中学受験 合格できる子になる自宅学習

お子様に中学受験をさせようと考えた場合、多くのご家庭では塾に通わせることを考えると思います。
ひとくちに「中学受験の塾」といっても、大手進学塾、中小の塾などさまざま。
また通わせる塾によっても、家庭学習のしかたが変わってきます。
この記事では、大手進学塾にお子さんを通わせた場合、四谷大塚系の中小塾の場合、そして家庭学習だけで中学受験に挑戦する場合それぞれの、家庭学習のポイントについて、算数を例に考えてみたいと思います。
もくじ |
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1. 大手進学塾にお通いの場合
1−1 与えられたものをすべてこなそうとすると・・・
大手進学塾にお通いの場合、塾でしっかり受験勉強をサポートしてくれます。
カリキュラムもしっかりしているし、「これだけやれば大丈夫、合格できる力がつく」というシステムが出来上がっています。
ただそれ故、お子さんが消化しきれないくらいたくさんの宿題を持ち帰ってきます。
それを全て自宅で完璧に勉強、習得できれば、御三家や難関中学合格も可能でしょう。
しかし、与えられたものをすべてこなそうとすると、勉強が「作業としてこなすだけ」「公式を覚えて当てはめるだけ」といった状態になりかねません。
大手進学塾にお子さんを通わせた場合、ポイントになるのは「いかに宿題を取捨選択するか」なのです。
1−2 「やるべきこと」の優先順位付けが大切
たとえば首都圏を中心に展開する大手進学塾、サピックスの算数の授業では、宿題は「授業中にみんなで解いた問題」を中心に講師から細かく出されます。
その宿題をすべてやろうとするのではなく、以下のような視点で家庭学習を組み立てるのです。
各塾、基本の復習用のツールがあるはずです(なければ復習テストや確認テストの過去のもののなおし)。
それを日常の学習に入れることが、実力テストで点が取れる力をつけるコツです。
2. 四谷大塚準拠の小さい塾なんですが・・・
2−1 予習を前提としたテキストとカリキュラム
四谷大塚のような「加盟型」の塾にお通いの場合、直営教室なのか加盟教室なのかによって家庭学習も変わってきます。
「予習シリーズ」という四谷大塚専用の教科書を使って勉強します。
「予習シリーズ」にはお子様が興味を引かれるようなイラストやカラー写真がふんだんに使われ、お子さんの予習を前提としたテキストです。
四谷大塚の直営校では、子どもたちがあらかじめ予習した状態で週の1回目の算数の授業に臨むという、本来の「予習シリーズ」の使い方をします。
家で予習したときにわからなかった部分、理解が浅かった部分を1回目の授業で深め、このとき宿題が出されます。
2回目の授業は演習中心で、宿題は出ません。
「週テスト」に向けて、この2回の授業で習ったことを復習するのが宿題です。
この2回の授業を経て、子どもたちは週1回の「週テスト」を受けます。
2−2 四谷大塚の「加盟教室」はスタイルが様々
四谷大塚の加盟教室(個人塾や中小の塾)の場合、塾の規模や通うお子さんのレベルによって授業のスタイルは様々です。
小さな個人塾などの場合は、通ってくる子どもたちのレベルに合わせ、「予習シリーズ」を予習してくることを前提とせず使うことも多いのです。
授業ではじめてその単元を習い、家で復習することで理解を深めて週テストに臨むという、サピックスや日能研、浜学園などと同じスタイルです。
この週テストはお子様の順位を位置づけるものではありません。
これまでに学んだことがどの程度身についているのかをチェックするためのものです。
ここで1週間学んだ学習内容を確認したり、間違った箇所を「解説IT授業」を利用して再復習します。
それによって学んだことをしっかり自分の学力として確実に定着させることができるのです。
四谷大塚系の中小塾の場合、四谷大塚のカリキュラム、テキスト、テストのシステムを使いながら、少人数のきめ細かい指導が受けられる、というメリットを得られる可能性があります。
地域での塾の評判や「四谷大塚の実績」ではない「その教室の実績」を確認しておくのがいいでしょう。
週テストと5週に1回の「公開組分けテスト」に合わせたリズムの学習サイクルを作り上げるのが最大のポイントになります。
3. 塾に通わず自宅学習だけで受験するには
3−1 実際に塾なしで中学受験させた人のホームページを参考に
近くに塾がない、習い事と両立できるか心配、といった理由で、塾に通わせず、通信教育や家庭学習だけで中学受験に挑戦したいというご家庭もあるでしょう。
塾に通わずに自宅学習だけで受験するには、周囲の塾に通うお子さんと差がつかないよう、ご家庭、保護者のサポート力が最も必要とされます。
塾に通う子は、志望校の過去問や塾独自の対策問題を解いたりして受験にどのような問題が出るのか、塾が持つ独自のデータを元に様々な対策を受けます。
全国規模の模試で自分の学力を把握することもできます。
自宅学習の場合、それをどうやって補うかです。
方法としては、日能研や四谷大塚、浜学園などの公開模試を定期的に受けることです。
その結果を元に、お子さんの学力が今どの程度あるのかを親が把握した上で、どこに重点を絞って勉強を進めたらいいか考えていきます。
自宅学習だけで実際にお子さんを中学受験させ、合格させた方々の自宅での勉強方法が事細かに掲載してあるホームページもありますから、そのようなものを参考にするのがいいでしょう。
中には勉強方法以外の体験談、自宅で利用するオススメの参考書や問題集も記載されてあるので、参考になります。
3−2 「塾なし受験派」にも予習シリーズはオススメ
「親がすべて考えるのは大変だし、自信がない」というような場合は、四谷大塚の予習シリーズとその副教材を使うことをお勧めします。
四谷大塚の教材は市販されており、カリキュラムも公開されていますから(四谷大塚のホームページで教材は購入、カリキュラムはダウンロードできます)、少なくとも進度面で塾に通う子と大きく差がつくことが無いよう学習を進めることができます。
四谷大塚のテキストを使うなら、テストも外部受験ができる四谷大塚のものがいいでしょう(「全国統一小学生テスト」は小学校レベルのテストなので、月1回のペースで実施される「公開組分けテスト」を受験しましょう)。
ただし、2012年から行われた改訂で、予習シリーズ(特に算数)はレベルが上がっています。
志望校にもよりますが、副教材を工夫して(演習問題集にも「基本演習問題集」と「応用演習問題集」があります)目指す学校のレベルに合わせた学習になるよう調整することが大切です。
このように、大手進学塾、四谷大塚準拠の中小塾に通うお子さん、自宅学習で頑張るお子さん、それぞれで勉強方法が異なります。
お子さんに合った勉強スタイルを確立し、お子さんのモチベーションを上げ、確実に学力を身につけていきましょう。
A. 解けた、理解できた問題(自信あり)
B. 何とか解けた、あるいは解けなかったけど解説を聞いて理解できた問題(ちょっと自信なし)
C. 解けなかった、解説を聞いても理解しづらかった問題(自信なし)
とランク付けしておく。