小川大介の中学受験合格を実現する逆算受験術

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「子どもの成績が不安定で不安です・・・」

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中学受験 2019年04月02日12時00分

こんにちは! 小川大介です。

中学受験の勉強が始まると、
毎月テストで現実を突き付けられます。
順調なときはいいけれど、少しでも下がると
「このまま下がり続けるのではないか・・・」
と不安になる親御さんは多いことでしょう。

先日、セミナーの後にご相談にいらしたお母さんもそうでした。
しかし、話を聞くと、そこまで不安がる必要はないと思いました。
むしろ、お母さんが不安になればなるほど、
うまくいかなくなる可能性が高いと感じ、こうアドバイスをしました。

娘さん(小6)は4年生から大手進学塾のサピックスに通っています。
成績はα1〜3を行ったり来たり。
一度アルファベットクラスの「I」まで下がったことがありましたが、
その後は再びαクラスに戻り、
今はその中で多少上がったり下がったりが続いています。

しかし、本人は成績のアップダウンをあまり気にせず、
好きな教科は一生懸命頑張り、
苦手な教科は気乗りしないものの最低限のことはやる
といった感じで、至ってマイペース。

そんな娘さんを見て、お母さんは、
「こんな状態では合格できないかもしれない」
と常に不安な気持ちでいます。

そして、顔を合わせれば小言を言ったり、
感情的になって怒鳴ってしまったりするといいます。
こうした状況が続き、近頃は娘さんともギクシャクしてしまい、
このままではいけないと感じ、私のところに相談に来たのです。

このお母さんの良いところは、
そうした自分を客観視できていることです。
自分はすべての教科をまんべんなくコツコツ勉強するタイプの子だったので、
娘さんのように好きな教科はのめり込み、
嫌いな教科はそこそこでいいというのが理解できないといいます。

でも、親子だからといって、お母さんと同じようにはいかないのです。
この家庭は、お父さんと娘さんのタイプが似ていました。

いつも不安でいっぱいなお母さんに対し、
お父さんは「今からそんなに慌てることはない」と常に冷静。
「親が無理やり引っ張っていくよりも、
子どもがやりたいように勉強をさせてあげたほうがいい」
という意見を持っています。

それは正論ではありますが、
だからといってお母さんの不安が収まるわけではありません。
こういう時は、「不安になってもしょうがない」と
感情に蓋をしてしまうのではなく、
今、何に対して不安なのか正直な気持ちを吐き出す方がうまくいきます。

このお母さんは、中学受験はしていませんが、
大学受験で第一志望に入れなかったという受験に対する苦い経験があります。
コツコツ一生懸命勉強をしても、受験には厳しい現実がある。
だから、気分で勉強をするのではなく、しっかり勉強をして欲しい。
それがお母さんの本心でした。

では、「しっかり」というのはどういう状態を望んでいるのでしょうか?
具体的に教えてあげなければ、お子さんには伝わりません。

「6年生の夏までに国語の記述力を上げたい。
理科の苦手分野を克服させたい」など、
具体的に何をさせたいかあげてもらいました。

でも、それを一方的にやらせてもうまくはいかないでしょう。
そこで、お母さんがやって欲しいことを娘さんに伝え、
実際にできるどうかを親子で話合ってもらいました。

すると、娘さんもこれならできそうと納得し、
これからの勉強の進め方が見えてきました。
それからは、お母さんの不安も和らぎ、
娘さんを信じて見守れるようになったといいます。

このように親御さんが漠然と抱えていた不安を言葉にして伝え、
その不安を解消するために
今できることをお子さんと一緒に考えるとうまくいきます。

うまく言葉で伝えられなければ、「ママはとても心配性なの。
だから、次のテストまでにどうやって成績をあげる考えなのか先に教えてくれる?
そうすると安心だから」と言うのでもいいと思います。

一番避けて欲しいのは、
親の漠然とした不安を子どもにぶつけることです。

「親子だからママの気持ちを察してよね」では、子どもには伝わりません。
大事なのはお互いの気持ちを伝え合い、
今できるベストを一緒に考えることです。

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中学受験 / お悩み相談 2019年04月02日12時00分
主任相談員の小川大介
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