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中学受験 小さな成功体験で子どもの自己肯定感を高める

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公開: 最終更新日:2021年07月21日

小さいうちから子どもをたくさんほめてあげて「成功体験」を積み重ねていくことはとても大切なことです。今回の記事では、子どもの成功体験と自己肯定感の関係性についてお伝えします。

幼少期の成功体験が乏しい場合

親御さんから「うちの子の成績を、すぐに上げるにはどうしたらいいでしょうか」という相談を受けることがよくあります。
もちろん、お子さんを思う親御さんの気持ちはよく理解できますし、できる限り親身にお答えするようにしています。
でも、すぐに効果が現れて成績がぐんぐん伸びる子もいれば、そうはいかない子もいます。

特に、幼少期からの「成功体験」が乏しい子どもの場合、結果が出るまで時間がかかる傾向があります。
成功体験が少ないと自己肯定感や自立思考力が弱く、どうしても勉強を「やらされている」という感覚で取り組んでしまう子どもが多いのです。

そういう子にむずかしい問題を解かせようとすると、問題を見たとたんに、手を止めてしまい、じっと固まってしまいます。
「自分に解けるはずがない」と決めつけてしまっているのです。
がんばって解き始めても、途中で壁にぶつかると、そこで簡単にあきらめてしまいがちです。

成功体験によって「自己肯定感」を持っている子ども

逆に、欠点や間違いではなく、長所やできたことを評価する「加点法」で親にたくさんほめられた子どもは「成功体験」を積み重ねてきているので、自信が身についています(「自信」という言葉自体、あやふやな意味で捉えられていることが多いのですが、私は文字通り「自分を信じられること」と考えています)。
できる、できない以前に、「自分ならできるはずだ」と必死で食らいつくのです。
「これがだめならこの方法かな」と、算数の文章題なら問題を読みながら線分図を描いたり、国語なら問題文の重要箇所に印をつけたりして、なんとかして解こうとします。
試行錯誤して、自分で考えて解こうという姿勢がある子は、順調に伸びていきます。

このことは、中学受験だけではなく、高校や大学受験、社会人になったときの仕事に対する姿勢にも影響を与えます。
小さな成功体験によって自己肯定感を積み上げた子は、すぐにあきらめることなく「今回も、なんとかなるかもしれない」「きっとなんとかなるはずだ」と、さまざまな方法で乗り越えようとします。
大人になって、どんなに困難な仕事にも前向きにチャレンジしようと努力することにもつながるのです。

幼少期に成功体験を積み上げることは、子どもの「生きる力」を磨くことになります。どんなに小さなことでも、子どもの「できたこと」を評価してあげていただきたいと思います。
そんな親御さんの前向きな接し方が、子どもの自己肯定感を高めていきます。

まずは「ありのまま」を認めるところから

「褒めて伸ばす」「小さなことでもできたことを評価する」と言われるとなんだか大変そう、と構えてしまいそうですが、まずは子どものありのままを「認める」ことをスタートにするとよいと思います。

大人もそうですが、がんばった、努力したからといってすぐに結果が出るとは限りません。
うまくいかないことのほうが多いといってもいいでしょう。
これは受験勉強をしている子どもでも同じです。

大切なことは、がんばってみたけどできなかった、いい結果が出なかったという場合に、親が子に不満を示さないことです。
お子さんが残念がっているなら一緒に残念がってあげましょう。
その上で、次はどうすればいいかを分析し、子どもと一緒に考えてあげるようにすれば、お子さんは「次もがんばってみよう」という気持ちになるものです。

このようにして努力し、結果として小さな成功が経験できれば、親も子も嬉しいはずです。
そんなときは、親子で喜びを分かち合うといいですね。
こういう小さな成功体験の積み重ねが、子どもの自己肯定感を育んでいきます。

子どもが自己肯定感を育めるかどうか、実は大きな部分は親にかかっています。
親も構えすぎず、子どもと一緒にがんばるというスタンスでいればうまくいきそうですね。

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