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中学受験 点数につながる!効果的な理科社会の暗記法とは

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公開: 最終更新日:2021年07月20日

中学受験において、算数や国語と同じくらい理科と社会も重要です。
しかし、暗記が苦手で点数が伸びないという人は少なくありません。
ここでは中学受験の理科と社会、特に暗記に関する方法やアドバイスなどをご紹介していきます。

理社の暗記は直前の「詰め込み」でも大丈夫?

理科の生物、地学分野と社会は暗記教科という認識が強く、受験直前の「追い込み」でがんばればなんとかなる、という風潮があります。
しかし、直前の詰め込みで覚えられるほど、理科と社会で覚えるべきことの総量は少なくありません。

たとえば社会でいえば、地理、歴史、公民の3分野を4年から6年の夏までに学習します。もちろん歴史は古代から現代まで(これをサピックスでは5年生の9月から1月でひと通りやってしまいます!)、公民では日本国憲法に始まり三権分立や国会のしくみ、国際社会まで、よく小学校では「時間切れ」になって学習しないままになる範囲まで含め、すべてが受験の出題範囲です。

そのなかで「積み残し」が多いと、直前期に過去問演習などで忙しい中、カバーしきれないのです。
多くの学校では、理科と社会の入試の配点は算数、国語よりも低めですが、筑波大附属駒場中など「均等配点」の学校だと、理社ができなければ「致命傷」となりえますし、開成中のように「高得点勝負」となる理社の出題だと「理社で合格することはないが、理社で落ちることはある」といったことが起こります。

そうならないためには分野を分けて、細かく計画的に覚えることが必要です。量が多いため、毎日の積み重ねが大事になります。
一度覚えたことでも何日かしたら忘れるということがありますので、覚えたら何日か後に思い出すということを繰り返します。
これにより記憶が強化されて、強い記憶として脳に刻み込まれるのです。

この作業には時間がかかります。覚えて、忘れて、思い出すということを繰り返すからです。この過程を何度も経ることで、受験の時に役に立つ記憶となります。
しっかり覚えていないと、受験の緊張で忘れてしまうこともあるでしょう。
そうならないために繰り返し覚えて、暗記することが大事です。

ポイントは「今、塾で習っていること」以外の分野を毎日少しずつ、コツコツ勉強することです。
5年生後半、歴史を習っているときに、地理の復習をコツコツやる、といったイメージです。

工夫次第で暗記分野は得点源に

暗記が苦手という子は、単純な作業が嫌いという傾向があります。
でもちょっとした工夫をすることで、暗記は楽しくも、得点源にもなりえます。
暗記を楽しくする方法としては、「語呂合わせ」がスタンダードですね。
「鳴くようぐいす平安京(平安遷都:794年)」は有名ですが、他にも「以後よく広まるキリスト教(キリスト教伝来:1549年)」「いちごパンツの本能寺(本能寺の変:1582年)」など面白いものがたくさんあります。
面白い語呂合わせだと暗記も面白くなりますので、自分なりの語呂合わせを作るという方法もいいでしょう。

「替え歌」という方法もあります。リズムに合わせて暗記をしていくというのは、特に音に敏感なお子さん(よく鼻歌を歌っているとか、テレビCMのキャッチフレーズをすぐに覚えてしまうようならこのタイプです)には特に効果的です。頭の中で曲が流れれば、ぱっと単語が出てくるのです。

学習漫画という方法もあります。語呂合わせや替え歌もいいのですが、暗記の本質は「理解のともなった記憶」です。
文字だけよりも絵、ストーリーが一緒にある方が記憶しやすいのは、大人も子どもも同じです。その点で漫画は効率のいい暗記ツールになります。
暗記で大切なのは、「他のことと関連して覚える」ということです。

「頭がよくなる 謎解き理科ドリル」「頭がよくなる 謎解き社会ドリル」といった、マンガのように読んで楽しく覚えることを目的として作られた書籍も、近年増えました。

さまざまな方法、ツールを利用することで、立体的な知識をつけることが大切です。

暗記法こそ「大人の知恵」も活かして

暗記をするとき、子どもは丸暗記をすることがあります。
一問一答の問題集を一番上から順番に覚えるような暗記方法です。
こればかりだと、その問題集は完璧に答えることはできても、テストで別の角度から質問されると答えられないということが起きます。

各塾、理社の暗記用テキスト(サピックスなら「コアプラス」、四谷大塚なら「四科のまとめ」など)がありますが、これだけだと「暗記テスト用」の知識にしかならず、入試に出るような「大問」には対応できません。
つまり、理解のともなう暗記を大人がアドバイスする必要があるのです。

暗記をしたら、その単元がテーマの問題を解くようにするのです。
暗記をして終わりではなく、テストに出るような問題を解かせることが大事です。
子どもの自主性に任せるということも大切ですが、勉強の目的をしっかりと認識させるのは、大人だからこそできることです。
細かな科目内容については教えられなくても、親ができることはたくさんあります。

中学受験の理科と社会、もちろん直前の勉強も効果的です。
1つのことがらを覚えれば、そのぶんだけ「覚えたことが得点に変わる」可能性が出てくるという意味で、入試前日、当日までが暗記の勉強期間といえますね。
とはいえ、直前の猛勉強も時間をかけてつけてきた知識があってこそ。

語呂合わせ、替え歌、マンガなどのツールも含め、どのような工夫ができるか、今一度考えてみましょう!

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