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”ちょっとしたコツ”で国語を得意にする 中学受験国語のツボ まとめ

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公開: 最終更新日:2024年04月03日

中学受験の国語は、算数・理科・社会の他の教科と比べ、「勉強する方法がわからない」と言われることが非常に多い教科です。

国語の成績が安定して伸びているお子さんのご家庭に聞いても「何をしているか?」が具体的にわからず、国語の成績を伸ばす方法がわからないと悩まれるご家庭が非常に多いです。

結論から申しますと、安定して中学受験の国語の成績を上げる、具体的な方法は存在します。

こちらの記事では、中学受験の国語の成績を伸ばすために知っておくべきことと、1ヶ月で偏差値+5UPを狙うための、中学受験の「長文読解」の学習方法について、まとめました。

1. 中学受験の国語とは?

なぜ、中学受験の国語だけが「明確な勉強法」がなく、「問題集の問題を解き続ける以外に、勉強方法がない」と思われているのか?

その原因を知っていただくために、まずは「中学受験の国語」について、求められる知識・レベルについて解説します。

なぜ小学校の国語テストで100点でも、塾では点数が取れないのか?

小学校の国語のテストで、ほぼ毎回100点を取っているお子さんが、中学受験の進学塾のテストでは60点くらいしか取れないということはよくあります。

もちろん、中学受験の進学塾で扱われる問題のレベルが高いこともありますが、塾の国語のテストで点数が取れないのは、そもそも小学校と塾で求められている「国語」の能力に大きな違いがあるdからです。

小学校の国語の授業は、先生の授業スタイルによって、例えば、同じ教科書を使っていても、1つのテーマを作って、子どもたちを話し合わせたり、発表する機会が多く設けられていることがあるなど、大きく違いが出やすいといったことがあります。

簡単にいうと、小学校の国語では「自分がどう思ったか?」を伝えることで、国語の力を育てていきます。

このように小学校の国語の学習は、◯✗といった単純な正誤だけでは測れないのが最大の特徴です。

一方、中学校受験の国語では、出題された問題に正答することが求められます。

筆者の意図の、そのさらに裏にある「出題者」はどのような答えを期待しているのか?までを理解しているかが学習の肝となります。

まとめると、小学校の国語の授業が「自分が感じたこと・思ったことを外に伝える」力を伸ばすのに対して、中学校受験の国語では「筆者、ひいては、その裏にいる出題者が何を思っているのか?」を読み取る力が求められます。

小学校のテストで100点を取れるお子さんでも、中学受験の塾のテストで点数が取れないのには、このような背景があるのです。

中学受験国語の難易度・レベルはどれくらいなのか?

中学受験の国語の難しさ・レベルは、どれくらいか?というのもよく頂く質問です。

結論から申しますと、難関校では、大学受験を経験した大人が読んでも理解できないような文章が当然のように扱われます。

学校によって取り扱う題材・難易度も大きく変わるのですが、中学受験の国語の難易度をお父さん・お母さんがわかりやすい要素をまとめてみました。

■ 小学生のお子さんにとって、想像しにくいテーマも積極的に扱われる

中学受験の国語では、様々なテーマが扱われる上に、難関校では小学生が実体験では想像がしにくいような題材も積極的に扱われます。

たとえば、

「継母に冷たく当たられる子どもの物語」

「両親の死」

「昭和初期の家族の物語」

など、多くの小学生が経験したことの無いテーマが扱われ、入試本番で初めて読むテーマも珍しくはありません。

初見のテーマでもブレずに解答ができる本質的な読解力が求められることから、中学受験国語の非常に難易度の高いことがわかります。

■ 文章量が膨大で、時間が足りないお子さんも珍しくない

中学受験の国語レベルの高さがわかりやすい要素の1つに「文章量」が膨大なこともあげられます。

中学受験の国語の中でも最難関の問題を出す桜蔭学園の問題を見てみると、50分の試験で、大学入試に匹敵する、大問2題で8000文字を超える文章が出されるくらいです。

精読力だけではなく、速読の力も求められるという、まさに中学受験国語のレベルの高さがよくわかる典型例です。

2. 中学受験の国語で求められる「国語力」とは?

中学受験国語で成績を伸ばす3つの力

よく使われる「国語力」という言葉ですが、中学受験で求められる国語力は「論理力」「感情を読み取る力」「語彙力」の3つに分けると、わかりやすいです。

先に解説した通り、中学受験の国語では「出題者の意図を正確に捉え、筆者の意図を理解し、正答を考える」ことが求められます。

そのためには、「論理力」「感情を読み取る力」「語彙力」の3つの力が必要になってきます。

個別に解説します。

論理力(情報整理能力)

事実を客観的に捉え、情報を整理する力です。

中学受験の国語で言えば、本文を読み、主題は何かを論理的に頭で整理する力です。

簡単に言えば、何が書かれていて、それに対して筆者は何を感じているのか?を把握する能力ですね。事実と感情をわけて、考える力でもあります。

感情を読み取る力

他人の感情を正しく感じる力も中学受験で求められる力です。

「他人の感情を正しく感じる力」を生徒に求める条件として大切にしている学校も多く、そのため国語の試験では特に重視さやすい能力です。

相手の気持ちになって共感できる力が育っているかどうかを、「その時、登場人物はどう感じたのか?」という形式の問題を通して擬似的に測っているといっても過言ではありません。

また、中学受験では日常生活で多くのお子さんが体験していないような題材(死別・恋愛などのテーマなど)が出されることも多いため、物語によく出されるテーマや感情をあらかじめ勉強することで、感情を読む力を身につける勉強法も求められます。

語彙力

中学受験の国語では、素材文自体が大人向けの文章から出されることも多いため、語彙力(漢字を含む)が強いお子さんほど、成績が上がりやすくなります。

ただ、語彙力というのは丸暗記では身につけることはできません。

というのも、中学受験の国語で求められるレベルの語彙には、小学生の生活の中では、まず使われないような言葉もたくさんあります。

そのため、どのようなときに使う言葉なのか?をお父さん・お母さんがお子さんにとって身近な例で説明・体感させてあげることが大事になります。

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これら3つの力を伸ばすことが、中学受験の国語の成績を伸ばすことに直結してきます。

お父さん・お母さんが頭においておき、普段の学習を進める中で、時折この3つの力を思い出し、意識していただければ、国語の勉強の方針が立てやすくなると思います。

これら3つの能力を総合的に伸ばしていく、具体的な勉強方法について詳しくは「3. 中学受験の国語の成績を上げるには?」も合わせてご参照ください。

子どもの将来に役立つの?中学受験国語で伸びるお子さんの力とは?

「中学受験の国語で培う力は、子どもにとって役に立つのか?」というご質問もよくいただきます。

書かれている情報を正しく読み取り、整理して理解するという能力は、国語だけでなく、算数・理科・社会にも役立つのはご存知の通りです。

それだけではなく、

眼の前で起きている事実を、客観的に捉え、自分の言葉でわかりやすく伝えることができる。

周りの人の感情の変化を敏感に感じ、ときに共感できる力。

自分の気持ちをわかりやすい言葉で説明できる語彙力。

どれをとっても、お子さんが社会に出ても、必ず役立つ力でしょう。

中学受験での志望校合格という目標のための国語学習はもちろんのことですが、それ以上にお子さんの将来にとって役立つのも国語学習の醍醐味です。

将来の役に立つということも、お父さん・お母さん、そしてお子さん自身が国語学習を頑張るモチベーションの1つとして考えてみると、国語学習が進めやすくなるかもしれません。

3. 中学受験の国語の成績を上げるには?

ここまでで、中学受験の国語で求められる「力」について解説しました。

続いて具体的に、どのように学習を進めることで、中学受験の国語の成績を上げることができるのかについて詳しく解説していきます。

【初めの第一歩】「自分の考え」は聞かれていないのを理解する

中学受験の国語では、「筆者の考え」及び「出題者が何を聞きたいのか?」を理解した上で、回答を考えることで、正解にたどり着くことができます。

ところが、多くの小学生のお子さんは、まだまだ未熟なため「自分がどう感じたか?考えたか?」を主軸に回答を考えてしまうのです。

国語の成績が伸び悩むお子さんの大半が、この「自分の考え」を主軸に問題を考えてしまうことから脱却できていません。

お子さんに、

・問題文では何の話を伝えていたのか?
・何がテーマで、筆者はそれに対してどういう意見を持っているか?
(何が起きて、登場人物はどう感じたのか?)
・出題者は何を聞いているのか?

というような質問をしながら、「筆者と出題者」はどう考えているかを考えられるようにしてあげましょう。

これが中学受験の国語の成績を上げる第一歩になります。

【タイプ別】長文問題の対策方法まとめ

中学受験の国語で取り扱う文章の種類は、「物語文」「論説文」「随筆文」の3種類のタイプがあります。

多くの進学塾では、4年生の内は「物語文」を中心に学習を進め、5年生から「論説文」も扱い、6年生になると「随筆文」を扱うようになります。

ご家庭で国語の学習をする際には、ただ問題を解くだけでなく、文章の種類ごとに、「どう考えればよいのか?」をお子さんに教えてあげることで、国語の成績を上げやすくなります。

ここでは簡単に、長文の種別ごとにお子さんへの教え方をまとめます。

物語文

中学受験の国語の苦手なお子さんに共通するのは、物語文の「出来事を追うこと」しかできないという点です。

物語文の対策としては、大きく2つ取り組んでいただきたいことがあります。

1.場面を想像する練習をする

2.場面転換・場面描写に連動する登場人物の感情に注目する

という2点です。

1の場面を想像する練習については、「どんな登場人物?漫画のキャラクターだと誰みたいな人?あなたの頭の中ではどんな顔で、どんな服を着てる?」といったように質問をしてあげ、文章を読んだときに、頭の中に映像化される練習をしてください。

2の「場面の転換・描写に登場人物の感情が連動することに注目する」のは、「空がどんより曇ってきた」というような描写に登場人物の感情がかかっているなど、場面の変化やストーリーの転換によって、登場人物の心情がどう動くかに注目する練習をしましょう。

論説文

中学受験の国語の論説文対策としては、段落ごとの筆者の主張に注目する練習が有効です。

まず、最初の段落を見て、「何について論じている文なのか?」を瞬時に判断する練習が最初の1歩です。また、このテーマについて、最終段落に筆者の意見がまとまっています。

この最初と最後を見て、「何について、どういう意見なのか?」を理解できるようにしましょう。

ここまでができるようになれば、段落ごとの筆者の主張は何か?に注目する練習をしてください。

段落ごとに中心文(筆者の考えが述べられているメインの文章)に線を引く練習をします。

この中心文をつなげて要約をする練習までができるようになると、論説文の成績は大きく伸びてきます。

随筆文

中学受験国語の随筆文は、「物語文」と「論説文」の複合の文章です。

筆者の実体験をもとに、筆者の主張が書かれていく文章になります。

随筆文の対策としては下記2点に気をつけることが、国語の成績UPの鍵となります。

1. 「事実」と「考え」を切り分ける思考

実体験に基づいて、筆者の考えが述べられるのが随筆文です。

そのため、どこまでが事実で、どこからが筆者の考えなのか?を切り分けて考える練習が必要となります。

2. 随筆文 = 批判的・否定的な文章

ほとんどの随筆文が、筆者が体験したことに対して、否定的な「批判」をする文章になります。

このことを念頭において、文章を読むことで、「テーマが何で、それをどのように批判しているのか?」が考えやすくなります。

上記2点に気をつけて、随筆文を読む練習を行うことで、随筆文の読解力は高まっていきます。

設問ごとの「解き方」を知る

短期間で、中学受験の国語の成績を上げるには、長文(素材文)の種別以外に、問題の種類ごとに、正答の出し方を練習するのも、有効です。

国語のテストでの出題には、「抜出問題」「選択問題」「記述問題」3種類があります。

抜出問題

まず前提として、抜き出しの候補が複数出るように問題が作られていることを教えてあげてください。

そのため、まずは正答と思われる候補をチェック(横線を引くなど)することが大事です。

候補がある程度絞り込まれた段階で、文字数が合致するものを選ぶようにすることで正答を得られるようになります。

選択問題

中学受験の国語では、毎回、なんとなく解答しているお子さんも珍しくないのですが、選択問題には、解き方の流れがあるため、知っていると知っていないでは正答率が大きく変わってきます。

一般的に選択問題はたった2ステップで、選択肢を一気に絞り込むことができるようになります。

【選択問題を正答させる2ステップ】

1. まずは明らかに本文と異なった内容のものを外す(この時点で2択まで絞れるケースが多い)

2. 残った選択肢について、関連しそうな本文の部分に戻り、確認をする

簡単な問題は、これだけで正答率がグッと上がります。

まずは、ここまでを必ず教えてあげてください。

ただし、高学年後半になってくると問題が複雑になり、もう少し高度な考え方が求められます。

上記2つの作業で絞り込みきれない問題については、

【わかりにくい選択肢を更に絞り込むには?】

■ 本文と違う言葉が使われていても、筆者の主張は正しくまとまっている選択肢はないか?

■ 概ね、本文と同じことを言っているが、一部本文の内容と異なっている箇所がないか?

■ 本文と因果関係など論理が逆になっていないか?

(本文では「Aだから B」 と言っているのに選択肢では「 BだからA」と言っている)

■ 論説文は「事実」「筆者の考え」が述べられているが、事実だけが述べられている選択肢になっていないか?

といった視点で考える練習を行っていきましょう。

記述問題

記述問題のコツは、指定された文字数で書き方を変えるという方法です。

大きく分けて「30字記述」「50記述」「70字記述」の目安があります。

30文字 結果だけを書く

50文字 原因+結果を書く

70文字 背景+原因+結果を書く

といったような目安を設けることで、長文記述であっても、お子さんは文章が書きやすくなります。

もしお子さんが「書くのが苦手」で手が動かないというときには2つ対策方法があります。

【記述が苦手で、書けない子の対策方法】

1. 間違ってても、とりあえず◯をつけて、書く意欲をかきたてる

2. 書かなくてもいいので、口頭で答えを説明してもらう

1については、とりあえず◯をつけて自己肯定感を高める中で、自分から書ける様になってきた段階で、細かい修正をしてくパターンです。

書けないという気持ちが強く、手が動かないお子さんには2の方法も有効です。

2で全く説明できないという場合は、文章がほとんど読めていない可能性が高いため、文章の読み方から見直す必要があります。

成績が上がる、中学受験国語の長文の読み方とは?

中学受験の国語の長文読解について、多くの方からいただく質問が、

「長文を読んでから問題を解くのか?」

「問題を読んでから、長文を読むのか?」

「長文を読みながら、問題部分になったら都度確認するのか?」

この、どの方法が良いか?という質問です。

中学受験の国語の本番試験で、安定して得点が取れているお子さんを見てみると、大半のお子さんが「長文を読みながら、問題部分になったら都度確認する」という読解法を使っています。

一部「問題を読んでから、長文を読む」という方法を勧めている指導者の方もいますが、小学生のお子さんはワーキングメモリーがまだまだ限られているので、問題の内容を覚えて、長文を読むことが難しいことに加え、間違った選択肢が頭に入ってしまった状態で、長文の内容を読んでしまうことから、この方法はお勧めできません。

4年生〜5年生で、都度問題を確認しながら長文を読むことがまだ難しいという場合は、まず長文を読み切ってから、問題を確認するという方法で、長文に慣れることから始めていきましょう。

長文が読み切れないお子さんの対策

国語が苦手なお子さんには、そもそも「長文が読めていない」というお子さんも多いです。

このケースでは、

「国語に対する苦手意識が強くて、やる気が出ない」

「集中力が続かない」

「長文の内容が覚えきれない」

など、様々な原因が考えられますが、まずはお子さんを「読める」ようにしてあげることが第一です。

長文が読めないお子さんを読めるようにするには下記3つの対策が有効です。

【長文を読めるようにするには?】

1. 音読をさせて、内容を理解できているか確認する

2. 文章ごとに、大人と交互に音読をする

3. 大人が読み聞かせて、耳から理解する

1の音読だけで、内容を理解できるようになるお子さんが大半ですが、音読が難しい場合は、大人と交互に読むようにしましょう。それでも難しい場合は、読み聞かせから始めることになります。

上記3つの方法でも、読めないことが続く場合は、個別指導や家庭教師の指導を検討することをおすすめします。

4. 【中学受験 国語】効果的な漢字の覚え方

国語の成績を上げるためには、漢字の特訓も必要です。

漢字を上げるだけにとどまらず、長文読解の読解力にも直結します。

下記に、漢字をお子さんの頭に定着させるためのポイントをまとめました。

効果的な漢字の覚え方 3つのポイント

1.体で覚える

当然といえば当然ですが、覚えるために最も有効な手段は「反復」です。

あれやこれやと新しい問題集に手を出しても効果はありません。

また、答えが隠れる赤シートや単語帳を用いた、「目」だけの学習をいくら繰り返しても、書けるようにはなりません。(読み取りの暗記には有効です)

自転車やそろばんを身に着けるのと同様、漢字が書けるようになるには、これと決めた相棒(問題集)にひたすら向き合い、実際に手を動かし、演習を繰り返すことが重要なのです。

2.意味を理解して覚える

漢字が覚えられない子に多いのが、ひたすら新しく出てきた漢字を書きまくるだけで、意味を理解する作業を怠っている場合です。

英文を覚える時に、単語の意味や文法、和訳を理解している方が覚えやすいのと同じで、漢字も部首や成り立ち、その意味を理解している方が覚えやすいのです。

お子さんが4~5年生で、漢字がなかなか覚えられずに悩んでいるなら、ぜひ、漢字の部首や成り立ちの学習からやり直しましょう。

お子さんが6年生ならば、時期的にそのやり方は効率的とはいえません。この場合は、のちほど紹介する問題集で、実践演習を何度も繰り返しましょう。

3.毎日繰り返し演習し、間違いノートを作る

大切なのは、毎日やること。

朝食前のたった5分でも良いです。

毎週、確認テストの直前に1~2時間必死で覚えるより、1日5分間の学習を、7日間欠かさず行った方が、ずっと効果があります。

その際、やりっ放しではなく、必ず間違いノートを作ること。

毎日演習を繰り返せば、自分がしょっちゅう間違える漢字に気が付くはずです。

これを、ノートにストックしていきましょう。

授業やテストで間違えた漢字も間違いノートに記録し、再度それを間違えた場合には印をつけていきます。

時間がない時や確認テストの直前は、何度も印がついた漢字だけを見直せば良いのです。

「うるし塗り」のように、何度も何度も丁寧にカバーすることで、確実な力が付いていきます。

漢字学習オススメ問題集

4年生におすすめの問題集

~漢字が苦手・大嫌いな場合~

『日本一楽しい漢字ドリル うんこ漢字ドリル小学校4年生』(文響社)

漢字が大嫌いな4年生(特に男子)に、とっかかりとしておすすめです。

「博」……「ナウマン象のうんこを見に、博物館へ行った」というように、

例文も、小学生が面白おかしく漢字練習に取り組めるよう、工夫してあります。

~漢字が普通・よくできる場合~

『漢字マスター1095題 4年』(日能研)

漢字が普通に出来るのならば、こちらがおすすめです。

書き込み式で、日付を書く欄があり、分量も調整しやすいよう工夫されています。

毎朝の学習には、特に向いています。

(大変よくできる場合は、同じシリーズの5年生に取り組んでも良いでしょう)

5年生におすすめの問題集

『漢字マスター1095題 5年』(日能研)

4年生におすすめの問題集でご紹介した書籍の5年生版です。

『SAPIX 国語の要 その2』(サピックス小学部)

サピックス校舎で販売されている、読解・知識・漢字の学習が4冊セットになった問題集です。ケースに入っており、必要なものだけ取り出して持ち運ぶことができます。

漢字の問題集では、見開きで片面が知識、片面が漢字となっており、合わせて学習できます。分量的にも、無理なく毎日学習しやすいでしょう。

6年生におすすめの問題集

『漢字マスター1095題 6年』(日能研)

4年生におすすめの問題集でご紹介した書籍の6年生版です。

最高学年の時点で漢字が普通レベルならば、こちらで基礎の定着を図りましょう。

『中学入試 でる順過去問 漢字 合格への2606問』(旺文社)

基礎はしっかり身についているという場合に、大変おすすめです。

入試を分析し、頻出度の高い順から並べているのが特長で、入試において本当に重要なものから学習できる、実践型問題集です。

1ページ当たりの問題数も多いので、基礎が出来ていないと嫌になってしまうでしょう。レベルに合わせて選んでください。

おすすめの参考書(全学年)

『SAPIXの漢字学習字典 SAPI漢』(サピックス)

小学校で習うすべての漢字が学年別に収録されています。イラスト付きで、4年生でも十分見やすく、漢字学習が楽しくなる知識も紹介されています。こちらはサピックスの校舎だけでなく、書店でも購入できます。

『小学漢字 1006字の正しい書き方』(旺文社)

小学校で習うすべての漢字が、書き順も分かりやすいように、一画ずつ示されています。

ポケットサイズで持ち歩きやすく、熟語も豊富に掲載されています。すべての漢字に、成り立ちに関するコラムもあり、大変重宝する参考書です。

漢字を学習することは、単に読み書きだけでなく、熟語・対義語・類義語などの知識や、語彙力をつけることにも繋がりますので、ぜひ毎日の練習習慣を身につけていきましょう。

5. お子さんが国語好きになる 低学年時の3つの習慣

中学受験国語の成績を安定して伸ばすには、低学年からお子さんが「国語」を好きになるようにご家庭で習慣づけていくことが大切です。

具体的には下記の3つの習慣を大事にすることで、お子さんの国語力を伸ばしながら、国語が好きになるようにできます。

小学校の音読の宿題を大事にする

小学校から出される「音読」の宿題は、国語力を伸ばす第一歩です。

面倒くさがるお子さんもいますが、感情を込めた丁寧な音読ができるお子さんは国語の成績が伸びやすいです。

音読を「読んでおきなさい」と済ませてしまうお父さん・お母さんも多いですが、お子さんの読み方を聞いてあげて褒めて上げることは、中学受験国語の下地を固めるために必須です。

毎日の音読習慣を侮らないようにしてください。本当に国語力の成否をわける大事な習慣になります。

親子で本を読む習慣を

低学年からの読書習慣は、お子さんの国語力を大きく育てます。

お子さん1人だけでは興味を持てないことも多いですが、「親子で本を読む習慣」を持つことがお子さんを本好きにする最短ルートです。

親子で図書館や本屋さんに行って、お子さんが自分で読みたい本を選べるようにしてあげてください。最初は漫画でも構いません。

お父さん・お母さんと同じ空間で本を読み、どんな本だったか?内容を興味を聞いて上げることが大事です。

一緒の空間で時間を過ごすことで、本を読むことが当たり前になることに加え、読んだ内容を自分の言葉で伝えることで要約力・語彙力が大きく伸ばせます。

親子の会話で、本の内容を映像化する練習をする

せっかく本を読んでも、「流し読み」や「飛ばし読み」をしてしまい内容をきちんと読み切れていないお子さんも珍しくありません。

このままでは、「読書好きなのに、国語の成績がいまいち伸びにくいお子さん」になってしまいます。

国語の力を伸ばすためには、本に書かれている内容を頭の中で描写・整理することが大事です。

文章内容を映像化(イメージ)する練習も取り込んでください。

具体的には本の内容を説明してもらう際に、登場人物はどんな顔?どんな服を来ている?それはどんな場所だった?とどんどん質問をしてあげましょう。

繰り返し習慣づけることで、お子さん1人で本を読んだときに、自然と頭の中に風景が広がるようになっていきます。

6. 中学受験国語 よくある質問

国語に明確な勉強法・対策はないのでしょうか?

主任相談員 辻義夫

国語はやり方さえわかれば、得意教科に変えやすい教科

国語はよく、受験科目の中で勉強方法がわからない教科と言われます。

この「国語の勉強方法がわからない」と言われるのは、素材文の内容によって解答の解説が大きく異なっていることが最大の原因です。

ですが、素材文の内容に関わらず、文章の種類(物語文・論説文・随筆文)と出題の種類(選択問題・抜出問題・記述問題・接続詞問題)で、どのように考えればよいのか?基本となる方針は存在します。

そのため、

1. 素材文と問題の種類ごとの、解き方の方針を知ることと、

2. 国語は自分の考えではなく、「筆者と出題者の意図」を理解する教科

ということから教えて上げる、論理的なアプローチでの勉強法で成績をあげることが可能です。

お子さん1人で長文読解を何問も解かせるような勉強法では成績は上がりにくい一方で、正しいやり方で一通り一緒に問題を解くことで、理解が深まりやすいのも中学受験国語の特徴です。

国語が苦手なのは、うちの子に国語のセンスがないからでしょうか?

主任相談員 辻義夫

国語に「センス」は必要ありません。必要なのは「正しい勉強方法」です。

国語が苦手なお子さんについて、塾の先生に相談すると

「まだ国語力が育っていない」

「国語はセンスですから」

という回答をする先生も珍しくありません。

ですが、当記事で解説したように、中学受験の国語は、問題ごとのパターンに合わせて、筆者と出題者の意図を正しく捉え、回答を考えれば、正答にたどり着けるように問題が設計されています。

センス(感覚)ではななく、論理的に解けるようにできているのです。

もし「国語はセンス」という先生がいたら、その先生は中学受験の国語指導の方法を知らないだけということになります。

中学受験の国語は難しい問題もありますが、論理的に正しい方法で国語の解法をお子さんに説明してあげれば、苦手なお子さんでも必ず理解できるようになります。

また、原因が「文章を読むことが苦手」という場合があり、どうしても文章を読むことに集中できないお子さんもおり、論理的な解答法を教えてもうまくいかないケースがあります。そのような場合に「センスが無い」「この子は国語が苦手」と言われてしまうことが多くあります。

お子さんも「苦手」「センスが無い」と言われたり、自分で感じてしまうことによって、より強く苦手意識を持ってしまうことになりますので、親御さんから積極的に5. お子さんが国語好きになる 低学年時の3つの習慣で解説しているような方法で、文章を読むことへの苦手意識を無くすことで、大幅な点数の改善がされるケースが多くみられます。

読書は好きなのに、国語の成績が伸びません。なぜでしょうか?

主任相談員 辻義夫

ハラハラドキドキの「エンタメ読み」になっていないかをチェックが必要

本を読むことが好きなのに、国語の成績は伸びないというお子さんは珍しくありません。

このようなケースでは、お子さんが、ハラハラドキドキするようなストーリーを追うことだけが楽しくなっており、内容をじっくり読めていないことが大半です。

何がどうなったのか?ストーリー展開を追うことや物語を先読みすることが目的になり、「飛ばし読み」が癖になってしまっているため、中学受験国語で求められるような「精読」ができていないことが考えられます。

あらすじを見ただけで、詳しい内容は頭に入っていない状態です。

読書が好きで、読むスピードが早く、その割に国語の成績が伸びないというお子さんほど、当てはまります。

中学受験の国語でにおいて、大切なことはストーリーを頭の中で映像化し、風景を描写すること。

その中で登場人物の心情がどう動いたかまで目が届いているかです。

このようなケースでは、本の内容をお母さん・お父さんが質問してあげることで、細かい描写・心理状態に目が行くようになりますので、ぜひ実践してみてください。

まとめ

以上、中学受験の国語について詳しく解説しました。

中学受験の国語は正しいアプローチができれば、成績は必ず伸びます。

苦手なお子さんほど、「センス」や「国語力」という言葉を使って、「勉強方法」がわからないままにしておくのは非常にもったいない最高の得点源です。

ぜひこの記事を参考に、国語の勉強方法を見直していただければ嬉しいです。

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