中学受験情報局『かしこい塾の使い方』

「努力の量」で勝負する受験は、もう限界です。合格の鍵を握る「最後の一要素」とは?

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公開: 最終更新日:2026年01月23日

こんにちは。主任相談員の西村則康、辻義夫です。

新学年への準備や日々の公開模試、そして膨大な宿題。受験生の親御さんにとって、悩みは尽きないことと思います 。特に、5年生、6年生と学年が上がるにつれて、多くの方が直面する「ある壁」があります。

「塾の宿題は必死にこなしているのに、模試の応用問題になると手が出ない」
「低学年の頃はあんなに知りたがりだったのに、今は勉強が『作業』になってしまっている」
「親が管理しないと、机に向かうことすらできない」

もし、一つでも当てはまるなら、今のお子さんの学習には「決定的な一要素」が欠けているかもしれません。それは、偏差値や暗記量よりもはるかに重要で、入試本番で「自力で突破する力」の源泉となるものです。

私たちは、5000件以上の家庭をサポートしてきた40年の結論として、それを「勉強メンタル」と名付けました。

この記事の執筆者

西村則康近影

西村則康 名門指導会代表

40年以上、難関中学・高校受験指導一筋のカリスマ家庭教師。
「なぜ」「だからどうなる」という思考の本質に最短で入り込む授業を実践している。受験を通じて親子の絆を強くするためのコミュニケーションをアドバイス、コーチング手法も取り入れ、親子が心底やる気になる付加価値の高い指導を行う。

この記事の執筆者

辻義夫近影

辻義夫 主任相談員

「わくわく系中学受験」を提唱する理科のスペシャリスト。
これまでに指導してきた生徒は数千人にのぼり、多くの逆転合格を生み出してきた。難解な理科の概念を、身近な例えを用いて「見える化」する授業スタイルは、子どもたちだけでなく保護者からも絶大な信頼を寄せられている。

本当にかしこい子になる 勉強メンタルの育て方

1. 偏差値の壁を突破する子が持つ力とは?

中学受験の指導現場にいると、新4年生の段階で「この子はグングン伸びる」「この子はどこかで失速する」ということが、ある程度予測できてしまいます。

その差は、決して地頭の良し悪しではありません。「勉強をタスク(作業)としてこなしているか、新しい知識を得る機会として向き合っているか」の違いです。

多くの受験生、そして親御さんが陥るのが、「丸暗記」と「大量演習」という学習法です。塾で言われた通りに解き、繰り返し解く姿勢は、かつての受験では通用しました。しかし、これでは近年、難関校が求める「思考力」や「表現力」は育ちません。

一方で、難関校に進もうとする「本当にかしこい子」たちは、全く違う景色を見ています。新しい知識に出会うたびに「へぇ〜!」「なるほど!」と心を動かし、正解以外の選択肢にまで「これってどういう意味だろう?」と自ら寄り道をします。この「こころの動き」を伴った学びこそが、私たちが提唱する「勉強メンタル」の正体です。

ここまで聞いた方は「そんなお子さんなかなかいない」「特別な子」と断じてしまうかもしれません。しかし、思い出してほしいのです。小さな頃は新しい知識に出会うたびにほとんどのお子さんは心をはずませ、「なんで?」「どうして?」と親御さんに問いかけを行っていたのではないでしょうか?

2. 良かれと思った「親の熱心さ」が招く、教育の落とし穴

「わが子のために」と一生懸命な親御さんほど、実は無意識に「勉強メンタル」を削り取ってしまう落とし穴にはまっています。

子どもは生活に「余白」がなくなると、立ち止まって不思議に思う余裕を失います。
しかし、「この時間に◯◯をしなくてはいけない」「問題を10問解かないといけない」「習い事にいかないと行けない」と予定を詰め込むことで、その余白を失ってしまいます。親御さんに言われると、手を付けられていなかったとしても「やらなくては行けない」と、お子さんは頭の中で反芻し、心に余裕を持てなくなってしまいます。

もちろん、毎日の勉強を習慣化することや、やりたい習い事を十分にやらせて上げるということはとても大切なことです。それが、お子さんにとっての充実した生活につながるのはいうまでもありません。

しかし、詰め込みすぎると、その結果、ゆっくりと問題を考えながら、問題と向き合いながら解くという余裕を失い、目の前の課題をこなすだけの「丸暗記マシン」になってしまうのです。

親が先回りして「ハンドル」を奪う 「失敗してほしくない」と親がなんでも先回りして整備された道を歩かせていませんか? 自分で考えて工夫する機会を奪われた子は、入試本番という「親のいない戦場」で、自力でハンドルを切ることができなくなります。

3. 「勉強メンタル」は精神論ではなく”今”必須の能力

「西村は今更、根性や精神論で中学受験を乗り切るという話をしているのか?」と思われた方もいるかもしれません。

違います。

私たちが言う「勉強メンタル」とは、もっと能動的でワクワクするものです。

「勉強が大好きな子」を育てる最強のエンジン

すべての学びの土台は、「なぜそうなのだろう?」という疑問、つまり「好奇心」にあります。

低学年までのお子さんにとって、勉強メンタルの原動力はこの純粋な好奇心です。「知らないことを知るのは楽しい」という心地よさが、努力を努力と思わせず、自然と机に向かわせます。

高学年で育つ「目的意識」と「自問自答の力」

さらに学年が上がり、精神性が育ってくると、勉強メンタルはより高度な「自問自答の力」へと進化します。

高学年で「成功する自走」ができる子は、ただ「好きだから」やるだけではありません。自分の学習を客観視し、「この式で本当にいいのか?」と自分に問いかけながら考えようとします。この力が、難問を解く際の粘り強さとなり、合格を自ら掴み取る力へと繋がっていくのです 。

4. すべての土台は、親の「笑顔」から始まる

お子さんの「勉強メンタル」を育むために最も強力な肥料となるのは、親御さんの「絶対的な安心感」です。

親が子どもの時間を管理し、常に「できないこと」に目を向けているご家庭では、お子さんの頭の中では「やらないといけないこと」がぐるぐると回ってしまっている状態になり、余裕を失い、好奇心に蓋をしてしまいます。

逆に、親がニコニコとご機嫌で、失敗を面白がってくれる「安全地帯」があれば、お子さんは安心して「なぜ?」を口にできます。

この「親メンタル」の安定こそが、お子さんの学びを加速させるための必須条件なのです。

では、お子さんの「勉強メンタル」、そして、親御さんが持つべきお子さんの好奇心を伸ばす「親メンタル」をどのようにして身につけていくのかについてお話しを進めていきます。

好奇心を伸ばし、思考力、自己解決能力を伸ばす「勉強メンタル」の身につけ方

低学年、及び、受験学年向けの勉強メンタルの身につけ方の具体的な行動をいくつかご紹介します。

【低学年向け】遊びや暮らしを「学びの土台」にする行動

キッチンで「かさの感覚」を実際に量って体験する

算数や理科の単位を頭だけで覚えず、1リットルの牛乳パックが200ミリリットルの計量カップ何杯分になるか、実際に水を量って体験させます。
「水があふれそう!」といった驚きを伴う体験(身体感覚)が、将来の「かさ」や「単位」の深い理解を支える土台になります。

リビングで親子一緒に図鑑や辞書を引く

子どもが疑問を持ったときに「自分で調べなさい」と突き放すのではなく、リビングに置いた図鑑や辞書を親も一緒に楽しみながら開きます。
「こんな使い道もあるんだね」と周辺知識にも目を向けさせることで、未知のことを知る喜びを共有し、自ら調べる習慣(勉強メンタル)を育みます。

【高学年向け】自律した「自問自答の力」を育てる行動

塾や学校の授業内容を親に説明する「おしゃべり復習」

宿題に取りかかる前に、「今日はどんなことを習ったの?」と聞き、子どもに先生役になってもらって授業内容を再現してもらいます。
親が「なるほど」と聞き役に回ることで、子どもは自分の頭で情報を整理してアウトプットする練習になり、知識の定着と客観視する力が飛躍的に高まります。

間違いを指摘せず「どうしてこのやり方にしたの?」と尋ねる

テストや宿題でミスを見つけたとき、正解を教えるのではなく、あえて「どうしてこういう式を立てたの?」ととぼけた感じで聞いてみます。
自分の考えを説明する途中で子ども自身が「あ、ここが違う!」と自力で間違いに気づく経験をさせることで、入試でも必要な「自問自答する力」を養います。

家族旅行の「計画」を子どもに分担させる

旅行の際、目的地やルート、予算の管理などを子どもに相談し、計画の段階から参加させます。
「連れて行かれる客」ではなく、自分で考えて行動を決定する経験を積むことで、勉強においても「自分でハンドルを握る(自走する)」メンタルを育てます。

今回は5つのみご紹介いたしましたが、好評販売中の「本当にかしこい子になる!勉強メンタルの育て方」にて、細かくご紹介しています。

そして、こちらの書籍の出版記念として、対談セミナーを行います。

特別対談セミナーのご案内:『なぜ?』を『わかった!』に変える魔法

「勉強メンタル」をどう育て、志望校合格へと結びつけていくのか。その具体的なメソッドを、2月9日の特別対談セミナーで初公開いたします。

低学年の親御さんへ: 「勉強しなさい!」と言わなくても、お子さんが自らワクワクしながら机に向かう「勉強に前向きな子」に育てるための家庭環境と声かけの秘訣をお伝えします。

高学年の親御さんへ: 入試本番に向けて、親子共に崩れない「最強のメンタル」の作り方を伝授。さらに、正しい学習習慣を定着させることで、親の管理を卒業し、合格を引き寄せる「真の自走」への切り替え方を詳しくお話しします。

さらに、【注目】明日から家庭が変わる「親メンタル・書き換えワークショップ」

セミナー後半では、知識を得るだけでなく、その場でお子さんとの関係をアップデートする体験型ワークショップを行います。

「わが子の現状」を客観的に書き出す 今、お子さんはどんな表情で勉強していますか? 親御さんはどんな風に接していますか? まずはありのままの現状を可視化します。

「理想」と「現実」のギャップを埋める 「勉強メンタル」の視点を取り入れると、今までの接し方のどこに「ブレーキ」があったのかが見えてきます。

明日からの「魔法の声かけ」を具体化する 「どんな態度で、どんな声をかけてあげれば、あの子の瞳は再び輝き出すのか?」具体的な言葉をその場で書き出していただきます。

「指示」を「伴走」に変える。この10分間のワークが、あなたとお子さんの受験生活を劇的に変えるきっかけになるはずです。

詳細・お申し込みはこちら

親御さんが抱く「大人の当たり前」を一度下ろし、お子さんの「こころの動き」に寄り添ってみてください。勉強は「苦行」から、親子で楽しむ「冒険」に変わります。

皆さまと当日お会いできるのを、楽しみにしております。

西村則康 辻義夫

本当にかしこい子になる 勉強メンタルの育て方
この記事を書いた人
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