とトンネルの長さの比は3:5です。また、列車が鉄橋をわたり始めてから完全にわたり終えるまでにかかった時間は33秒で、トンネルに入り始めてから完全に出るまでにかかった時間は45秒です。
(攻玉社中学校 2026年 第1回 問題2-(3) 問題文一部変更)
【考え方】
通過算の解き方の原則は、条件を線分図に表すことです。
54km/時×1000÷3600=15m/秒
15m/秒×33秒=495m … 電車が33秒間に進む道のり
15m/秒×45秒=675m … 電車が45秒間に進む道のり
鉄橋の長さを③m、トンネルの長さを⑤mとして、線分図を縦に並べてかきます。

電車の1点(例:最後尾)の動きを表している→の長さの差に着目します。
⑤m-③m=675m-495m → ①m=180÷(5-3)=90m
よって、列車の長さは
495m-90m×3=225m
です。
答え 225
本問は、通過算の基本問題です。
「条件を線分図に表す → 列車の1点の動きに着目する」という通過算の基本、「① →に長さや長さの比を書く ② ①が難しい場合は→の和や差に着目する」という線分図の原則を確認できます。
また、鉄橋を通過する線分図とトンネルを通過する線分図を縦に並べてかくことも本問の大切なポイントです。
2問目は、通過算の定番問題です。
【問題】次の問いの[ ]をうめなさい。
ある電車が一定の速さで長さ1780mのトンネルを通るとき、電車全体がトンネルに隠れていたのは40秒間でした。また、この電車が一定の速さで長さ1340mの鉄橋を渡り始めてから渡り終えるまでに38秒かかりました。この電車の速さは時速[ ]kmです。
(芝中学校 2026年 第1回 問題1-(2) 問題文一部変更)
【考え方】
通過算の原則通り、条件を線分図に表します。

赤色の矢印に着目すると
(電車の速さ)×40秒=1780m-(電車の長さ)、
青色の矢印に着目すると
(電車の速さ)×38秒=1340m+(電車の長さ)
です。

3120m÷78秒=40m/秒 … 電車の速さ
40m/秒×3600÷1000=144km/時
答え 144
本問は、通過算の定番問題の1つです。
前問では→の長さの差を利用しましたんが、本問は→の長さの和に着目すると解けるように条件が設定されています。
3問目も基本レベルの問題です。
【問題】次の[ ]にあてはまる数を答えなさい。
トンネルの両側から列車Aと列車Bが同時にトンネルに入り始めました。列車Aと列車Bは何秒後かにすれ違い、列車Bがトンネルを完全に抜けたとき、列車Aの先頭はトンネルの出口から600m進んでいました。列車Aと列車Bの速さの比が9:7、列車Bの長さが120mのとき、トンネルの長さは[ ]mです。
(サレジオ学院中学校 2026年 A試験 問題2-(4) 問題文一部変更)
【考え方】
列車Aと列車Bが同時にトンネルに入り始めるときと、列車Bがトンネルを完全に抜けるときの様子を、線分図に表します。
このとき、かかった時間が同じですから、道のりの比は速さの比と同じです。
速さの比 (列車A):(列車B)=9:7
↓
道のりの比 (列車A):(列車B)=⑨m:⑦m

赤色の矢印に着目すると
□m+600m=⑨m、
青色の矢印に着目すると
□m+120m=⑦m
です。

よって、
□m=240m×7-120m=1560m
です。
答え 1560
本問も、通過算の基本レベルの問題です。
「始め」と「最後」の線分図を縦に並べてかくと、「→の差」に着目できるように条件設定がなされています。
最後も、基本レベルの問題です。
【問題】図のように、地点Aから400m離れた位置に地点Bがあります。すべての列車は、はじめに先頭が地点Aにあり、出発してから一定の速さで走ります。普通列車は秒速12.5mで出発し、36.8秒後に最後尾が地点Bを通過しました。次の問いに答えなさい。

(1) 普通列車の長さは何mですか。
(2) 普通列車の最後尾が地点Bを通過したとき、快速列車が出発しました。快速列車の長さは140mで、速さは秒速25mです。快速列車が出発してから何m進むと、その最後尾が普通列車の先頭を追い越しますか。
(海城中学校 2026年 一般① 問題2)
【考え方】
(1)
条件を線分図に表します。

12.5m/秒×36.8秒=460m … →の長さ
460m-400m=60m
答え 60m
(2)
快速列車が出発するときと、快速列車の最後尾が普通列車の先頭を追い越すときの様子を、線分図に表します。
このとき、かかる時間が同じですから、道のりの比は速さの比と同じです。
速さの比 (普通列車):(快速列車)=12.5m/秒:25m/秒=1:2
↓
道のりの比 (普通列車):(快速列車)=①m:②m

140m+400m+60m+①m=②m → ①m=600m÷(2-1)=600m
600m×2=1200m
答え 1200m
本問も、通過算の基本を確認できる問題です。
最後に普通列車の先頭と快速列車の最後尾が接しますので、普通列車の先頭と快速列車の最後尾が動く様子に着目すると差を見つけやすくなります。
また、快速列車の最後尾が普通列車の先頭よりも 140m+400m+60m=600m 多く進むので、追い越し終わるまでに 600m÷(25m/秒-12.5m/秒)=48秒 かかることから、25m/秒×48秒=1200m のように求めることもできます。
今回は、2026年度に男子中で出された「通過算」の問題をご紹介しました。
通過算の基本は線分図をかき、1点の動きに着目することです。
もし、正解できない問題があれば、この原則とそれぞれの問題のポイントを確認しましょう。
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