算数力を育む土台になる、幼児期や低学年での生活体験とは

算数力を育む土台になる、幼児期や低学年での生活体験とは
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幼児期のお子さんに、できれば将来算数をはじめとした理数系科目の勉強が好きになってほしいと考える親御さんも多いのではないでしょうか。
子どもを算数嫌いにさせないためにも、幼児期や低学年の「数に関する生活体験」はとても重要なものです。
ではお子さんの幼児期、どのようなことに気をつけていればいいのでしょう。
ここでは、幼児期のお子さんの算数の勉強について考えてみたいと思います。

「なぜその答えになるのか」を考えさせる勉強

お子さんの算数の教科書を見ていただくとわかるのですが、昔のように計算問題やその説明がずらずら並んでいるだけでなく、中学年、高学年になってもイラストや、計算方法や文章題の解法についても図解しているものが多く、なんとなく簡単になっているように見えます。
でも、見た目は昔よりやさしくなっているように感じても、実は、内容は簡単になっているわけでなく、むしろ難しくなっています。

というのも「なぜそうなるのか」「なぜそういう筆算をすると正解が出るのか」ということを、感覚で理解させようとしているのです。
機械的な計算や暗記ではなく、算数の本質的な概念を少しずつでも着実に理解させ、どんな問題にも自分の知識を総動員して試行錯誤しながら取り組める力を育むのが目的です。

「ゆとり教育」の反動もあり、今の教科書はとても充実していると思います。
今の算数は、お父さん、お母さんの世代の教え方とはまったくちがいます。そのことを理解しておく必要があります。

「答えが合っているだけ」では不十分

小学校低学年の算数は、答えが合っているだけではまったく意味がありません。
「なぜその答えになるのか」を自分の言葉で説明できるところまで納得できている必要があります。
学校でもそこを目指して算数を身体感覚として、楽しく学習できるようにおはじきなどの各種道具が用意されています。

それだけていねいに教えられているのに、なぜ多くの子どもが算数嫌いになってしまうのか、その原因は、算数の指導自体がとても難しいということが挙げられます。
社会や理科はすでに起こっている現象を解説するものですが、算数は「なぜそうなるのか」「どうして解くのか」を教室の子どもたちに深く納得させる必要があります。

これには高い技量が必要で、また集団指導で「全員がちゃんと理解したかどうか」を確認することは不可能なので難しいでしょう。
そこで宿題が出るわけですが、ともすれば宿題の点検は「やってきたかどうか」になりがちです。

「答えが合っているか」を見てもらえても「どうやって解いたのか」「本当に理解しているか」まではなかなか見てもらえません。
本当に大切なのは「理解して、納得して解いたかどうか」ですが、そこまで先生が見ることができないのが現実ではないでしょうか。

本来ならここで親の出番なのですが、お父さん、お母さんにとっても「子どもが宿題をやっているか」が最優先で、しっかり理解できているかどうかを確認するのは困難です。
「答えは合っているけれど、実はしっかりできていない」という子どもの状態には気づきにくいと思います。

そしてそのうち、子どもが「算数が苦手」「おもしろくない」「嫌い」と言い出し、気づいたときには手も足も出なくなってしまうのです。

生活体験が算数に直結する

幼児期の子どもの生活体験は、そのまま小学校1年生の算数の勉強に直結します。
「お客さんが4人来るから、お皿を並べておいて」「コップとお箸も、みんなの分並べておいてくれる?」
子どもがこのような体験をしたかが、実は大きく影響してくるのです。

椅子が4つあるテーブルなら、子どもはお皿を4枚数えることなく、ただ椅子の前に1枚ずつお皿を並べていくでしょう。
そして、お箸はもちろん2本ずつ置いていくでしょう。

この、一見当たり前のことが、実はとても大切なのです。
お箸は2本で1組、ぜんぶで8本で4組ということを体験的に理解します。
おはじき遊びも数を数えて遊ぶだけでなく、「あと何個あれば10個になるか」という十進法の感覚を身につけることにつながります。
遊びを通して数を比べたり、均等に分けたり、いろいろな算数の感覚を知ることができます。

このような体験を、幼児期や低学年のうちにできるだけたくさんさせてあげてください。

数の数え方でとまどう子どももいる

子どもが小さいうちは「ひとつ、ふたつ、みっつ」と数えていたのに、そのうち、「1、2、3」という数え方をするようになります。
ここまではいいのですが、さらに「個」「本」「匹」など、助数詞をつけるようになり、そこで戸惑ってしまう子どもも実は少なくありません。

「10匹」は「じゅっぴき」ではなく、小学校では「じっぴき」と読ませるのですが、このあたりで混乱してつまずいてしまう子もいます。
これも学校で教えられるより、それまでに日常的にどれだけ大人と楽しい会話をしてきたか、ミニカードやぬいぐるみ、怪獣のフィギュアを並べてごっこ遊びをしたり、動物園で動物の数を数えたりしてきたかという日常体験がとても大きくかかわってきます。

「なぜその答えが出るのか」を考えさせる最近の算数の目的に近づくためにも、そうした生活体験はとても重要なので、ぜひ幼児期や低学年のうちにさまざまな体験をさせてあげてくださいね。

この記事を書いた人
主任相談員 西村 則康 主任相談員 西村 則康 西村先生に家庭教師に来てほしい方はこちら
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