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サピックスの5年生理科で差がつく理由

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かしこい塾の使い方 2017年03月07日20時08分
■無駄のないサピックスのカリキュラム
サピックスのカリキュラムを見ていると、本当に無駄がないカリキュラムだな、と思います。
ただ、無駄がないことがいいことだ、ということではありません。
自動車のハンドルには意図的に「遊び」があります。
ちょっとくらいハンドルと揺すっただけでは、タイヤは向きを変えません。
もしもまったく「遊び」がなかったら、運転手は常にハンドルを「1ミリも動かないように」緊張して握っていなければなりません。
同じように、カリキュラムにも「遊び」がないと、極端な話、欠席することができません。
ちょっとでもわからなくなったら、どんどん「ボタンの掛け違い」の連鎖が大きくなって、どんどんわからなくなる。
そんな危険性もあります。
サピックスの理科の5年生の夏期講習までのカリキュラムは、以下のようになっています。
2月〜3月 熱・水溶液・植物(発芽・光合成・蒸散)
春期講習 太陽
4月〜7月 燃焼・豆電球・光・月・運動・ばね・てこ・人体・ふりこ・浮力
夏期講習 星・植物(花)・流水・地層・岩石・音・燃焼
見事に「進み続ける」カリキュラムです。
年の後半には、計算分野など重要単元は「同じ名前の回」がいくつかありますが、もちろん「以前に習ったことを理解している前提」で出てきます。
このカリキュラムに一度乗り遅れると、挽回が容易ではないということは明らかですね。
■サピックスで成績を上げるには・・・
サピックスが難関校の合格者を多く輩出するのにも頷けます。
この5年のカリキュラムを乗り切る子どもたちがαに常駐し、組分けやオープンで結果を出すんですね。
では、そうなるために何をしなければならないか。
身も蓋もないですが、それは「復習」です。
進み続けるカリキュラムだからこそ、ふだんの学習の中に意識的に「復習」をルーティンとして組み込んで確実に実行すること。
これが成績を上げるポイントです。
基礎トレ、コアプラスもいいですし、少し前のマンスリーでもいいでしょう。
長い時間でなくていいので、週のどこかに確実に入れましょう。
逆に、復習のサイクルがうまく回らないと、いずれ成績が下がってきます。
ふだんの宿題で大変なのに、という声も聞こえてきそうですが、宿題を削ってでもやれば、削って失ったものより大きなものが手に入るはずです。
ただし、やる上での注意点があります。
これは復習に限ったことではないのですが、「やりっぱなし」に近いやり方だけにはならないようにしてほしいのです。
お子さんを信用しないわけではないのですが「やっときなさい」だけでは「やりっぱなし」になるのはほぼ確実です。
「ちゃんとやりなさい」「丁寧にやりなさい」などは効果がありません。
具体的ではないからです。
■テストのとき直しも具体的にやり方を伝える
過去のマンスリーを解いたら(ここでも「バツだった問題の中で正答率40%以上のもの」くらいの指定をしましょう)、答え合わせと直しをする。
直しのやり方も指定してあげるのがよいでしょう。
どうして間違ったのか。
覚えてなかったのか、計算間違いをしたのか、そして結局わかったのか。
どうしてもわからなかった、というなら仕方がない問題です。
塾の先生に質問するか、とりあえず今はおいておくのか決めればいいですね。
わかった、次はできるというなら「次にやることリスト」入りです。
次の週にやるとか、確認の機会を入れればいいですね。
こうやって細かくやっていくと「なかなか前に進まないなぁ」と感じることもありますが、急にぐぐっと「伸びた〜!」と感じる時が来ます。
そのときがお子さんのモチベーションが上がるときです。
こういう勉強のしかたに切り替える最後のチャンスが5年生です。
新しい学年になって1か月。
学習サイクルもできてきた頃ですね。
「復習」の時間を入れるところはどこか、考えてみましょう。

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水戸 偕楽園にて。梅は桜とはまた違った美しさがありますね。
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かしこい塾の使い方 2017年03月07日20時08分
主任相談員の辻義夫
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である辻義夫が家庭学習で悩んでいる方にすぐに実践できる効果的な学習方法をお教えします。
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